世界初!カード表面に透明樹脂で凸型文字を形成、裏面は平らな非接触ICカード開発
三井住友カードと共同でVISAインターナショナルに認定申請
2003年度中に世界市場に向けて量産展開開始
2003年4月8日


 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:足立 直樹、以下 凸版印刷)とマクセル精器株式会社(本社:京都府乙訓郡、代表取締役:谷口 富蔵、以下 マクセル精器)は、このたび、従来の「点字カードプリンター」技術を応用し、キャッシュカードやクレジットカードなどのカード基材にJIS規格を満たした凸型エンボス文字を形成する「コンベックスレターシステム」(※コンベックスレターは、凸型文字の意。)を開発しました。
 本システムは、カード表面に透明樹脂による文字を形成するため裏面の凹部が発生せず、裏面に記載された文字等が読み難いという問題も解消されます。さらに、最近増えている非接触ICカードのアンテナやチップを損傷することがありません。そのため、交通系や流通系などの市場で今後大量導入が期待されている非接触ICカードへの提供が可能となりました。当社は、決済系+交通系(クレジット+定期券)や社員証(クレジット+凸型文字+顔写真)など幅広い市場に展開を図ります。
 またすでに、三井住友カード株式会社(東京本社:東京都港区、取締役社長:加藤 重義)と共同で、VISAインターナショナルに認定申請しています。三井住友カードが、まず自社の社員証にこの方式を採用し、実証実験を経た後、VISAカードとしての本格的展開をねらいます。
 同様にJCB、MASTERでのブランド認定も予定しており、株式会社ジェーシービーも自社の社員証での採用を検討しています。さらに、日立キャピタル株式会社でも採用を検討しています。

(C) 2003 TOPPAN PRINTING CO.,LTD.


<背景とねらい>
最近、交通系分野や決済系分野でもアプリケーションの相乗り用途が増え、「非接触ICカード」や「デュアルインターフェース(接触+非接触)ICカード」にエンボスを形成する必要性が出てきました。
しかし、エンボスを印字する際に、カードに内蔵するアンテナやチップを損傷したり、電波特性を損なう可能性があるため、カードの表面のごく浅い層にドットプリンターやレーザーで印字するような「UG印字」や「レーザー印字」などの手段も検討されていますが、「エンボス文字」はインプリンターなどを利用して簡単に利用証明ができるため、クレジット会社、銀行などから圧倒的に支持されています。
凸版印刷とマクセル精器は、2001年3月に「点字カードプリンター」を開発・販売開始し、視覚障害の方に対して利便性を提供してきました。本年配布予定の「住民基本台帳カード」にも採用されています。
今回はその技術を応用し、従来の凹凸エンボス文字ではなく、凸型文字のみを、JIS規格を満たした形状で非接触ICカード上に形成することに世界で初めて成功しました。表面のみの凸部形成により、裏面の凹部が発生しないため、裏面に記載された文字等が読み難いという問題も解消されます。さらに非接触ICカードにおいて課題となっているエンボス文字が利用できるようになるため、交通系や流通系などのカード対応として、大幅な需要が期待できます。決済系+交通系(クレジット+定期券)や社員証(クレジット付でエンボスや顔写真が入る多機能なもの)など幅広い市場に展開を図ります。
また、凸版印刷とマクセル精器は、「コンベックスレターシステム」により製造した非接触ICカードについて、クレジットカードとしての国際標準を取得するため、三井住友カード株式会社と3社共同にて品質改良と実用化に向けての実験と改善を重ねてきましたが、安定品質が確保されたため、このたび、VISAインターナショナルに認定申請しました。

<「コンベックスレターシステム」概要>
●構成 操作ユニット、エンコードユニット、プリンターユニット、乾燥ユニットの4ユニットからなっています。エンコードユニットは、JISIとJISIIの磁気エンコードを標準装備しています。オプションで、接触式ICエンコード及び非接触エンコードユニットを装備することも可能です。
●文字形成 凸型文字
●処理能力 約3枚/分、約180枚/時間
●価格 当初は通常のエンボス加工費用に対しの約5倍以上を予定していますが、最終的には2倍程度に下げることを目標にしています。

<特徴>
凸形状のみのエンボス
現在、市場に出回っているクレジットカードやキャッシュカードは全て凹凸のエンボス文字であり、凸形状のみのエンボス文字と非接触ICカードの組み合わせは世界で初めてです。
高いデザイン性
任意の位置に凸型文字を形成することができ、しかも、裏面がフラットであるエンボス形状のため、エンボスと重なった裏面の記載文字等が読み難いという問題が解消されます。裏全面に写真、ロゴマーク、文字などを、デザイン面での規制もなくなるため、提携カードや社員証など幅広い用途が考えられます。
任意のカラー再現
凸型文字用樹脂は無色透明樹脂以外に着色剤を入れて任意のカラーを再現することができます。また、蛍光材料や2色以上混合凸型文字も可能で、パターンを自動認識させ、真偽判定することも可能です。
幅広いカード素材に対応
PVC、PETはもちろん、従来、エンボス適性のなかったABSや金属機材など、幅広いカード素材に対応できます。ETC(高速道路の自動料金収受システム)などに使用する超耐熱用ICカードへの対応も可能です。
任意の位置、ピッチ
任意の凸型文字を、カードのエンボスエリア範囲内の任意な位置に施すことが可能です。
凸型文字品質は、JIS規格の高さ、サイズであり、指定のピッチで打つことが可能です。
発行済みカードにも対応
カード発行時点だけでなく、すでに発行済みのカードにも凸型文字を形成することができます。

<用途>
クレジットカード、キャッシュカード、社員証など
「非接触ICカード」や「接触+非接触ICカード」など

<今後の展開>
今後、量産化に向けてスピードアップなどの改良を進め、交通系+決済裏面(クレジット+定期券など)や社員証(クレジット+社員証)、さらに公共系など、従来の凹凸方式のエンボスでは難しかった多様なICカード対応として拡販を行います。
今後、導入していただくクレジット会社などの社員証用に小ロット生産システムを開発し、4月から試行実験を開始します。
凸版印刷とマクセル精器では、すでに国内外に特許を出願するとともに、量産機の開発を進めています。2003年度中には日本データカード社(東京都品川区、代表取締役社長:鎌田 誠吾)とも本格的量産機の開発において連携を図り、世界市場への展開を図ります。


以  上