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企業の価値を高めるために 第2章 企業におけるブランド戦略の違い

ブランディングの目的と実態

ブランド戦略について、BtoB企業100社、BtoC企業100社に向けて実施した調査データを踏まえてお話します。まずは、コーポレートブランディングに取り組む目的についてです。ここから読み解けるのは、自社の認知や浸透のために取り組んでいる会社が多いことがひとつですが、特徴的なのは自社のイメージ向上と、自社の商品・サービスのイメージ向上がほとんど同一の割合ということです。
自社の商品・サービスのイメージを向上させるためにも、コーポレートブランディングが有効であると考える企業が多いといえます。

次は、実際にコーポレートブランディングが成功しているのか、それとも失敗しているのかという点です。こちらはBtoB企業とBtoC企業で差はつきませんでした。平均すると、約半分の企業が成功と感じています。逆に言うと、せっかくコーポレートブランディングに取り組んでいるにも関わらず、半分の企業は失敗していると感じているわけです。

ブランディングの成功/失敗の要因

なぜ成功した企業と失敗した企業が出てくるのか、その違いを考えていきます。
ここには、大きく3つの理由があると考えられます。

(1)従業員の満足度やロイヤリティの向上をブランディングの目的に取り入れている

「従業員の満足度やロイヤリティの向上」をブランディングの目的の一つとして組み込んでいるかどうかで差が見られました。ブランディングに取り組む目的において、成功している企業と失敗している企業で最も差がついた項目です。
私たちの経験上からも、最終的にブランドをつくるのは自社の従業員であり、従業員の満足度・ロイヤリティを高めることはブランディングにおいて非常に重要なことだと考えています。

(2)コミュニケーション施策だけでブランドを作ろうとしない

「ブランディングで創り上げたいもの、実行したいもの」を挙げてもらったデータです。右側のコミュニケーションのフェーズに関しては、成功している企業と失敗している企業の割合はほとんど差がありません。対して、左側のブランド戦略・開発フェーズに関しては明らかに成功している企業のほうが高い数値を示しています。ここから読み取れることは、戦略・開発フェーズに力を入れている企業が成功するケースが多いということ、コミュニケーションはブランドの根幹をきちんと作ってから発信しないと効果が弱いということです。

(3)ブランディングのプロジェクト進行において社内調整をおろそかにしない

こちらは「コンサルタントに何を求めるか」という質問に対しての結果です。成功している企業と失敗している企業で最も差が付いた項目が「社内調整のサポート」という選択肢を選ぶかどうかです。私たちの経験からも、ブランドのプロジェクトにおいて、いかに社内の合意を形成していくかは非常に重要な項目と考えています。社内調整は非常に手間とか労力がかかる部分ですが、成功する企業は、社内調整の重要性を理解しているとも言えるでしょう。

BtoB企業/BtoC企業の違い

次はBtoB企業とBtoC企業の違いについて紹介します。
大きく、3つの違いが見られました。

(1)企業のロゴやシンボルを作った先まで考えているか

こちらは「ブランディングで実行したいこと、創り上げていきたいもの」の質問をクローズアップしたものです。企業のロゴを作りたい、ロゴの規定やガイドラインを作りたいと答えた企業の割合を示しています。企業のロゴやシンボルを作りたいという割合は、BtoBとBtoC企業でほぼ同一の割合です。しかし、ロゴの規定やガイドラインまで作りたいと回答したBtoB企業は、ぐっと少なくなっています。ここから、BtoB企業はロゴの規定やガイドラインまで意識できていないということが読み取れます。

(2)働く従業員のロイヤリティ(人に勧めたくなる企業か)

「自身の会社に勤めることを、友人など親しい人に進めますか?」の質問に対して10段階評価で回答してもらい、10点から7点をYes、6点以下をNoにカウントしたデータです。Yes/Noの割合ですが、BtoB企業は約4割、BtoC企業は約6割です。調査した企業の年収や企業規模はほとんど同一なのですが、BtoB企業の従業員のロイヤリティは少し低い傾向にあります。「うちはBtoB企業だからブランドは関係ない」ではなく、BtoB企業だからこそ、従業員のロイヤリティを重視したブランディングが必要な時代になってきています。

(3)インナー/アウターコミュニケーションの従業員ロイヤリティへの影響度

インナーコミュニケーション、アウターコミュニケーションを重視している企業において、従業員が自社に勤めることを他人に勧めるかのどうかの割合です。
インナーコミュニケーションに力を入れている企業では、BtoB、BtoCともに約6割、7割の従業員が、他の人にも勧めると回答しています。対してアウターコミュニケーションでは、BtoC企業は同様に7割ですが、BtoB企業では約3割にとどまっています。
ここから読み取れることとして、インナーコミュニケーションはBtoB・BtoC企業どちらにも安定して効果があり、BtoB企業のアウターコミュニケーションはうまくいっていないケースが多いと考えられます。そういった意味ではBtoB企業のアウターコミュニケーションは難易度が高いとも言えますし、まだ伸びしろがある、これからの分野とも捉えられます。

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