現代美術家池田学氏の絵画作品「誕生」のデジタルアーカイブデータを用いて制作した高精細アート鑑賞アプリと作家本人によるセミナーを組み合わせた新たなアート鑑賞手法を開発

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、現代美術家池田学氏の絵画作品「誕生」の高精細デジタルアーカイブデータを用いて制作した、アート作品を細部まで鑑賞できるスマートフォン向け高精細アート観賞アプリと、作者である池田学氏によるセミナーを組み合わせ、新たなアート鑑賞手法を開発しました。
 本手法は、2017年9月28日(木)に開催するセミナー「池田学『誕生』のすべて ~高精細データで絵画に潜り込む~」で公開します。

 「誕生」は、池田氏の作品の中でも最大サイズとなる3×4メートルの作品で、丸ペンを使用した独自の細密技法で、構想2年、制作3年3ヶ月をかけて完成しました。満開の花々が咲き誇る大木が中心に見えるこの作品の細部に目を向けると、異なる風景やさまざまな物語が緻密に描かれています。今回、凸版印刷が開発した文化財専用大型オルソスキャナー(※1)を用いて、絵画作品「誕生」を高精細デジタルアーカイブ化。約30億画素の超高精細アーカイブデータの解像度を落とすことなく、そのままアプリに活用することで、スマートフォンの画面上で実物サイズまで拡大することができ、描かれた線1本1本まで鑑賞することが可能となりました。
 本セミナーでは、池田氏本人がスクリーン上の作品を拡大しながら細部まで解説します。さらに、参加者自身も高精細アート鑑賞アプリをスマートフォンにダウンロードし参加することで、手元のスマートフォンで緻密に描かれた作品の細部を鑑賞できます。作家本人による解説を聞きながら、作品に描かれた線1本1本まで自由に鑑賞することで、作品の世界をより深く理解できます。

 凸版印刷は今後も、現代美術作家を中心とした、新たなアート鑑賞体験の創出を推進していきます。 

池田学氏の絵画作品「誕生」(2013年-2016年制作)
池田学氏の絵画作品「誕生」(2013年-2016年制作)
所蔵:佐賀県立美術館、©IKEDA Manabu, Courtesy Mizuma Art Gallery Tokyo/Singapore(左)、
部分拡大(右)
文化財専用オルソスキャナーを用いたデジタルアーカイブの様子
文化財専用オルソスキャナーを用いたデジタルアーカイブの様子

高精細アート鑑賞アプリ『Hi-Res ART:池田学「誕生」のすべて』について

 池田学氏の絵画作品「誕生」高精細デジタルアーカイブデータを、そのままの品質で鑑賞できるスマートフォン端末向けアプリです。好きな箇所を実物以上の大きさに拡大することのできるビューアの他、池田氏の制作日記やこのアプリを用いて開催されたトークイベントの収録動画、作家インタビュー動画もコンテンツとして搭載されており、ビューア機能と合わせて多角的な絵画鑑賞体験を提供します。

 コンテンツメニュー:
 ① 「誕生」高精細ビューア
 ②  池田学トークイベント・インタビュー収録映像 ※2017年12月公開予定
 1. VR Visionary Talk「池田学『誕生』のすべて」
 2. 特別講義「『誕生』が誕生するまで」
 3. 池田学スペシャルインタビュー
 ③ 「誕生」制作記 ※2017年12月公開予定
対応機種:Android OS4.4~/iPhone・iPad iOS9~(2017年10月配信開始予定)
言語: 日本語/英語2ヶ国語対応
料金: 無料(アプリ内課金有り)
監修: ミヅマアートギャラリー
企画・制作・販売: 凸版印刷株式会社

VR Visionary Talk「池田学『誕生』のすべて」について

日時:2017年9月28日(木) 19:00~20:30
会場:六本木アカデミーヒルズ オーディトリアム
受講料:3,500円
定員:130名
主催:凸版印刷株式会社
特別協力:ミヅマアートギャラリー、六本木アカデミーヒルズ 

凸版印刷のデジタルアーカイブについて

 凸版印刷では人類のかけがえのない資産である文化財の姿を後世へ継承するため、印刷テクノロジーで培った色彩を管理する技術と高精細画像データ処理技術、形状をデジタル化する立体形状計測技術を核に、より精確なデジタルアーカイブを行うため、文化財専用の大型オルソスキャナーを開発するなど、技術開発を積極的に進め、これまでに、国宝「鑑真和上坐像」(唐招提寺所蔵)、国宝「檜図屏風」(東京国立博物館所蔵)など、国内外の数々の貴重な文化財のデジタルアーカイブに取り組んでいます。
 さらに、国宝「洛中洛外図屛風」(東京国立博物館所蔵)や重要文化財「東征伝絵巻」(唐招提寺所蔵)など文化財の高品位複製やVR作品の製作など、デジタルアーカイブデータのさまざまな表現手法の開発を推進しています。 
URL: http://www.toppan-vr.jp/bunka/
 

※1 大型オルソスキャナー
一般的なデジタルカメラで撮影した画像を使った文化財のデジタル化では、被写体の位置により取得される像が異なるほか、距離や形状の凹凸により像の大きさが変化し遠近感が生じてしまう課題がありました。本スキャナーは、特殊なレンズ(テレセントリックレンズ)を用いることで正射投影を実現。被写体と光学系の距離が変化しても像の大きさは変化せず、得られた画像からは文化財の精確な形や大きさを知ることができます。

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* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

 以上

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