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経済産業省
「九州インバウンド
消費拡大プロモーション」

平成28年度 九州地方の魅力発信による消費拡大事業
九州ふるさと名物 応援プロデューサー派遣等事業
“The Wonder of KYUSHU”
デジタル教材「骨太ドリル」

2016年、熊本を見舞った震災。地震そのものの被害に加え、風評被害による外国人観光客減が、九州経済に大きな打撃を与えた。そんな状況を踏まえ、経済産業省が実施した、外国人の旅行消費需要喚起施策の一部をトッパンが担った。九州エリアの各営業所や海外メディアを巻き込んで進行したプロジェクトの全容に迫る。

寿英継

九州事業部 第2営業本部

寿英継

1994年入社

小林伸好

情報コミュニケーション事業本部
ソリューション営業プロジェクト

小林伸好

1998年入社

塩谷僚

情報コミュニケーション事業本部
トッパンアイデアセンター クリエイティブ本部

塩谷僚

2004年入社

神谷荘太

情報コミュニケーション事業本部
トッパンアイデアセンター コンテンツ本部

神谷荘太

2007年入社

震災で離れた外国人観光客を呼び戻す

熊本震災発生前、アジア圏を中心に外国人観光客数が増加傾向にあった九州エリア。しかし、震災直後は熊本のみならず、九州全土で外国人観光客数が急減した。消費の冷え込みは復興の妨げになることから、経済産業省はインバウンド消費促進施策の実施を決め、そのうちの1プロジェクトをトッパンが入札した。プロジェクトを統括した塩谷は、受注の喜びも束の間、タイトなスケジュールでの施策実行に向けて慌ただしく動きはじめた。

塩谷「受注から3ヶ月弱で多くの施策を実施しなければならないプロジェクトでしたが、期間に比して要件が膨大で、大変なことになるなという予感がありました。その通りになりましたが(笑)」

プロジェクトの内容は、もともと九州への旅行者数の多い5つの国・地域(韓国、中国、タイ、香港、台湾)に向けて、九州地方の魅力的な地域資源(物産・食・体験など)を紹介するというもの。まず、日本および各国・地域から著名人や有識者を目利きとして、数々の地域資源のなかから「九州ふるさと名物」を選出した。この九州ふるさと名物を、雑誌風のストーリーブックやWebサイト・映像などに編集し配布・公開したほか、各国・地域で九州ふるさと名物の魅力を伝えるイベントを実施したり、現地のメディアとタイアップし九州各地の地域資源を取材させたりと、複数の施策を連動させつつ、九州の魅力発信を図った。

集められた各分野のプロフェッショナル

複数の施策を連動させるため、各分野のノウハウを持つメンバーが集められた。海外メディアとのリレーションを担当したのは、メディアプランニング・バイイングを担当していた神谷。

神谷「過去にインバウンドマーケティングの施策を行った際に、海外メディアやエージェントと多少のお付き合いはありましたが、大型案件での発注には至っていませんでした。各国との商習慣の違いを含めて、手探りの中での交渉でした」

クライアントである経済産業省との窓口を担当したのは、主に百貨店業界の顧客への営業を担当していた小林。

小林「プロジェクト期間は本件にほぼ専念する必要があるくらいの規模の案件でした。一方で、受注から動き出しまでの期間が短かったので、担当している他案件を全部片付けてから……というわけにはいきませんでした。部署の同僚に仕事を引き取ってもらうなど、サポートしてもらいました」

九州エリアの各営業所との窓口になったのが、入社以来20年以上にわたり九州事業部で働いてきた寿。普段から連携することも多いという各営業所間のネットワークを活かし、本社との橋渡しを担当した。

寿「九州で働いていると、震災の影響を実感する機会は日々あります。復興の一端を担う仕事にはモチベーションが湧きましたね」

トラブルを予見し、切り抜ける柔軟性

プロジェクトを推進するうえで、大きなハードルとなったのが、国を跨ぐ施策が多く存在したこと。例えば、海外でイベントを行う際、パンフレットやノベルティなどの必要な備品を通関に通す必要がある。ギリギリのスケジュールで進行していたため、何かのトラブルで通過が少し遅れると、イベントに間に合わないことも考えられる。複数の配送会社に分散依頼したり、もしものときは現地で制作できるよう印刷所を抑えたりと、リスク分散を図った。

塩谷「トラブルは大なり小なり必ず発生するので、それをどう柔軟に切り抜けるか、代替案を常に用意しながら進行しました」

一方で、海外との関わりは大きなやりがいにもなった。神谷は、各国のプロデューサーやメディアを紹介する窓口となってくれた現地エージェントからの言葉が大きなモチベーションになったという。

神谷「 “このプロジェクトで九州の魅力が改めてわかったよ。九州のちからになれるよう応援するよ”と言ってもらえたときは心底嬉しかったですね」

トッパン社員が持つ、独特の責任感

そうした困難はありつつも、各施策を無事実施し、経済産業省からの評価も上々に終わった本プロジェクト。前例のないことを実現し、タイトなスケジュールのなかでアウトプットのクオリティを保てた背景には、トッパンの文化がある。

小林「トッパンの社員は一見ソフトだけれど、芯は熱い人が多いと感じています。自分の仕事はここまでと決めるのではなく、誰かの為になるなら、よりクオリティの高いものがつくれるなら、はみ出してでもやってやろうという人が多い。今回のプロジェクトも、はじめての取り組みが多かったので、誰の担当なのかグレーな部分がたくさんありました。そういう部分を、誰かが指示するのではなく、自主的に埋めていけたのが成功要因の一つだったのかなと思います」

塩谷「根本には、“クライアントのもの”をつくっているという責任感があるのかもしれません。仕事のプロセスは状況に応じて柔軟に変えても、最終的なクオリティや納期にブレがあってはいけないという意識があります。自社のものだったらプロセス重視で妥協してしまうかもしれない部分に、シビアに向き合うクセがついているのだと思います。だからなのか、トラブルが発生したときの対処力もすごいですね。火事場の馬鹿力というか(笑)」

何万という顧客と向かい合い、それぞれが求めるものを一つひとつオーダーメードのようにつくり上げてきたトッパン。ものつくりに深く関わり続けてきた歴史の中で、社員に脈々と受け継がれてきた責任感。文化とも言える、考え方の根本こそ武器なのかもしれない。

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