ニュースリリース

2010年06月24日

VR作品「唐招提寺 金堂の技と鑑真和上に捧ぐ御影堂の美」 7月2日より「TNM&TOPPANミュージアムシアター」にて初上演 〜最新の研究成果で蘇る金堂創建当時の色彩と東山魁夷が描いた障壁画に迫る〜

東京国立博物館 凸版印刷株式会社

 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館(所在地:東京都台東区、館長:銭谷眞美、以下 東京国立博物館)と凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:足立直樹、以下 凸版印刷)は、共同で東京国立博物館資料館に開設した「TNM&TOPPANミュージアムシアター」(以下 ミュージアムシアター)において、7月2日(金)から 9月26日(日)まで、VR(バーチャルリアリティ※1)作品「唐招提寺 金堂の技と鑑真和上に捧ぐ御影堂(みえいどう)の美」を上演します。

 本作品は、759年に唐の高僧、鑑真和上によって開山された奈良の名刹、唐招提寺を紹介、天平建築を代表する金堂と東山魁夷(ひがしやまかいい)による御影堂の障壁画を中心に構成したVR作品です。
 今回、10年間にわたり行われた金堂解体修理の過程で明らかになった複雑な内部構造を、凸版印刷のVR技術により蘇らせます。金堂の部材に残っている輪郭線や、天井画の一部にわずかに残る顔料から判明した成果をもとに、創建当時の鮮やかな金堂内部の色彩を再現。また、東山魁夷が日本と中国の風景を描いた障壁画は、凸版印刷と東山魁夷が共同で制作した「トッパン日本画家アートアーカイブ」の高精細データを用いて極めて正確に再現しました。1年にわずか数日しか公開されない御影堂の内部空間と障壁画を、ナビゲータの詳しい解説とともに鑑賞できる作品となっています。

【監修】鈴木嘉吉・大山明彦 【製作・著作】凸版印刷株式会社/TBS 【協力】唐招提寺

【唐招提寺について】
南都六宗の一つである律宗の総本山。奈良時代西暦759年に、多くの苦難の末に来日した唐の高僧、鑑真和上によって創建されました。唐招提寺は、鑑真和上ゆかりの建物や宝物が数多く残り、天平時代の息吹を色濃く今に伝えています。寺の本尊が安置されている金堂は、2001年から2009年にかけて創建以来最大規模の修理が行われました。

【東山魁夷について】
 1908(明治41)〜1999年(平成11)。戦後の日本を代表する日本画家であり、静澄な色彩と深い情感にあふれる風景画は多くの人に親しまれています。
 唐招提寺御影堂の障壁画は、東山魁夷の代表作で1971年から1980年まで、ほぼ10年の歳月をかけて制作されました。奈良大和路の研究にはじまり、数多くの日本の山と海を取材して制作された「濤声」「山雲」は1975年に、鑑真和上の故郷である揚州と中国の名勝、黄山と桂林を描いた「黄山暁雲(こうざんぎょううん)」「揚州薫風」「桂林月宵(けいりんげっしょう)」は1980年に完成しました。

【「トッパン日本画家アートアーカイブ」について】
 従来、絵画作品の記録メディアとして写真フィルムが広く利用されてきましたが、写真フィルムは現像後、時間の経過とともに褪色していくことから、長期にわたる保存・継承は大変困難です。
 凸版印刷では日本画作品の彩り豊かな色調を忠実に保存して後世に伝え、印刷や映像など多彩な用途での使用を目的に、「トッパン日本画家アートアーカイブ」として東山魁夷、加山又造、小倉遊亀など15名の著名日本画家とともに絵画作品を高精細にデジタル化しています。デジタル化にあたっては、作家本人もしくは著作権管理者との色校正をくり返し、承認された色調をデジタルデータとして保存。また、校正紙も貴重な資料として後世に残すべく、経年変化の少ない日本画家アートアーカイブ専用用紙を開発して色校正に使用しています。
 「トッパン日本画家アートアーカイブ」は1999年より開始して以来現在までに、作家本人および著作権管理者の監修のもと、代表作約2,400点を整備。そのデータは、画集、展覧会図録、書籍、カレンダーなど印刷物を中心に活用されています。

【「TNM&TOPPANミュージアムシアター」について】
 「TNM&TOPPANミュージアムシアター」は、2007年11月2日、東京国立博物館と凸版印刷が共同で東京国立博物館資料館内に開設しました。貴重な文化財や文化遺産を、VR技術を活用してナビゲータが案内するシアターです。240インチの大画面スクリーンにフルハイビジョンの約4倍という超高精細の映像とナビゲータ上演によるライブ感あふれる解説が特長です。
 開設以来、金・土・日・祝日を中心に一般向け公開を行っており、現在までに6万人以上の入場者にお楽しみいただきました。90%を超えるお客様満足度を記録し、作品をご覧になったお客様からは、「文化財を大きく拡大して見られるのが良い」「ナビゲータに解説してもらえるので分かりやすい」「普段見られない作品を見られる良い機会」等の感想をいただいています。

<2010年度の「TNM&TOPPANミュージアムシアター」は奈良特集>
 平城遷都1300年に当たる本年の「TNM&TOPPANミュージアムシアター」は、「阿修羅像」を皮切りに奈良に関するVR作品を4月から12月まで9ヶ月連続で上演する予定です。また、昨年に引き続き、「はとバス」定期観光ツアーへの作品上演提供を予定するなど、ミュージアムシアターを活用した展開を行っていきます。

●ミュージアムシアター・ウェブサイトでも上演作品の情報を提供しています。
http://www.toppan-vr.jp/mt/

【シアター仕様】
・4K(※2)対応プロジェクタによるVR映像投影
・スクリーンサイズ 240インチ(幅約5m、高さ約3m)
・席数 30席

【利用案内】
・上演日:金・土・日曜日、祝日
・上演期間:2010年7月2日(金)〜9月26日(日)
・上演時間:10:00/11:00/12:00/14:00/15:00/16:00 (約20分間)
 当日予約制です。上演10分前までに受付をして下さい。
・受付:本館1Fエントランス
・観覧料:無料(当日の入館料は必要です)
 アンケートにご協力ください。


※1 VR(バーチャルリアリティ)とは
 バーチャルリアリティでは、コンピュータで生成された3次元コンピュータ・グラフィックスの映像の中を自由に移動しながら、その3次元空間に居るかのような感覚を体験することができます。要素となるのは、空間を構成する高精細3次元データ(形状、質感、光など)と、そのデータを操作に応じてリアルタイムに描画生成する技術です。生成された高精細映像を展示するのに大型スクリーンを用いると、鑑賞者はまるでその空間にいるかのような没入感を一層深く体験することができます。

※2 4Kとは
 米大手映画会社7社を中心とするデジタルシネマ標準化団体「DCI」(Digital Cinema Initiatives, LLC)が提唱するフォーマットで、フルハイビジョンの4倍以上の885万画素(4096×2160ピクセル、4K×2K)の解像度のことです。

以上