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WEBマガジン グーテンベルクの遺伝子

vol.8 電子書籍の課題と未来が見えてきた

公式伝記「スティーブ・ジョブズ」世界同時発売、紙と電子の同時発売の軌跡

Steve Jobs –The Exclusive Biography

スティーブ・ジョブズが取材に全面協力した最初で最後の公式伝記『Steve Jobs –The Exclusive Biography』。アメリカを代表する伝記作家であり、CNNのCEOや『TIME』のマネージング・エディターを務めたメディア界の超大物、ウォルター・アイザックソンが過去数年にわたってインタビューした末に書籍化されたこの伝記は、世界32言語、36地域で刊行されました。
日本では講談社が独占翻訳権を取得。紙の書籍と電子書籍の世界同時発売という一大プロジェクトを進めていた矢先、ジョブズが急逝したというニュースが入りました。二転三転するニューヨークのエージェントのやりとりの末、予定を1カ月も早めて発売することになった『スティーブ・ジョブズ』は、発売と同時に大ヒットとなり、発売から半年が経過した現在も売れ続けています。大注目を集めるなか、タイトなスケジュールと混乱を乗り越えて同時出版を支えた編集者にお話をうかがいました。

株式会社講談社
取締役
学芸局長
渡瀬昌彦さん
学芸図書出版部
担当部長
柿島一暢さん
デジタルビジネス局
デジタルコンテンツ営業部
廣瀬良周さん

タイトなスケジュールで成し遂げた、2つの「同時発売」

「今回の同時発売は、担当編集者3人の情熱の賜物です。この本をどうしても我が社から出版する、という3人の情熱なしには、成功はありえませんでした」と振り返る取締役の渡瀬さん。3人というのは、講談社学芸図書出版部翻訳チームの担当部長・柿島さんと副部長・青木さん。さらに電子書籍を担当するデジタルコンテンツ営業部・廣瀬さん、3人の長期にわたる懸命な働きがあってのリアル書籍・電子書籍世界同時発売だと渡瀬さんは言います。

2011年10月24日、最初で最後となるスティーブ・ジョブズ公認の伝記が世界同時発売されました。日本での独占翻訳権を取得した講談社は、紙の書籍と電子書籍を世界同時に発売するという異例の取り組みを行いました。
早い時期からスティーブ・ジョブズについてのバイオグラフィーが書かれているとの情報をつかみ、版権取得に動く一方で、社内全体のコンセンサスを取るなど出版にむけて奔走した柿島さんと青木さん。その後を引き受け、驚くべきスピードで電子書籍化を成し遂げたのがデジタルコンテンツ営業部の廣瀬さんです。

電子書籍は紙の書籍が発売されてから数カ月経ってから発売されるのが、これまでの通例でした。今回の紙と電子の世界同時発売という初の試みには、どのような考えがあったのでしょうか。
「電子書籍化の重要性は、以前から会社として強く意識していました。紙の書籍の読者と電子書籍の読者は違う層であるという仮説から、新しいマーケットを掘り起こせると考えたのです。紙と電子の世界同時発売は前例がないこともあり、インパクトも絶大でした。残念だったのは、アップル社のアプリだけは審査に時間がかかり、同時発売に間に合わなかったこと。しかし、時間のないなか、携わる者全員が一体となって懸命に取り組んだおかげで実現できました」(柿島さん)

 

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