フォトグラファーだからこその強み

　ニコンフォトコンテストとは、「世界中の写真愛好家が、プロフェッショナルとアマチュアの枠を超えて交流できる場を提供し、写真文化の発展に貢献すること」を目的として、ニコンさんが1969年より主催している歴史ある国際写真コンテストです。今回は、自身がフォトグラファーでありながら、運営としてこのコンテストに携わっている小宮広嗣をご紹介いたします。

　小宮はニコンフォトコンテスト2014-2015から初めて参加。フォトグラファーならではの視点を持ちながら企画に向き合う積極的な姿勢から、ニコンさんとの信頼関係を得ることができ、翌年から現在まで展示企画をはじめ、コンテストのブランドにより深く関わる幅広い役割を担っています。

　中でも重要な仕事の一つに、審査員コーディネートがあります。審査員は多彩な分野で活躍するフォトグラファーやキュレーター等、国際色豊かで幅広い経験や知識を有している人物を中心に、バランスを考えながら候補者を選ばなくてはいけません。また、審査員はコンテストにとって核となる存在でもあり、特にここ数年審査員長を務めているネヴィル・ブロディさんの映像への想いや、映像文化の発展にどう貢献できるかなどの考えに小宮は深く共感したとのこと。今では受注者と発注者の関係を超えて、互いに映像に関わる人間として絶対に生半可な気持ちでは参加できないという思いでコンテストを作り上げています。

　また、小宮はプロモーションムービーも制作。運営を知っているからこその視点でつくられたムービーは、審査員の熱い想いが胸を打つ素晴らしい仕上がりです。「プロモーションムービーの仕上がりはコンテストの募集にダイレクトにつながりますし、何より審査員たちに恥ずかしくないクオリティに仕上げたいので、一人のフォトグラファーとしてプライドをかけて制作しています」とのこと。フォトグラファーとして楽しみながらも本気で運営に取り組んでいる小宮は、もはやコンテストの運営にとってなくてはならない存在になっているようです。

　最新のニコンフォトコンテスト2020-2021は現在作品を募集中です。その審査会の様子や展示については、来年またこちらでお伝えしたいと思います。お楽しみに！