世界初の実世界ロールプレイングゲーム「ユビキタス・ゲーミング」を開発!
2004年7月19日


独立行政法人情報通信研究機構
凸版印刷株式会社


 独立行政法人情報通信研究機構(以下、NICT)駒場SVRリサーチセンターと凸版印刷株式会社は、東京大学先端科学技術研究センターの廣瀬通孝教授を中心に、ユビキタス・コンピューティング技術とエンターテイメントを結合させた、世界初の実世界ロールプレイングゲーム「ユビキタス・ゲーミング」を開発しました。
 「ユビキタス・ゲーミング」は、ゲームとしての面白さを追求すると同時に、最も新しいコンピュータ技術とコミュニケーション手法をゲームを通じてアピールすることを目的にしています。すなわち、ユビキタス・コンピューティングを、ゲームを通じて実感することができるシステムなのです。
 
【開発の背景】
   NICT駒場SVRリサーチセンターと凸版印刷は、バーチャルリアリティを応用し、スクリーンの向こうに作られた仮想世界の中で芸術・歴史や科学技術を体験的に理解するための研究をすすめています。
 この成果をもとに新たに、自分のいる現実の世界で実物を見ながら背景情報を取り寄せたり、空間に情報を重ね合わせることなどに取り組んでいます。その活動の中で、バーチャルとリアルを結びつける新しいコミュニケーション手法として、「ユビキタス・コンピュータの利用する場所を選ばない」、「モノや空間自体がコンピュータになる」という特徴に注目し、この技術を新しい感動や楽しみを提供することに活用できないかと考えました。  

 
【実験のねらい】
   新しいコミュニケーション手法の提案として、実際の展覧会を舞台にユビキタス・コンピュータを活用することで、ゲームのキャラクターがリアルな世界に飛び出して来たような気分を味わうことができるロールプレイングゲームを考えました。3ヶ月間に10万人以上の来場者を見込む「テレビゲームとデジタル科学展」で、多くの来場者に体験していただき、生の声を聞くことで、さらなる研究開発に反映させていきたいと考えています。 

 
【技術的な特長】
ユニークな端末操作
 ゲーム参加者は「ウォールストーン」という石のような形状のユビキタス・コンピュータを使用します。十字キーやキーボードなどは使用せず、かたむけたり振ったりと、実物体をあつかうようなインターフェースを採用しています。
ゲーム参加者の位置をリアルタイムで計測する測位技術
 会場の天井には400 基の赤外線発信機(IR ビーコン)をネットワークでつなぎ格子状に取り付けています。天井全体を座標空間とすることで、ゲーム参加者は、会場の全ての位置で正確に自分の位置を知ることが可能です。

 

「ウォールストーン」 (C) 2004 TOPPAN PRINTING CO.,LTD.
 
【コンテンツの特長】
人気キャラクター「デジモン」の世界観を実現
 「デジモン」の世界観に合わせて専用のインターフェースを開発しました。この端末を持って、展示物の前に立つと、「デジモン」からの呼びかけがイヤホンを通じて聞こえたり、「デジモン」のイメージがLED ディスプレイにあらわれコミュニケーションをします。その他にも、さまざまな無線通信技術(赤外線、Bluetooth)、センサー技術、五感情報表示技術(音声、振動など)を駆使して、状況に合わせてゲームが進行するコンテキストアウェアネス型コンテンツを実現しています。
 
【今後の展開】
   将来的には、この技術を応用することで空間やモノに情報を埋め込み、今回のようなゲームはもちろん、知らない街を歩くときのガイドや、目の不自由な人への経路案内など、さまざまなサービス展開を想定しています。
 NICTと凸版は、今後もe-Japan戦略からU-Japanへと、世界でも最先端のICT国家の実現を目指して、新しい利活用技術の開発に取り組んでまいります。

以  上