1920年、大正9年、日本最初の合成香料製造会社として創業、技術者15名と経理部4名ということです。技術者集団で作った会社ということで、先ほどの企業理念もそういうところから出てきております。1927年商工省(現:経済産業省)より工業奨励金を下付、これは1936年までに4回の奨励金を受けております。1929年には日本最初の香料輸出ということで、イギリスにサフロール3tを輸出しております。
少し飛びまして、1960年、大戦後15年くらい経った時ですが、国際化に向けてパリとニューヨークに駐在所を開設しております。私どもくらいの規模の会社でこんなに早くから海外に出張所を設ける例というのは以外と少なくて、それなりに注目もされたものです。1980年、昭和55年に八丁堀と蒲田に分散しておりました本社機構を高輪の方に移転統合いたしました。
1983年には「においの人間に対する影響」ということをテーマで第1回高砂香料シンポジウムを開催しております。このシンポジウムによりまして今盛んに言われております“アロマテラピー”といった匂いの機能性がたいへん注目されるようになってきました。これは以後10回開催しております。
1983年には不斉合成法によるl-メントールの生産を開始しております。この不斉合成法というのは2001年野依先生がノーベル化学賞を受賞されたわけですが、この時に先生のご指導のもとに当社の磐田工場で成功したl-メントールの生産がノーベル賞に一役かったというようなことです。1993年には蒲田にありました総合研究所を平塚に移転しております。
1998年、本社を創業の地、蒲田に移し2000年には創業80周年を迎えました。それから2001年、野依良治社外取締役がノーベル賞を受賞ということですね。これは先ほどちょっと触れました不斉合成法によるl-メントールの成功がその影にあります。野依先生には受賞の3カ月ほど前の6月に社外取締役に就任していただいたばかりの出来事でたいへんな快挙となりました。 |