凸版印刷、電子ペーパーの本格商用化へ向け、
米国イー・インク社に追加出資し提携強化
世界初の量産および販売体制確立へ
2002年2月5日


 凸版印刷株式会社(※1、以下、凸版印刷)は、このたび、電子ペーパーの本格的な商用化に向けて、米国イー・インク社(※2)に2,500万米ドル(約33億円*)の追加出資と提携強化を行ないました。
 本提携では、凸版印刷が、電子ペーパーの主要な構成部材である前面板(※3)の世界初の量産体制、および日本企業と日系企業への販売体制を確立します。これにより、顧客となる世界中のディスプレイメーカーなどにイー・インク製品を安定供給できる体制が整うことになります。
 電子ペーパーディスプレイを用いた携帯情報機器が2003年半ばに登場する予定に合わせて、凸版印刷は前面板生産ラインを2002年後半に立ち上げ、最初の商用出荷は2003年春を予定しています。2005年には月産150万枚体制(8インチ換算)まで生産能力を拡大する予定です。



(C) E Ink

<背景>
社会のIT化にともない、いつでもどこでも情報を手にするニーズが高まっており、紙メディアと電子ディスプレイの長所を合わせ持つ「電子ペーパー」に対する注目が高まっています。
イー・インク社のマイクロカプセル型電気泳動方式は、既に複数の電機メーカーやディスプレイメーカーで商品化に向けて本格的な検討が始まっており、電子ペーパーの商用化に最も近い先端技術です。
凸版印刷は、昨年5月にイー・インク社に500万米ドル(約6.7億円*)の出資を行ない、電子ペーパーのカラー化共同開発で戦略提携を結び、両社は凸版印刷のカラーフィルタを用いて、カラー電子ペーパーの実現可能性を実証しました。

<ねらい>
イー・インク社の持つ最先端技術と、凸版印刷の持つ強味を組み合わせた補完的なパートナーシップにより、電子ペーパーの市場創出とグローバルな普及を目指します。
○製造面: ドライおよびウェットコーティングの量産技術とクリーン化技術
○販売面: 世界シェア第一位の液晶ディスプレイ用カラーフィルタの販路と営業力
○用途面: 印刷業における多数の顧客が潜在的に持つ、電子ペーパー需要の把握
電機メーカーによる電子ペーパー商品の市場展開のために、前面板の安定供給体制という「製造・販売」、そして電子ペーパー商品を活用する「用途開発」の両面を、凸版印刷は強力に推進します。
紙メディアとコンピューティングの世界を結びつける、紙の未来形である電子ペーパーの市場を創出することにより、両社は多数のパートナーへの事業機会の拡大を図ります。

<提携内容>
・製造面: 高解像度表示用前面板の世界初の量産体制による安定供給体制の確立
・販売面: 日本企業および日系企業向けの前面板の戦略的な販売体制の整備
また両社は、フレキシブルディスプレイなどの次世代電子ペーパーの共同開発、店頭POP広告用電子ペーパーの販売や文字表示用電子ペーパーの製造でも協力体制を検討しています。

<想定用途と時期>
イー・インク社は、2002年2月15日に、店頭POP広告用電子ペーパー「Ink-in-Motion」をリリースします。
2003年半ばにはモノクロの電子ペーパー、2004年初頭には凸版印刷のカラーフィルタによるカラー電子ペーパーディスプレイを使った携帯型情報端末などが登場する予定です。
イー・インク社では、フレキシブル基板、動画対応の開発が進んでいます。
凸版印刷は、イー・インク社の最先端の電子ペーパー技術の特徴である、見やすさ、薄型、フレキシブル、超低消費電力を活かし、紙メディアとも電子ディスプレイとも棲み分ける新しい市場で、顧客などと共に様々な用途を開発し、生活を便利に楽しくしていきます。
高コントラストでも目に優しい表示とコンテンツ流通を組み合わせた電子ペーパー出版
薄さを活かして電子ペーパーによるディスプレイを内蔵した高機能なICカード
太陽の下でも薄暗がりでも、周囲光に左右されずに読みやすいモバイル情報配信サービス
紙の親しみやすさを持ち、誰にでも分かりやすいIT社会とのインタフェース

以  上


*1米ドル=134円換算

※1 凸版印刷株式会社について(URL)http://www.toppan.co.jp
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:足立 直樹)は1900年創業、印刷業界の世界的なリーダー企業。連結ベースで、2000年度の売上高は1兆2938億円、従業員数は約32,000人。印刷で培ったノウハウを活かし、証券・カード、商業印刷、出版印刷など情報・ネットワーク系、パッケージ、産業資材の生活環境系、エレクトロニクス系、パーソナルサービス系、次世代商品系など、多彩な分野で事業を展開しています。凸版印刷は、21世紀の情報コミュニケーション産業におけるリーディングカンパニーとして発展を図ります。
※2 イー・インク社について(URL)http://www.eink.com
イー・インク社(米マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO兼社長:ジム・イウリアーノ)は、ビジュアルコミュニケーション向けの次世代メディアの開発を目的として1997年に設立。電子インクは、いつでもどこでも情報にアクセスできるユビキタスネットワーク社会の可能性を最大限に引き出すことができます。自由度の高いデザイン、柔軟な製造方法、究極の読みやすさと携帯性と共に、紙の外観、形状、使いやすさを実現します。未公開企業。出資者や戦略的パートナーは、凸版印刷、フィリップス・エレクトロニクス、モトローラ、ルーセント・テクノロジーズなど。
※3 前面板とは
プラスチックフィルムの上に、印刷物のようにハッキリと白/黒の状態が電圧で変えられる微小なカプセル(電子インク)を一面に塗ったもの。電子ペーパーの表側の半分で、目に見える重要な構成部材。この前面板と、電圧を加えるための微小なスイッチ(TFT)を一面に配置したガラスやフィルム(背面板、後ろ半分の電子回路層)を張り合わせて、電子ペーパーのディスプレイを作ります。カラーの場合、前面板にカラーフィルタを統合していく予定です。