2015/03/06

凸版印刷、CG映像作品『国宝「唐招提寺金堂」の組物』で
「2014アジアデジタルアート大賞」の動画部門にて優秀賞を受賞
〜高品位な作品づくりへの姿勢と緻密な考証に基づいた精確な表現が評価〜
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、CG映像作品『国宝「唐招提寺金堂」の組物(くみもの)』で、「2014アジアデジタルアート大賞」の動画部門にて優秀賞を受賞しました。本受賞作品は、古代建築の知恵を研究し、後世に遺すことを目的として竹中大工道具館(※1 所在地:兵庫県神戸市、館長:赤尾建藏)と共同で企画、同館監修のもと、凸版印刷が製作したものです。
 「2014アジアデジタルアート大賞」は、2001年からスタートしたコンペティションで、高度なメディアテクノロジーを背景に、論理的な思考と芸術的感性との融合、さらにアジアの文化、風土に根差した世界レベルのメディアアート作品に与えられる賞です。
 本受賞作品『国宝「唐招提寺金堂」の組物』は、天平の建築として唯一残る奈良の名刹国宝「唐招提寺金堂」の内部構造全体をVR(バーチャルリアリティ※2)映像を用いて再現するとともに、柱の木目まで描画し、組物木組みの組立手順を分かりやすく解説しています。緻密な考証に基づいて実物の詳細部分まで精確に表現し、伝統的古建築の技法をアーカイブした点や、デジタル技術を駆使して高品位な作品をつくる姿勢、緻密さを忠実に表現する価値観が評価され、今回の受賞につながりました。
 なお、当作品は、竹中大工道具館で原寸大の「唐招提寺金堂」の柱と組物模型とともに鑑賞できます。
07.画像1
柱の木目まで描画した組物木組みの組立手順を解説                           「唐招提寺金堂」の内部構造を再現       
                                                   VR作品『唐招提寺~金堂建築の巧み・御影堂の美~』より
                                                   製作・著作:凸版印刷株式会社/TBS
                                                   データ提供:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
                                                   協力:唐招提寺
■ CG映像作品『国宝「唐招提寺金堂」の組物』について
作品名 : 『国宝「唐招提寺金堂」の組物』
企画 : 竹中大工道具館・凸版印刷株式会社
組物工程監修・資料提供 : 竹中大工道具館
製作 : 凸版印刷株式会社
協力 : 唐招提寺
時間 : 3分24秒
コンテンツの特長:
・ 柱の木目を緻密に表現
 国宝「唐招提寺金堂」の建設当時を再現する場面では、凸版印刷のもつ、文物の精確な形をデジタル化する計測技術や、印刷技術で培われたカラーマネジメント技術、高精細な画像データ処理技術を活用し、柱の木目を描画しています。
・ CGを駆使し、「組物」の構造を分かりやすく解説
 複雑な構造の「組物」を分解して組み立てる様子を表現することで、古代建築の知恵を分かりやすく解説しています。

■ 2014アジアデジタルアート大賞について
主催 : 2014アジアデジタルアート大賞展実行委員会
九州大学/福岡県/福岡市/北九州市/(株)西日本新聞社/ラブエフエム国際放送(株)/
(株)サイバーコネクトツー/(株)NHKプラネット(順不同)
概要 : 北部九州からデジタルコンテンツの創造を担う高度な技能と豊かな感性を持つクリエータの発掘・育成の場として2001年にスタート。発足以来、『論理的な思考を基盤にした高い芸術的感性』をテーマに、高度なメディアテクノロジーを背景にした論理的な思考と芸術的感性との融合、さらにアジアの文化、風土に根差した世界レベルのメディアアート作品のコンペティションです。初開催から14回目を迎える今年度は、世界16の国や地域から682点の応募がありました。

■ 凸版印刷のVRへの取り組み
 凸版印刷は、1997年から文化財の展示映像手法としてVR技術の開発に取り組み、「ナスカ」「マチュピチュ -太陽の聖地」や「東大寺大仏の世界」「洛中洛外図屏風 舟木本」など、国内外の貴重な文化財をテーマとしたVR作品を積極的に製作しています。
 また、大型スクリーンを用いたVRシアターの展開を進め、海外では、中国の故宮博物院やホンジュラス共和国博物館にシアターを納入しています。国内では 2007年に東京国立博物館と共同で、東京国立博物館に「TNM&TOPPANミュージアムシアター」を開設し、VR作品を公開しています。
URL: http://www.toppan-vr.jp/bunka/

※1 竹中大工道具館
日本唯一の大工道具の博物館として、1984年に神戸市に開館し、公益財団法人竹中大工道具館が管理・運営。大工道具の世界をより深く、より楽しく体感できる施設として、2014年10月に新神戸駅近くに移転しました。今日までに収集した資料は30,500 余点にのぼります。
※2 VR(バーチャルリアリティ)
 現存しない建造物や文物の内部など通常では見ることができないものや、セキュリティや作品保護の観点から公開されていない貴重な文化財等をデジタル再現し、鑑賞体験することができます。コントローラを用いて任意の空間を自由に動き回る対話性が大きな特長ですが、ビデオ映像のように決められたストーリーの自動再生も可能です。

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以上

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