2014/09/05

凸版印刷、PUF技術を搭載した世界最小のICタグを開発
~村田製作所と共同で開発、小型電子機器の真贋判定に活用可能~

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下凸版印刷)は、株式会社村田製作所(本社:京都府長岡京市、代表取締役社長:村田恒夫、以下 村田製作所)と共同でPUF技術(※1)を搭載した世界最小のICタグを開発。小型電子機器の真贋判定向けに2014年12月からサンプル出荷を開始します。

 なお本製品は、2014年9月10日(水)~12日(金)に開催される「第16回自動認識総合展」(会場:東京ビッグサイト、主催:一般社団法人日本自動認識システム協会)のトッパンブースで展示されます。

 PUF技術とは、ICチップが持つわずかな個体差を人間の指紋のように利用する偽造防止技術です。従来の暗号技術を用いた高価なICチップとは異なり、製造コストを抑えながらも偽造される可能性が極めて低いため、次世代のセキュリティ技術として注目されています。
 凸版印刷は、2013年にこのPUF技術を搭載したNFC対応ICタグ「SMARTICS-V(スマーティクス・ヴィ)」を世界で初めて開発。偽造・模倣品対策を実施する企業などに向けて販売してきました。

 村田製作所は、2008年にRFIDタグ内蔵モジュール「マジックストラップ®(※2)」を開発。工程管理や物品管理などに広く使用されています。また、2012年にはアンテナを多層基板に内蔵した超小型タイプの「マジックストラップ®」の開発に成功。従来用途はもちろん、これまでICタグを取り付けることができなかった試験管やペンなどの小さな製品への取り付けを可能にしました。

 このたび、凸版印刷がもつPUF技術を搭載したICタグの製造技術と、村田製作所がもつICタグの小型化技術を融合することにより、PUF技術を搭載した世界最小のICタグの開発に成功しました。

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世界最小となるPUF技術を搭載したICタグ(左)とプリント基板への搭載例(右)
© Toppan Printing Co., Ltd.

■ 背景
 近年、模倣品や横流し品の流通が世界的に拡大し、その被害は増加の一途をたどっています。特に電子機器などの模倣品の流通は、安全上の観点からも偽造・模倣品対策が大きな課題となっています。また、高度な社会インフラの実現を目的として、機器間通信(M2M)の採用が検討され、セキュリティ性を確保するための機器間認証に対するニーズも高まっています。
 凸版印刷では、2013年にPUF技術を搭載したNFC対応ICタグ「SMARTICS-V(スマーティクス・ヴィ)」を世界で初めて開発。低価格で高セキュリティな特長を活かし、偽造・模倣品対策を実施する企業などに向けて拡販しています。
 このたび、村田製作所と共同で、PUF技術を搭載した世界最小のICタグを開発。これにより、小型電子機器や事務機器用品、精密機器内の部品など小さな製品や部品への対応が可能となりました。


■ 主な仕様
・ 寸法: (W)3.2mm×(D)3.2mm×(H)0.7mm
・ 通信方式: ISO/IEC 14443 Type-A
・ ユニークID: 7byte
・ ユーザメモリ: 64byte
・ 書き込み防止機能: あり
・ アンチコリジョン: あり


■ 今後の目標
 
凸版印刷は今後も村田製作所と共同で本製品の開発を推進し、2015年4月からの量産化を目指します。また、本製品を電子機器基板や事務機器用品を取り扱う企業に向けて拡販。2015年度に関連受注を含め約10億円の売り上げを目指します。



※1 PUF技術
PUF技術とは、人工物がもっている固有の特徴を利用して当該人工物の認証を行う技術であり、固有の特徴を複製することは困難なため偽造防止に有効です。例えば、同じように作られた紙でもその繊維構造にまで着目すると一つ一つ異なっており、これを固有の特徴として認証に利用することもPUF技術になります。
ICチップなどの半導体のばらつきを利用するものをシリコンPUF技術と呼び、固有の特徴を読み取るさまざまな方法が学会等で提案されています。
※2 マジックストラップ®
マジックストラップ®は小型で堅牢なRFID用のキーパーツです。村田製作所の高周波回路技術が業界標準のICと共に内蔵されています。


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以上

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