2016/09/14

凸版印刷、温度センサータグを開発
チップ内に温度センサーとタイマーを内蔵、生鮮食品や医療医薬品など
定温管理輸送が必要な製品に最適
 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、商品サプライチェーンにおける個品温度追跡管理の需要に対応する温度センサータグを開発。生鮮食品など定温管理輸送が必要な製品を取り扱う物流業界向けに、2016年12月からサンプル出荷を開始します。

 本製品は、バッテリーを内蔵したUHF帯RFIDで、タグラベル単体での温度管理を可能とする使い切り型の温度状態監視ラベルです。RFIDチップに内蔵された温度センサーとタイマーにより、設定された時間間隔で、貼付した商品の温度状態を監視することができます。あらかじめ上下限温度を設定することで、温度監視中に設定温度範囲を越えた場合、異常温度の発生有無をアラート情報としてチップメモリ内に記録できます。記録されたアラート情報は、リーダライタをかざすことで内容の確認が可能です。

 なお本製品は、2016年9月14日(水)から16日(金)まで開催される「第18回 自動認識総合展」(会場:東京ビッグサイト)、ならびに2016年10月4日(火)から7日(金)まで開催される「2016東京国際包装展」(会場:東京ビッグサイト)のトッパンブースで展示します。

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温度センサータグのラベルサンプル(左)とその使用イメージ(右)
© Toppan Printing Co., Ltd.

■ 開発の背景
 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や経済連携協定(EPA)などの貿易自由化を受け、農産物や医薬品などの貿易規模が拡大していくことが予想されます。これらの製品は品質劣化を抑えるため、適切な温度範囲での管理が必要となります。
 しかし、現状主流となっている再利用型の電子ロガーは高価なため商品一つ一つに取り付けて温度追跡をするにコスト負荷が大きく、またサイズが大きく設置場所が限定されてしまうため、抜き取りや部分的な温度追跡のみに利用がとどまっていました。
 これらのニーズに対し、凸版印刷は温度監視機能に特化することで従来の電子式温度ロガーと比較して大幅な低コストを実現した「温度センサータグ」を開発。これにより、製品単位での温度保管状態の追跡管理が可能になります。


■ 本製品の特長
・印刷型電池採用によるフィルムベースの薄型ラベル形態
RFIDアンテナを形成するフィルム基板上に印刷型電池を一体形成し、薄型なラベル形態での提供を実現しました。
・製品の温度を監視し、異常温度発生時にはアラートログを生成
RFIDラベル単体で温度監視を行い、設定温度範囲を超える異常温度が発生した際のアラートをメモリに保持。その後リーダライタにかざすことで、アラート発生の有無を確認できます。
・バッテリーアシストによる安定したRFID通信距離性能(Battery Assist Passive RFID)
UHF帯RFIDとして普及しているISO/IEC18000-6 EPCGlobal C1G2に対応。一般的なUHF帯向けリーダライタで約10mを超える安定した通信が可能です。


■ 仕様
・周波数: UHF帯(EPCglobal C1G2規格準拠)
・外径: 縦86mm×横86mmの薄型ラベル形態
・温度センサー部: 測定温度範囲:-40℃~+60℃
・アラート検知: 上限温度リミット、下限温度リミット他
・電池: 印刷型電池


■ 参考価格
量産時目標価格: 300円/枚  (※10,000枚製造時)


■ 今後の目標
 凸版印刷は本製品を2017年4月の量産化を目指して今後も開発を進め、各種リーダライタとの組み合わせにより、倉庫やトラック荷台での温度管理など、さまざまなリアルタイム温度管理ソリューションを提供。2017年度に関連受注を含め約2億円の売上を目指します。



* 本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以上

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