2009年01月20日
凸版印刷、LCAを取り入れた環境影響評価手法の開発に着手
〜2010年度にパッケージ分野、その後全事業分野に対応〜
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:足立直樹、以下 凸版印刷)は、このたび、製品・サービスに関する新たな環境影響評価手法の開発に着手しました。
凸版印刷では、製品・サービスに関して、省資源性やリサイクル性などといった環境影響を評価する指標について、1991年に設立したエコロジーセンターを中心に個別に研究を重ねており、現在、全14項目にわたる指標を用いています。今回、この環境指標に、「ライフサイクルアセスメント(以下、LCA、※1)」という手法を統合し、新たな環境影響評価手法を構築します。これにより、定性的、定量的の両面から精度を高めた凸版印刷独自の評価手法を確立し、お客さまへの説明責任を果たしていきます。なお、この評価手法は、カーボンフットプリント制度などの政府の基準にも対応しています。
本評価手法を、まずはパッケージ分野において、2010年度に本格的な導入を目指します。その後、他分野への展開を図り、凸版印刷が提供する製品・サービスのすべての分野でLCAを強化していきます。
近年、循環型社会構築への期待と、日常生活がもたらす環境影響への不安の高まりなどを背景に、社会的にLCAを用いて環境影響評価を行うことの重要性が増しています。
凸版印刷は、このような社会的ニーズに対応するため、LCAの専門家である武蔵工業大学環境情報学部准教授・伊坪徳宏氏との協力体制を構築。専門的な知識を持ち、最先端の研究を推進する伊坪氏の視点を取り入れた製品の環境影響評価手法を開発していきます。
凸版印刷はこれまで、環境への取り組みの一つとして、伊坪氏監修のもと、凸版印刷の独自開発製品である紙製飲料缶「カートカン」とハイバリアフィルム「GLフィルム」の2種について、LC-CO2の算出を行いました。また、2008年12月11日から12月13日まで開催された「第10回エコプロダクツ2008(※2)」では、伊坪氏が推進するLCA換算プロジェクトに賛同し、凸版印刷が出展するブース全体のデータを提供しました。
今回開発に着手する環境影響評価手法を導入することで、LC-CO2はもとより、環境影響指標の定量的な評価が可能になります。この結果を、今後は、商業印刷分野をはじめ、他分野にも展開するために活用していきます。
※1 ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment:LCA)とは、製品やサービスについて、製造から、使用、廃棄、あるいは再使用されるまでのライフサイクル全体における環境負荷を、定量的に評価する手法。
※2 凸版印刷は、2008年12月11日から12月13日まで開催される日本最大級の環境展示会「第10回エコプロダクツ2008」(主催:(社)産業環境管理協会、日本経済新聞社、会場:東京ビッグサイト)に出展しました。トッパングループの環境製品や環境活動の紹介をはじめ、今回は、エコプロダクツ2008事務局に協力し、ブース全体のLCA評価に取り組みました。
<伊坪徳宏准教授について>
略歴
1998年 東京大学工学系研究科材料学専攻博士課程終了・卒業
同年 社団法人産業環境管理協会LCA開発推進部研究員
2001年 独立行政法人産業技術総合研究所 ライフサイクルアセスメント研究センター
LCA手法研究チーム長
2005年 武蔵工業大学環境情報学部環境情報学科助教授 (現在に至る)
研究主題
・ライフサイクルアセスメント
・ライフサイクル環境影響評価手法
・環境経済評価
・費用対効果分析
・社会影響評価
主要研究業績
・LIME−1、LIME−2の開発において中心的役割を果たす
※LIME(Life -cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling)
日本の環境条件を基礎とした日本版被害算定型環境影響評価手法として、LCA国家プロジェクトにおいて開発された手法です。LIME−1は1998年〜2003年のプロジェクトにて開発され、LIME−2はLIME−1の改良を目的に2003年〜2006年のプロジェクトで開発されました。
地球温暖化などの影響領域ごとの環境影響評価結果を直接解釈するという従来のLCAのアプローチとは異なり、LIMEは影響領域を通じて発生する被害量を人間健康や生物多様性などの保護対象ごとに求め、これらを基礎として環境影響の統合化までを行う、被害算定型の環境影響評価手法です。
LIMEでは、評価者の多様なLCA の目的に沿うため、1000を超える環境負荷物質を対象とした「特性化」、「被害評価」、「統合化」の3ステップのLCIA用係数リストが開発されました。特に、統合化の結果は外部費用で表されるため、今後、LCAだけでなく環境効率や環境会計、環境経済統合勘定への活用が期待されています。
<凸版印刷の環境指標について>
凸版印刷では、下記の14環境主張のいずれかに合致する製品を、トッパン環境配慮型製品として認定しています。
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<凸版印刷の環境への取り組み経緯>
1991年 本社に「エコロジーセンター」設立、全社環境管理体制整備。
1992年 基本理念「凸版印刷地球環境宣言」策定
1994年 特定フロン、トリクロロエタン全廃完了
1998年 環境報告書発行を開始
パッケージ事業本部でLCA手法の導入開始
1999年 トッパン環境シンボルマーク導入
2000年 トッパン環境配慮型製品認定基準策定
2001年 トッパングループ連結環境会計導入
2002年 トッパングリーン調達基準策定 ※グリーン購入基準
日本で初めて商業印刷分野にてFSC CoC認証取得
2003年 LIMEによるトッパンエコシートの環境影響評価を実施
2004年 CSRレポートの発行開始
「森を育む紙製飲料容器普及協議会」設立
2005年 トッパングループエコプロダクツ基準設定
パッケージグリーン調達基準策定
2006年 紙製飲料容器「カートカン」、第3回エコプロダクツ大賞農林水産大臣賞受賞
2007年 トッパングループCSR調達基準策定
2008年 伊坪氏とのLCA取り組み開始、カーボンフットプリント対応開始
以上

