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WEBマガジン グーテンベルクの遺伝子

vol.10 3Dが切り拓く世界 - 活用が進む3Dプリンタ -

プリンタだけではない!3Dの世界

活用が広がる3Dデータ

3Dプリンタを使うためには3Dデータが必要ですが、3Dデータは言うまでもなく、3Dプリンタ以外でも活用が進んでいます。その活用方法は、3Dプリンタによる立体造形以外に、紙メディアでの活用とデジタルデータとしての活用が考えられます。
まず、紙メディアでの活用とは、カタログやポスターなどの印刷物の写真やイラスト部分を360度あらゆる角度で表現するために3DCGを活用するといった場面です。また、3DCGは実物がないものや撮影が困難なものも表現できるため、マンション、戸建て住宅、室内設備などの不動産関連、自動車、精密機器などのメーカーを中心に活用が進んでいます。
デジタルデータでの活用では、ARやVRなどが考えられます。
AR(Augmented Reality・拡張現実)とは、カメラが捉えた映像(現実情報)に3DCGや映像・画像・音声などの情報を付加しリアルタイムに表現する技術のことです。軍での赤外線暗視スコープやセンサー、医療分野における手術支援など、軍・航空、医療などの分野で利用、開発が進んでいますが、私たちの身近なところでも活用されています。例えば、スーパーなどで販売されている商品のパッケージに印刷されたARマーカーや画像を、スマートフォンのARアプリで認識することで、商品に関連したキャラクターの3DCGが画面に表示されるというプロモーションや、図鑑に印刷されたARマーカーや画像をARアプリで認識することで、そのページで紹介されているものが3DCGで表示され360度あらゆる角度で観察ができるようになるなどの事例があります。
一方、VR(Virtual Reality・仮想現実)とは、コンピュータで生成された3次元コンピュータ・グラフィックスの映像の中を自由に移動しながら、その3次元空間にいるかのような感覚を体験することができるデジタル技術のことです。VR技術は、ゲームなどの娯楽や建築、医療などでの活用だけにとどまらず、さまざまな分野で応用されています。活用事例の一つとして、印刷博物館VRシアターでは文化財鑑賞に使われており、圧倒的な臨場感と没入感のある仮想体験が可能です。

「旭山動物園ARどうぶつ図鑑」東京書籍

印刷博物館VRシアター
VR作品『江戸城-本丸御殿と天守-』(製作・著作:東京都江戸東京博物館/凸版印刷株式会社)より

データ制作の人材育成は必要不可欠

3Dプリンタでの活用をはじめ3Dデータは、その広がりの中で私たちの生活やビジネスを大きく変えていくでしょう。しかし、忘れてはならないことは、3Dデータはコンピュータが自動的につくってくれるものではなく、人が培った技能を駆使し、時間をかけて制作しなければならないということです。
3Dデータの制作作業は、大きく2つ。モデリングとスキャニングです。モデリングとは、3DCADや3DCGソフトを使ってデータを作成する方法です。もう一方のスキャニングは、3Dスキャナを使って物体を多角度からスキャンしてデータ化します。この場合は、スキャンの精度によって、データ補正、最適化処理の必要があります。
いずれにしても制作する人間に一定のスキルは必要となり、データを制作するために人材は不可欠です。つまり、3Dを活用するためには、ソフトの担い手、データを制作する人材の育成も大切なのです。

3Dソフトを使って3Dデータを制作

トッパンで研究開発中の簡易三次元計測システム

3Dデータ管理・運用システム構築の必要性

これまでに取り上げた3Dデータの活用は、企業の中でも部門ごとに制作・管理・運用されていることが多く、データ自体を共有するなど有効活用ができているわけではありません。今後、さらなる活用のためには、制作した3Dデータを高セキュリティ環境下で管理し、クラウド上で共有可能な仕組みを構築する動きが必要となります。この仕組みが構築できれば、全てのデータを個別に制作するのではなく、部分的に共有化することができるようになるため、作業負荷が軽減し、コスト削減が図れます。
そして、将来的には、1つの3Dデータからあらゆる出力形態(立体造形、紙メディア、デジタルデータ)、あらゆる目的(製品開発、プロモーションなど)で活用することができるようになるでしょう。

3Dデータ管理・運用システムのイメージ

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