凸版印刷トッパンソリューション

分析編 グローバルコミュニケーションの傾向

事例紹介:グローバルサイトの特徴

世界的に有名なグローバル企業約50社の世界に向けたグローバルサイトと本社所在国のローカルサイトの調査から見えてきた、サイト構築の違いについてご紹介します。

A社:石油・石炭製品(英国)

【トップページ】グローバルサイトでは簡単な企業紹介を含め、全体像を伝えるコンテンツを集約

会社の認知があまりされていない人が見に来る可能性が高いグローバルサイトでは、事業領域紹介、CSR情報やIR情報など、企業の全体像を伝えるコンテンツをトップにまとめています。一方、その国内での知名度が高い本国サイトでは、本国での事業活動や社会貢献活動など、その地域との関わりに関する情報をメインに訴求しています。

【特集】気候変動への対応などグローバルイシューへの取り組みを中心に、特集記事を掲載

グローバル向けの特集は、「なぜ気象変動への対応に取り組むか」などグローバルイシューへの取り組みをCEO(会社)としての認識も盛り込んだ形で掲載。グローバルな視点をもつ投資家や取引先を意識した内容です。

【サイト構成】主ターゲットが異なるものの、CSR関連情報はどちらもカバー

それぞれのターゲットに合わせた構成になっているものの、企業評価(専門家層)・共感醸成(一般層)そのどちらにもつながるCSR情報は両方に掲載しています。

【CSR情報】グローバルサイトは専門家に向けたフルレポート、本国サイトは1ページでシンプルに

グローバルサイトでは、専門家向けにサステナビリティ戦略や安全・環境・社会問題をカバーしたフルレポートを掲載。本国サイトでは、一般生活者向けにシンプルな1ページで構成し、ページ遷移による離別を防ぐとともに、企業の全体像を伝えています。さらに地域住民の共感醸成を図るコンテンツを別に用意しています。

B社:生活用品(オランダ・英国)

【トップページ】グローバルサイトは投資家や学生など目的を持って訪問する層向け、本国サイトはブランドの紹介など一般向け

グローバルサイトでは専用の特集記事や、投資家向けの株価・IR情報、学生向けのキャリア情報など、ある程度その企業に興味を持つ人が気になるコンテンツをトップにまとめています。一方、本国サイトには、ブランド紹介など一般生活者に向けた情報で訴求しています。

【特集】グローバルサイトでは、グローバルイシューへの取り組みをメインに訴求

A社と同様に、グローバルイシューへの取り組みをメインに訴求。欧州での廃棄ゼロへの取り組みや日本における再生エネルギー活用など、地域別の記事も掲載しているのが特徴です。

【サイト構成】ターゲットに合わせて情報の深度を変更

A社の事例よりも、グローバルと本国で共通する項目が多くなっていますが、A社同様どちらでもカバーされているCSR情報は、それぞれのサイトのターゲットに応じて、情報の深度を変えています。

【CSR情報】グローバルサイトで情報をフルカバー、本国サイトは内容を絞りシンプルに

グローバルサイトはマテリアリティにそった構成で、専門家向けの詳細なフルレポートを掲載。本国サイトは1ページで企業戦略をコンパクトにまとめています。

C社:電気機器(オランダ)

【トップページ】情報を共有化しながらも、想定ターゲットに合わせてトップページの見せ方に変化を

両サイトがほぼ共通の情報で構築された事例です。グローバルサイトでは他の企業との協創によるイノベーションなど投資・取引先に向けた企業評価を高める情報を、本国サイトでは一般コンシューマー向けのキャンペーン情報というように、トップページだけ変更しています。
トップページの構成変更は手軽にできるため、日本企業でも導入しやすいのでは無いでしょうか。

【企業情報】メインエリアで、企業ビジョンを基にした経営やゴールを具体的に紹介

海外企業の特徴は、ビジョンやゴールを明確に打ち出すことです。企業情報のページでは、ビジョンをベースに経営していることをメインエリアのコピーで強調。イントロダクションのページに入ると、「2025年まで30億人の生活を向上させる」というゴールを明記し、その後に詳細な情報を伝える構成をとっています。

事例紹介:海外CSRサイトの特徴

続いて各社のCSRサイトの特徴について解説します。

D社:化学(米国)

具体的なゴールをベースにストーリーを展開

メインで訴求する6分野のコンテンツのうち2つがゴールに関連するなど、ゴールを前面に打ち出した展開です。一つが本年度の実績(ゴールとその結果)、もう一つが2025年に向けたゴールです。さらにその下の専門家向けにKPI(重要経営指標)をまとめている部分でも、一番初めにゴールの達成率を掲載しています。

E社:電気機器(米国)

専門家向けにサステナビリティサイトのトップでKPIを訴求

トップページで専門家に向けてKPIを訴求しています。日本企業では同様の例をあまり見かけませんが、海外では企業パフォーマンスを訴求することで、企業のイメージ醸成を図るため、KPIを訴求する企業が多いようです。

F社:飲料(米国)/G社:食料品(スイス)

一般向けへの情報発信として、マテリアリティをシンプルに表現

一般生活者向けの情報発信の例です。両社とも専門家を意識したマテリアリティ別の構成です。しかも難しい言葉は使わず、わかりやすいシンプルな英語で表現しています。英語はグローバルコミュニケーションの重要なツールですが、使用者の約7割が非ネイティブだと言われています。こうした層にも配慮して情報を効果的に伝えています。

H社:輸送用機器(米国)

読者に興味を持ってもらえるようマテリアリティをパララックス(視差効果)で動的に訴求

CSR情報のイントロページを設置し、マテリアリティをパララックスというテクニックによって動的に訴求。スクロールすると、車で走っているように目の前のフロントガラス越しに街の風景が流れ、マテリアリティが一つずつ目の前に現れてからコンテンツの内容に入ります。

まとめ

グローバルサイトでは投資家や取引先、本国サイトでは一般生活者というように、ターゲットによってコンテンツの内容を変えている例が多く見られました。特に、CSR情報は両方で掲載される重要な情報ですが、専門家に対してはKPIをアピールし、企業価値を高める傾向、一般層向けには表現をシンプルかつわかりやすく伝える工夫によって、共感醸成を図る傾向があることがわかりました。

小高 悠詩(おだか ゆうし
凸版印刷株式会社 トッパンアイデアセンター マーケティング企画部 コーポレートコミュニケーションチーム CSR担当 小高 悠詩(おだか ゆうし
凸版印刷入社後商品企画部にて様々なクライアントの商品プランニングに携わった後、コーポレートコミュニケーションの世界へ。
環境情報学を専攻し、エネルギー関連に携わるほか、環境先進国ドイツで過ごした経験を活かし、CSRを中心にグローバルなコミュニケーション支援に携わる。

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