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実践!インターナル・ブランディング トッパンのインターナル・ブランディングサポート

ブランディングとは

インターナル・ブランディングの話を始める前に、まず「ブランディング」とは何かについて、簡単に定義付けしたいと思います。「ブランディング」とは、簡単に言えば「モノ」から「ブランド」へ企業や商品の「ブランド化」を推進することです。
では、「ブランド化」とは何か。例えば、普通のお米とコシヒカリを出されたときに、ついついコシヒカリを選んでしまう。それが一般的な「モノ」と「ブランド」の違いと言えます。つまり、コシヒカリという名前によって生産地域やおいしさ、高価さなど、過去の経験や知識から何かしらイメージが想起され、他のモノと差別化できるから選ばれるようになる。そこが「ブランド化」されたモノと、一般のモノの違いといえるでしょう。
したがって、ブランディングを推進する際は、企業や商品に意味や価値を付けてあるべき姿を規定する(BRAND)、そしてそれを伝え、浸透させる(ING)という二つの活動に分けて考えるとわかりやすいと思います。つまり、受け手に感じてもらいたい価値を、送り手側が明確に定義し、言葉やビジュアルでカタチにする活動と、それをあらゆる企業活動を通して社内外の人々に伝え、感じてもらい、企業が意図するプラスのイメージを連想させるようにするコミュニケーション活動です。

ブランディングの進め方

実際にブランディング活動を進める際は、企業としてのあるべき姿を定義することから始めます。

企業としてどうありたいか、つまり理想像を明確にして、日々の活動に具現化させます。そのためには従業員に自分たちのあるべき姿をしっかり伝え、理解・共有してもらうことが大切です。従業員がどうあるべきか自覚するからこそ日々の行動に反映することができるようになります。
一方で社外に向けて、自分たちはこうありたいと表明・発信することでお客さまの期待感を醸成し、自社を選んでもらいます。そしてその期待が実際の企業活動と一致すれば、信頼や好意が生まれ、ファンを作ることにつながります。もしも社外に向けて発信していることと、実際の企業活動が矛盾していたら、お客さまは大きな不信感を抱き、離れてしまうでしょう。だからこそ、まずは従業員にしっかりとあるべき姿を共有させて意識を変えていくインターナル・ブランディングが重要になるのです。

社内コミュニケーションにあたっての問題点

インターナル・ブランディングについて相談を受けるとき、問題点は大きく2つに分けられます。一つは従業員が共有すべき「あるべき姿があいまい」であること。もう一つは「あるべき姿がしっかり伝わっていない」こと。つまり的確なコミュニケーションができていない場合です。

(A)「あるべき姿があいまい」であるときの解決方法は、理念体系や経営方針などをしっかり整理・体系化してわかりやすく整理することです。もし、あるべき姿が明確でなければ、目指すべき企業の理想像を再規定する必要があります。また、表現自体が抽象的だったり、ありきたりな言葉で従業員に響かない場合は、従業員一人ひとりが納得し共感できるようなメッセージを作り直す必要があります。

(B)「あるべき姿がしっかり伝わっていない」ときには、社内のコミュニケーション活動を見直す必要があります。具体的には、社内の情報メディアを洗い出し、整理し直すことから始めます。そして、現状の社内情報メディアだけでは伝えきれない場合は、新しい伝達手段や施策を検討したり、従業員一人ひとりに「自分ごと化」させる仕組みを考えるなど、従業員の意識レベルに合わせて最適な解決策を考えます。
今回は、時間の関係上、問題点(B)の解決策である「インターナル・コミュニケーション」に話を絞って紹介いたします。

インターナル・コミュニケーションの3つの基本的方法

自社のあるべき姿を社員に伝えて意識を統一していくためのインターナル・コミュニケーションについて、3つの基本的方法を解説します。

(A)「社内コミュニケーション」を考えるにあたっては、まず社内情報メディアの洗い出しを行います。社内報やイントラネット以外にも、回覧用チラシやポスター、社員手帳、メール配信、社内でSNSやブログを持っている企業もあります。さらに、社内放送、デジタルサイネージ、研修や社内セミナー、方針発表会などの会社の行事、そして上司や同僚との会話なども含まれます。これらをすべて洗い出すとともに、社内の部門や役職ごとに、影響力がある情報メディアは何かを分析します。そして最適な社内情報メディアを選定して情報を発信していくのです。また既存の情報メディアでは足りない場合は、あらたにブランド浸透ツールを開発します。これは冊子であったり、映像であったり、ITを活用したツールであったりします。
それ以外にも、従業員が自社のあるべき姿やブランドについて考える機会や場を設定することも重要です。トップによる繰り返しのメッセージ発信や、ブランド研修、また社員交流イベントなど様々な方法があります。

(B)「伝道師の育成」については、現場から積極的に自社のあるべき姿を伝達し、広めてもらうブランドの伝道師を抽出・認定し、育成することを行います。トップの方針が部長・課長・主任と階層別に下りてくる、従来の一般的なトップダウン型の伝達だけではなく、現場の社員を代表して伝えてくれる「ブランド伝道師」を選出して、その周囲の人間から徐々に伝えてもらいます。 選ばれた「ブランド伝道師」には、自社ブランドへの理解や自分たちのあるべき姿をしっかり認識し、自ら率先して理想的な行動をしてもらうことが重要で、組織を活性化させる施策を企画したり、推進したりすることも求められます。このような「ブランド伝道師」を育成し、増やしていくことで組織の内部から少しずつ意識を変えていく。時間はかかりますが非常に効果は大きいと感じています。

(C)「制度・仕組み」については、企業のあるべき姿を部門目標だけでなく、従業員一人ひとりの個人目標まで落とし込んで、実行させる仕組みを作ることが必要です。組織を活性化させるためのアイデアを募集する社内イベントや、ブランド構築に貢献した従業員を表彰する報奨制度を導入するのも良いでしょう。さらには、従業員の採用基準や、評価・昇進の基準など人事制度まで変えることで、しっかりとあるべき姿が社内に伝わっていくのではないかと思います。

最後に

トッパンでは、このような従業員に理念やビジョンを浸透させたい、または従業員のモチベーションを高めたい、閉塞した組織を活性化させたいといった要望や課題に対して、インターナル・ブランディングにおける戦略立案から、インターナル・コミュニケーションの全体設計や実行支援まで総合的にお手伝いをさせていただいておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。よろしくお願いいたします。

佐藤 圭一(さとう けいいち)

凸版印刷株式会社 ブランディング・ディレクター 佐藤 圭一(さとう けいいち)
広告会社の営業職を経て、2006年凸版印刷入社。以来ブランドコンサルティング部門にて、企業理念やビジョンの策定、CI・VI開発、組織風土改革や広告・広報の支援など、ブランドを起点に企業経営とコミュニケーションの両サイドからコンサルティングサービスを提供。日本マーケティング学会・マーケティングサロン委員、日本パブリックリレーションズ協会・広報委員なども務める。著書に『選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方』(講談社)。

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