2008年05月27日
VR作品「東大寺法華堂 国宝 不空羂索観音立像 宝冠」を上演開始
〜東京国立博物館と凸版印刷が開設した「TNM&TOPPANミュージアムシアター」〜
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館(所在地:東京都台東区、館長:佐藤禎一、以下東京国立博物館)と凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:足立直樹、以下 凸版印刷)は、共同で東京国立博物館資料館に開設した「TNM&TOPPANミュージアムシアター」において、5月30日(金)から7月27日(日)まで、VR(バーチャルリアリティ、※1)作品「東大寺法華堂 国宝 不空羂索観音立像(ふくうけんさくかんのんりゅうぞう) 宝冠」を上演します。
本作品は、東大寺法華堂内に安置される国宝、不空羂索観音立像が頭上にいただく冠、「宝冠」をVR技術と高精細映像で再現したものです。宝冠は2万数千個に及ぶ宝玉をはじめとする数々の装飾が散りばめられた、奈良時代の工芸を代表する名品であり、その繊細さで知られています。本作品ではVR空間の中を動きながら宝冠に接近し、様々な角度から細部まで鑑賞することができます。
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VR作品「東大寺法華堂 国宝 不空羂索観音立像 宝冠」より(左上)宝冠正面(右上)宝冠右面上部 |
東京国立博物館と凸版印刷は、貴重な文化財を紹介する手法の開発を目的とした共同プロジェクト
を進めています。2007年11月に最先端のデジタル技術を駆使したシアターを開設し、一般公開してきました。これまでに上演した「国宝 聖徳太子絵伝」、「マヤ文明 コパン遺跡」では、通常の展示では体験できないほど近寄っての鑑賞など、VRの特性を活かした上演手法で一般の方々から高い評価を得ています。
【VR作品「東大寺法華堂 国宝 不空羂索観音立像 宝冠」について】
本作品は、東大寺(住所:奈良県奈良市)と金子啓明・東京国立博物館特任研究員の協力のもと凸版印刷が2007年に制作したものです。宝冠はほの暗い法華堂内部、高さ3.6メートルの像の頭上にあり、通常は細部まで見ることができません。この作品ではVR技術を活用し、高さ88.2センチの宝冠を240インチ、高さ約3メートルのスクリーンで拡大し、3次元空間の中で宝冠の周囲をめぐりながら細部まで鑑賞することが可能です。
また本作品は、文化財分野では世界初の4K(※2)コンテンツであり、世界で最も権威のある米国コンピュータ学会のCG(コンピュータ・グラフィックス)に関する分科会である、SIGGRAPH (シーグラフ=Special Interest Group on Computer Graphics)において、高く評価されました。その結果、2007年8月5日から9日まで、米国・サンディエゴで開催されたイベント「SIGGRAPH2007」において、CG映像の最高作品を集めたコンピュータ・アニメーション・フェスティバルのアニメーション・シアター部門で上映作品に選ばれました。今回の上演にあたっては、一般向けのシナリオを加えて再構成しています。
【国宝 不空羂索観音立像(ふくうけんさくかんのんりゅうぞう)および宝冠について】
国宝 不空羂索観音立像は、奈良・東大寺境内で最古の建造物である法華堂の本尊です。法華堂堂内の、不空羂索観音立像を含むほとんどの仏像が奈良時代(8世紀頃)の作と言われています。堂内中央部に安置される不空羂索観音立像は、高さはおよそ3.6メートルで、国家の安泰を祈願して造られています。像が頭上にいただく宝冠は、唐草文様の透かし彫りや、翡翠、琥珀、真珠などの宝玉をはじめとする、数々の装飾が施されています。
【「TNM&TOPPANミュージアムシアター」について】
「TNM&TOPPANミュージアムシアター」は、2007年11月2日、東京国立博物館と凸版印刷が共同で東京国立博物館資料館内に開設した、最先端のデジタル技術で貴重な文化財や文化遺産を様々な手法で紹介するシアターです。240インチの大画面スクリーン上で、フルハイビジョンの約4倍という超高精細の映像を投影します。シアターでは通常容易に行くことができない空間を再現・復元して上演し、あたかもそこにいるかのような臨場感を楽しむことができます。作品の世界はナビゲーターがわかりやすくご案内します。
【シアター仕様】
・4K※2 対応プロジェクタによるVR映像投影
・スクリーンサイズ 240インチ(幅約5m、高さ約3m)
【ご利用案内】
・上演日:金・土・日・祝日・振替休日
・本作品上演期間:2008年5月30日(金)〜7月27日(日)
・上演開始:10:00/11:00/12:00/14:00/15:00/16:00
※当日予約制です。10分前までに以下の受付でご予約下さい。上演時間は約20分です。
・シアター受付:本館1Fエントランスホール
・観覧料:東京国立博物館の当日の入館料が必要です。
※1 VR(バーチャルリアリティ)とは
バーチャルリアリティでは、コンピュータで生成された3次元コンピュータ・グラフィックスの映像の中を自由に移動しながら、その3次元空間に居るかのような感覚を体験することができます。要素となるのは、空間を構成する高精細3次元データ(形状、質感、光など)と、そのデータを操作に応じてリアルタイムに描画生成する技術です。生成された高精細映像を展示するのに大型スクリーンを用いると、鑑賞者はまるでその空間にいるかのような没入感を一層深く体験することができます。
※2 4Kとは
米大手映画会社7社を中心とするデジタルシネマ標準化団体「DCI」(Digital Cinema Initiatives, LLC)が提唱するフォーマットで、フルハイビジョンの4倍以上の885万画素(4096×2160ピクセル、4K×2K)の解像度のことです。
以上

