ニュースリリース

2007年03月19日

故宮文物のデジタル化保存に向け、三次元計測を本格導入 〜2008年夏発表予定の故宮VR第三部「養心殿」を制作開始〜

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:足立直樹、以下 凸版印刷)は、中国故宮博物院(所在地:中国 北京、院長:鄭欣 文化部副部長)との共同プロジェクト「故宮文化資産デジタル化応用研究」(以下 故宮プロジェクト)において、故宮・紫禁城の代表的な宮殿として知られる養心殿の文物を対象に中国故宮博物院としては初の三次元計測(※)によるデジタル化保存に着手しました。

 中国故宮博物院は、世界遺産でもある総面積78万平方メートルにおよぶ紫禁城建造物群を管理し、その内廷で100万点を越える文物を収蔵する中国最大の国立博物館です。凸版印刷と中国故宮博物院は、この建造物と文物の保存・研究・公開を進めるために、2000年より凸版印刷の高精細デジタル画像処理技術を応用した共同研究を行っています。
 2000年から2005年までを第1期、2005年から2010年までを第2期プロジェクトとして研究を進めており、2006年10月には世界で初めて中国故宮博物院における文物の三次元計測を養心殿で実施しました。
 故宮プロジェクトではこれを機に、三次元計測による文物のデータ化を本格的に開始し、養心殿内部の文物を対象として、計測・加工・表現手法の確立に取り組んでいきます。

 三次元計測のデータをもとに、凸版印刷の高精細画像処理技術を用いて養心殿の空間と文物をVR化したコンテンツ「故宮VR《紫禁城・天子の宮殿》第三部」の制作を開始しており、2008年の完成を予定しています。これは紫禁城の内廷としては初のデジタルコンテンツ化となる予定です。

<これまでの取り組み>
 2005年までを第1期プロジェクトとして、2003年には紫禁城内に「故宮文化資産デジタル化応用研究所」を設立しました。研究成果として2003年には故宮VR《紫禁城・天子の宮殿》第一部、2005年には第二部を発表しました。太和殿などの大型建造物を中心に、皇帝のまつりごとの空間である「外朝」をデジタル化したこれらの作品は、日中両国内外で高い評価を得ました。
 凸版印刷と中国故宮博物院はより強固な協力関係のもと、皇帝の生活の場であり、多様な文化が重層された「内廷」のデジタル化をテーマとした、5ヶ年の第2期プロジェクトを2005年10月から開始しています。内廷の宮殿の各部屋には多数の文物が配置されていますが、外朝とは対照的に小さな空間であることから宮殿内部は公開されていません。また、これまで中国故宮博物院では文物については実物の保存・研究・公開に重点が置かれており、デジタル化が進んでいませんでした。これらの事情から内廷の文物を鑑賞することは困難でしたが、凸版印刷と中国故宮博物院は、内廷に現存する文物をデジタル化し、将来的には公開することを目指しています。

※ 三次元計測とはレーザー光などを通して、対象物の表面形状を三次元的に計測する手法です。製造業、建築業などの製造分野で、形状の計測や成型品の検査をはじめ幅広く応用されています。また、考古学などの学術分野でも応用研究が進められています。

以上