2015/06/01

古河電池と凸版印刷、非常用マグネシウム空気電池「MgBOX」で
日本包装技術協会主催「木下賞」を受賞
~水や海水を入れるだけで発電可能、紙製容器のため使用後の廃棄も容易~
 古河電池株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:徳山勝敏、以下 古河電池)と凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、非常用マグネシウム空気電池「MgBOX(マグボックス)」で、公益社団法人日本包装技術協会が主催する「第39回木下賞(※) 新規創出部門」を受賞しました。

 「MgBOX」は、古河電池と凸版印刷が共同で開発・販売する非常用電池で、難燃性マグネシウムを負極物質、空気中の酸素を正極物質とし、水や海水を投入することで発電できます。大容量かつ長期間保存可能なだけでなく、使い捨て電池として使用後の廃棄が容易となるよう、紙製容器を使用しています。
 「MgBOX」の、非常用使い捨て電池というコンセプトのもと、液体紙製容器の包装技術を用いて新たな製品を開発した点が評価され、今回の受賞につながりました。
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非常用マグネシウム空気電池「MgBOX」
■ 開発の背景
 災害時の最も重要な問題の一つに、携帯電話の電池切れによる情報の遮断があります。東日本大震災の被災地(福島県いわき市)に工場を持つ古河電池は、震災時の経験を活かし、非常時に水を入れるだけで、簡単に多数の携帯機器へ電力を供給できるマグネシウム空気電池の開発を、凸版印刷と共同で行いました。

 負極に用いるマグネシウムは地球上に大量に存在している物質で、塩水に溶けやすく原子が放出する電子の量も多いため発電効率が高いといった特長があり、本製品では、より安全性を高めるため、難燃性マグネシウムに加工して使用しています。正極には、酸素の反応を活性化させる触媒として従来はプラチナやレアメタルを使用していましたが、古河電池の独自技術により、レアメタルを使用しない酸素還元触媒を使用することでコストを削減しました。さらに、使い捨て電池として使用後の廃棄が容易となるよう紙製容器を使用し、環境にも配慮しています。

 

■ 「MgBOX」の特長
・水や海水を入れるだけで発電
・スマートフォンなどUSB 機器の充電に最適
・大容量!スマートフォンを最大30 回充電
・USB タイプの出力端子を2 個装備
・世界初の紙製容器でできたマグネシウム空気電池
 (使い捨て電池として使用後の廃棄が容易となるよう、紙製容器を使用)
・騒音を発生せず、また発電時に二酸化炭素を発生しない環境に配慮した電池

■ 「MgBOX」の仕様
・商品名: 非常用マグネシウム空気電池 『MgBOX』
・寸法: W233×D226×H226(mm)
・重量: 約1.6kg(注水前。注水後は約3.6kg)
・発電時間: 最大5日間
・最大電気量: 300Wh
・発売日: 2014年12月
・販売先: 主に県市町村など地方自治体や、企業・団体等の防災備蓄用途向け



※ 「木下賞」は、公益社団法人日本包装技術協会(JPI)が主催し、JPI第2代会長である故木下又三郎氏の包装界に対する功績を記念して設定された表彰制度です。本賞は、包装技術の研究・開発に顕著な業績をあげたものや、包装の合理化・改善・向上に顕著な業績をあげたものに与えられます。今年で39回目を迎え、5月29日に発表・表彰が行われました。
 凸版印刷は、2007年「やさしいエコテナー®」で、また2008年「ユニークQRコード活用による新たな包装ビジネスの構築」、2009年「ネスカフェチャージ」、2010年「チンしてこんがり魚焼きパック」、2011年、「『OLO OLO™(オロオロ)』エコフラットカップ®」、2012年「ネスカフェエコ&システム」、2013年「注ぎ上手」、2014年「「アタック高活性バイオEX つめかえパック」、「エアホールドパウチ」で木下賞の各部門賞を受賞しており、今回で9年連続の受賞となります。



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以上

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