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世界の最新ブランディング事例-Cannes Lions 2017より-

Cannes Lionsの概要

2017年6月、フランスのカンヌで行われた世界最大級の広告祭「Cannes Lions」で、CI・VIに関する面白い事例を3つほど見つけてきましたのでご紹介します。
「Cannes Lions」は、正式名称「Cannes Lions International Festival of Creativity」(カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル)。2011年からは「advertising:広告」という言葉が取れ、広告に限らずクリエイティビティのあるモノ・コトすべてが対象となり、世界中から面白い事例がたくさん集まっています。
約1週間の期間中、来場者数は1万名以上で、そのうち日本からは約500名が参加。トッパンからも毎年4、5名が視察で派遣されています。

応募作品数は、世界中から約4万5,000点。そこから約10%の4,500点が入選作品となります。さらに、議論されて入賞数は1,500点くらいに絞られます。
入選作品・入賞作品はカンヌの公式サイトにアーカイブされて日本でも閲覧できます。ですが入選未満の作品は現地の専用PCでしか閲覧することができません。入選未満の中にも魅力的な作品は数多くあります。本日は入選未満も含めて、CI・VI事例をピックアップしてきました。

事例1:ロンドン交響楽団 “VI Conducted by Sir Simon Rattle”

タイトルのサイモン・ラトル卿(Sir Simon Rattle)はベルリンフィルの首席指揮者兼芸術監督でしたが、退任を発表して2017年からロンドン交響楽団(London Symphonic Orchestra)の指揮者に就任。これを機に、同楽団のVIを作り直そうというプロジェクトです。サイモン・ラトル卿の指揮棒の動きをモーションキャプチャーでデータ化し、ビジュアリゼーションしています。指揮の軌道から「LSO」という同楽団の新しいロゴを制作。さらにタイポグラフィにも反映させ、演目のポスターのメインタイトルもラトル卿の動きを取り入れて作成されています。交響楽団にとって音楽監督とはパーソナリティであり、価値そのもの。その価値を、可視化する面白い事例だと思います。

事例2:クレジットカードの国際ブランド “BRAND REDESIGN”

新しい電子決済のリリースに合わせて、20年ぶりのロゴ刷新を実施。いままで培ってきた遺産を活かしながら近代性を伝達していくことを重視。単にロゴの形状を変えるだけではなく、そのシンプルな形状に徹底的にこだわり、ブランドのすべてのコミュニケーションツールを見直しました。カードのデザインからウェブサイト、電子決済の登録画面に至るまで。VI刷新を起点にブランドのすべてを見直す“BRAND REDESIGN”というタイトルにふさわしい内容に。

事例3:大手自動車メーカー “Audio Branding”

ブランドをビジュアルでなく、音で表現した「オーディオブランディング」です。ブランドパーソナリティを、6音程度の音階(フレーズ)に凝縮。この音をモチーフに、アレンジを加えて多くの接点でオーディオ要素として使用されています。新車発表会などの展示会場や、クルマのスイッチを入れた時の起動音、切ったときのシャットダウンの音など。クルマを中心とした生活の中のさまざまな場面で、音のモチーフに触れさせていくよう設計されています。この作品以外にも、香りでブランディングするという企業の事例などもあり、ブランドパーソナリティを体現するのはビジュアルだけではなくなってきているのだと感じました。

以上、本日は入賞・入選だけでなく入選未満も含めて、CI・VIに関連するカンヌの事例をご紹介しました。

亀井 光則(かめい みつのり)

凸版印刷株式会社 トッパンアイデアセンター マーケティング本部マーケティング企画部 ブランド戦略チーム クリエイティブディレクター 亀井 光則(かめい みつのり)
広告代理店の企画制作部門で10年の経験の後、「テクノロジーとクリエイティブの融合」という時代の流れを感じて、2008年にトッパンへ。カンヌ、クリオヘルス、ワンショー等の国際広告賞でトッパン初の上位受賞。2016年にはカンヌの姉妹賞であるスパイクスアジアで審査員を拝命。各国の代表的クリエイターと議論する中で世界の視点を学ぶ。現在、ブランド戦略チームにてクリエイティブディレクターとしてBRAND+INGの主にINGパートを担当。

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