電力会社を選べることが、未来を選べることになりますように。

私たちの家庭でも来年4月、いよいよ電力小売が自由化される。価格抑制やサービス向上が期待される、電力の市場競争。それは果たして、省エネや温暖化抑制にもつなげられるだろうか。自由化がもたらす未来に注目が集まっています。トッパンが開発してきたのは、スマートメーターやHEMSの電力データと各家庭の属性データを分析し、マーケティングに活かすシステム。例えば、利用者に電気、ガス、灯油のベストミックスを提案し、無駄のないエネルギーの使い方をサポートしていきます。

[トッパンのエネルギーソリューション]

目指すのは、家庭のエネルギーをトータルマネジメントし、利用者と電力会社をつなぐ仕組み。鍵を握るのは、いかに消費者心理を捉えたサービスを構築できるかです。トッパンは、長年の顧客コミュニケーションのノウハウや、サポート・運営体制に加え、スマートシティ実証実験等で培ったデータ分析技術で答えを出します。「電力を選べるメリットは、お互いを知らないと生まれませんから。」担当者は語りました。

[受賞歴]

エネルギーを使うだけではなく、効率的に活かしていく。印刷テクノロジーのかたちです。

▲図1 トッパンのエネルギーソリューション
▲図2 トッパンが積み重ねてきた事業実績

2016年4月から、いよいよ一般家庭向けの電力小売り自由化がスタート。生活者が電力事業者を選べる時代となります。「電気代を1円でも安くしたい」「クリーンな電力を使いたい」「安定している企業と契約したい」。このような生活者のさまざまな望みに対して、事業者が応えていくことが重要になってきます。そのために必要なことは、生活者と事業者、そして事業者同士がよりコミュニケーションを活発化させ、生活者に寄り添ったサービスを提供し、事業者にとってもメリットをもたらすこと。このようなニーズをトータルにサポートするのが「トッパンのエネルギーソリューション」です(図1)。

トッパンは独自に開発した電力監視システムなどを導入し、多種多様な工場のエネルギーの効率化を推進してきました。さらに蓄電池や、非常用電池などのエネルギー関連部材の研究開発・商品化や、エネルギーマネジメントに関する、新たなコミュニケーションプラットホーム構築のため「北九州スマートコミニュティ創造事業」や「大規模HEMS情報基盤整備事業」など、国の実証事業に携わってきました(図2)。トッパンは長年にわたり、社内における活動と事業活動の両面でエネルギーに関する取り組みを積極的に行い、蓄積したノウハウを活かして、新たなエネルギーソリューションに取り組んでいます。

▲図3 家庭向けエネルギー情報サービスプラットフォーム「VIENES」
▲図4 スマートライフレポート発行サービス

そのひとつが、家庭向けエネルギー情報サービスプラットフォーム「VIENES(ヴィエネス:Energy Information Creative Value System)」。スマートメーター※1やHEMS※2などから得られる家庭内の電力ログから、電力の使用状況や生活行動を予測し、個人の生活行動やプロファイルデータと紐付け、さまざまなサービスに展開するサービスプラットフォームです(図3)。たとえば、現在の検針票に替わり発行されるスマートライフレポート。総電力使用量だけでなくどの時間にどれくらいの電力を使ったか、前月比でどれくらい電力を節約できたかといった詳細情報に加え、省エネのヒントやその家庭にあった家電製品のレコメンドなどを、パンフレット形式の見やすいレポートとして戸別に配布することが可能です(図4)。「VIENES」は、電力使用量の見える化をはかるだけでなく、電力小売事業者に新たな顧客コミュニケーションの仕組みを提供します。

電力システムの改革による自由化は、今後、ガスも含めた統合的なエネルギーシステムとして進化し、そこには新たな市場が創出されます。トッパンは、原点である「印刷技術」をベースに「情報加工」、「マーケティング」、「セキュリティ」、「部材加工」などの知識とノウハウを結集し、これから新たな電力事業を推進していきます。エネルギーのトータルソリューションで、生活者により快適な暮らしを、企業にはさらなる成長の支援を。「印刷テクノロジー」の、ひとつのかたちです。

※1 電力をデジタルで計測し、通信機能を持たせた電力量計
※2 Home Energy Management Systemの略。太陽光パネルや蓄電池、家電、電気自動車、給油器などをつなぎ、家庭内のエネルギーの使い方を管理・見える化して省エネルギーにつなげる仕組み

最先端の印刷テクノロジーを駆使して
エネルギーに関わる取り組みやさまざまな製品・サービスを提供しています。

  • HEMSデータによる
    CO2削減行動の評価マニュアル
    HEMSデータによるCO2削減行動の評価マニュアル

    トッパンは株式会社三菱総合研究所と共同で、HEMSデータの新たな活用方法を提案する、環境省「HEMSデータによるCO2削減行動の評価マニュアル」を作成いたしました。本マニュアルは、2013年より3年間にわたり、環境省の委託事業で検討したノウハウを活かし、できる限り専門的な知識を必要とせずに、HEMSデータを使って、個人や家庭がCO2削減のために実施した努力を評価する手順や方法について解説しています。電力関連事業者が各家庭の省エネ努力に応じたポイント付与やクーポン発行などのサービスに活用することができます。

  • 非常用マグネシウム空気電池
    「MgBOX(マグボックス)」
    非常用マグネシウム空気電池「MgBOX(マグボックス)」

    「MgBOX」は、古河電池と凸版印刷が共同で開発・販売する非常用電池です。非常時に水や海水を入れるだけで、多くの携帯機器に電力を供給および充電することができます。大容量かつ長期間保存可能なだけでなく、使い捨て電池として使用後の廃棄が容易となるよう、紙製容器を使用しています。本製品は枯渇資源を使用せず「マグネシウム」「塩」「水」で発電でき、かつ「使用したい時に水を入れて使用する」ことができるため、発電された電気が無駄なく使用できるクリーンなエネルギーの仕組みで災害時の携帯機器の電池切れによる情報の遮断を解決いたします。

  • エネルギーの高効率利用を
    実現する群馬センター工場
    エネルギーの高効率利用を実現する群馬センター工場

    トッパンでは、地球温暖化防止のため高い目標を設定し、事業活動から発生するCO2排出量の削減、省エネルギーに取り組んでいます。その取り組みの一環として2014年4月に竣工した最先端の包装材を製造する群馬センター工場では、コージェネレーションシステムを導入し、生産工程から排出されるVOC※1を燃料として利用し、更には発生する廃熱を工場の空調、設備などの熱源として最大限利用する高効率な省エネルギーシステムを構築しました。災害時にもBOS(ブラックアウトスタート)機能※2によるエネルギー供給が可能なシステムとしています。

※本文中の敬称は省略しています。
※本文中の商号および製品・サービス名称は、各社の商標または登録商標です。