2014/09/30

東京国立博物館と凸版印刷、
VR作品『法隆寺宝物館 聖徳太子ゆかりの名品 -太子絵伝と灌頂幡-』を
TNM & TOPPAN ミュージアムシアターで10月1日より公開
東京国立博物館
凸版印刷株式会社
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館(所在地:東京都台東区、館長:銭谷眞美、以下 東京国立博物館)と凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、VR(バーチャルリアリティ※1)作品『法隆寺宝物館 聖徳太子ゆかりの名品 -太子絵伝と灌頂幡(かんじょうばん)-』を製作しました。東京国立博物館・東洋館内「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」で、2014年10月1日(水)より公開します。
 本VR作品では、東京国立博物館 法隆寺宝物館に収められている聖徳太子ゆかりの作品の中から、国宝「聖徳太子絵伝」と国宝「灌頂幡」の2つの名品を紹介します。かつて法隆寺に所蔵されていた状態を再現して鑑賞するとともに、高精細なアーカイブデータで作品の細部まで拡大して観ることができます。
 国宝「聖徳太子絵伝」(秦致貞(はたのちてい)筆、平安時代・延久元年(1069))は、もとは奈良県法隆寺の東院伽藍・絵殿(えどの)にありました。VR作品中ではこの絵伝を、元来収められていた絵殿に戻し、江戸時代に描かれた模写と見比べながら鑑賞します。また、日本の金工史上最高傑作のひとつといわれる国宝「灌頂幡」(飛鳥時代・7世紀)は、太子の娘によって法隆寺に奉納されたといわれています。精緻に表現された如来三尊像や楽器を奏でる優美な天人たちの姿を、金色に輝く制作当時の再現でその魅力に迫ります。
 なお、上演期間のうち、2014年11月11日(火)~12月7日(日)には、通年展示である国宝「灌頂幡」に加え、国宝「聖徳太子絵伝」も法隆寺宝物館に展示され、実物とVR作品の双方を鑑賞できます。

法隆寺1.jpg 法隆寺2.jpg

 

法隆寺3.jpg

(上左)かつて法隆寺の絵殿に収められていた姿をVRで再現した国宝「聖徳太子絵伝」
(上右)国宝「灌頂幡」の制作当時の姿と輝きをVRで再現 (下)国宝「灌頂幡」がかつて所蔵されていた法隆寺西院伽藍
VR作品『法隆寺宝物館 聖徳太子ゆかりの名品 -太子絵伝と灌頂幡-』 より
監修:東京国立博物館 制作:凸版印刷株式会社 協力:法隆寺
■国宝「聖徳太子絵伝」、国宝「灌頂幡」について
 国宝「聖徳太子絵伝」と国宝「灌頂幡」は、法隆寺に伝来し明治11年(1878)に法隆寺から皇室へ献納され、戦後、国に移管されたのち、現在は東京国立博物館の法隆寺宝物館で保管されている321件の作品のうちの2作品です。
 国宝「聖徳太子絵伝」は聖徳太子に対する信仰を背景として、その生涯の事蹟を絵画化したものです。延久元年(1069)に秦致貞によって描かれ、全長14m、高さ2mの大画面に太子の60近い事跡がちりばめられています。
 国宝「灌頂幡」は銅板を透彫りし、鍍金を施したもので、日本の金工史上最高の傑作と言われています。唐草文様をはじめとする細部にまで施された意匠の特色からみて、7世紀後半に制作された可能性が高いとされています。

■VR作品『法隆寺宝物館 聖徳太子ゆかりの名品 -太子絵伝と灌頂幡-』について
上演期間 : 2014年10月1日(水)~2015年2月1日(日)
      (ただし、2014年12月8日(月)~2015年1月1日(木・祝)まで、東洋館の休館により休演)
上演時間 : 水・木・金・土・日曜、祝・休日 12:00、14:00、16:00
※所要時間は約40分です。
料金 : 高校生以上  500円 中学生・小学生  300円
未就学児、障がい者および介護者1名  無料
*総合文化展当日券(一般620円/大学生410円)とセット購入で一般1000円/大学生800円
*鑑賞には当日の予約が必要です。

■東洋館「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」について
 「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」は、VRによる文化財の新しい鑑賞方法を体験できる施設です。「バーチャルリアリティで時空を超える」をコンセプトに、東京国立博物館の収蔵品を中心とする文化財デジタルアーカイブをVR技術で可視化。専属のナビゲーターのライブ上演で、あたかもコンピュータが生成する三次元空間の中にいるかのような感覚で文化財を鑑賞できます。文化財の往時の姿の再現や肉眼では鑑賞することが難しい細かなディテールの拡大など、デジタルならではの文化財との新たな出会いと楽しみ方を提供する空間です。
・超高精細4K(※2)プロジェクタによるVR映像投映
・スクリーンサイズ : 300インチ(横幅6.6m、高さ3.7m)
・座席数 : 98席
・シアターウェブサイト : http://www.toppan-vr.jp/mt/

 

※1 バーチャルリアリティ(VR)
コンピュータで生成された三次元コンピュータ・グラフィックスの映像の中を自由に移動しながらその三次元空間にいるかのような感覚を体験することができる技術です。
※2 4K
米大手映画会社7社を中心とするデジタルシネマ標準化団体「DCI」(Digital Cinema Initiatives, LLC)が提唱するフォーマットで、フルハイビジョンの4倍以上の885万画素(4096×2160ピクセル、4K×2K)の解像度です。
以上

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