がん検診の受診対象者向け、未受診理由ごとにDMなどコミュニケーションを最適化、従来DMより高い受診率を実現し、がんの早期発見を目指す受診勧奨サービスを開始

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、健康で安心な社会づくりに貢献するため、「健康増進、予防・未病」「地域包括ケア」「地方創生・まちづくり」の3つのビジネスドメインを中心に、様々なソリューションを提供しています。

 このたび、がん検診対象者に対して、検診の受診を促進する「各種がん検診受診率向上プログラム」の提供を2017年7月下旬より開始します。 

 凸版印刷は、これまでも予防・未病領域において受診率向上プログラムを開発。自治体や企業での導入実績から、健康意識が低い生活者に行動変容を起こさせるための知見を習得してきました。今回、従来プログラムで培ったノウハウ・知見を、がん検診における受診勧奨事業に展開し、新たなサービスとしてラインアップを強化しました。

 なお「各種がん検診受診率向上プログラム」は、凸版印刷の自社内で実証試験を2016年2月に行いました。実証実験では、未受診理由ごとにセグメント化し異なる内容・デザインの訴求メッセージを作成。従来のDMと本プログラムにより内容を最適化したDMにより受診率を比較特定セグメントの被験者において受診率が約13%向上するという実証結果が得られました。 

実証試験の際のDM画面サンプル
未受診理由ごとにセグメント化し異なる内容・デザインの訴求メッセージを作成
実証試験の際のDM画面サンプル

背景

 がんは、1981年より日本人の死因の第1位で、現在では、年間30万人以上の国民が、がんで亡くなっています。また、生涯のうちにがんにかかる可能性は、男性の2人に1人、女性の3人に1人と推測され、がんの早期発見、適切な治療による死亡数減少が急務とされています。このような背景から、がん検診の受診率向上に対する課題意識が高まっています。

 こうしたなか、凸版印刷では、これまで培った知見を活かし、訴求メッセージや手法を改善することで、対象者のがん検診受診を促進するプログラムの開発に着手しました。

 本プログラムは、国際医療福祉大学 小田原保健医療学部 荒木田美智子 教授監修の下、健康保険組合の補助事業で行われる乳がん検診において、2017年2月に実証を行いました。

 

実証実験について(概要と結果)

 2016年12月より、東京・小石川地区および本所地区在勤のトッパングループ被保険者の全女性従業員に対して、乳がん検診受診促進のために以下のようなコミュニケーションを展開しました。

1)乳がん検診対象者に事前アンケートを実施し、昨年度の受診実績、未受診理由を収集
2)未受診理由ごとにセグメント化し、異なる内容・デザインのメッセージを作成。メールによりメッセージを送付し、受診勧奨を実施
3)セグメントごとに検診申込み率を検証し、次年度に向けた施策改善



結果、未受診の理由ごとに訴求内容を最適化することで、乳がん検診の受診促進を高めることができました。また行動変容をし易い層などの属性別の傾向値を把握することができました。
 今後は実証対象の範囲を拡大するとともに、ターゲットセグメント因子の幅を増やし、さらなる効果的な受診勧奨プログラムの開発に向けて、実証実験の精度を高めていきます。 

「各種がん検診受診率向上プログラム」の概要

 がん検診対象者の検診受診率を向上させるために必要な機能を、自治体、企業や健康保険組合にワンストップで提供するプログラムです。

 本プログラムでは、これまでに培ってきた知見とコミュニケーション手法を展開することで、対象者における、がん検診受診率向上を実現します。

 具体的には、対象者を多様な観点から分析・セグメント化し、個人向けのパーソナルDMやコールセンターからの電話勧奨といった手法を組み合わせたアプローチを展開し、受診を促します。 

(1) 受診対象者に対し2つの切り口からアプローチ
自治体や企業が保有するデータ(年齢、性別、婚姻有無、過去の検診受診歴)を活用し、受診対象者をセグメント化した上で受診勧奨を行うプログラムと、受診対象者に対して事前にアンケートを行い、未受診理由を踏まえた上でセグメント別の受診勧奨を行うプログラムの2つの手法を用意しています。

(2) セグメント別ダイレクトアプローチ
上記2つの手法においていずれも、独自性のあるメディアやコンテンツなども活用し、受診対象者のタイプに合わせたパーソナルDMや電話勧奨などのダイレクトアプローチにより受診を促します。

(3) 効果検証・施策改善
がん検診実施後は、独自のテンプレートを用いた効果検証を行い、次年度に向けた施策改善を提案します。


参考価格

一般的な場合:100万円から (※実施内容や対象人数、実施期間など規模により価格は異なります) 

今後の展開

 凸版印刷は、自治体や企業に向けたヘルスケア関連事業を強化するとともに、「各種がん検診受診率向上プログラム」の拡販を進め、2018年度中に10件の採用を目指します。

 今後も、エビデンスも基づくヘルスケア関連サービスの提供を通じ、社会課題の解決に向けて事業を推進していきます。 

* 本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

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