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凸版印刷株式会社

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2014年06月18日

凸版印刷と東北大学、デジタルカメラで撮影した画像から
全自動で三次元形状モデルを生成できる画像処理技術を開発
~高価な専用機器を用いることなく高精度で形状モデルを生成、色情報も取得可能~
 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、国立大学法人東北大学大学院情報科学研究科 青木孝文研究室(所在地:宮城県仙台市、以下 東北大学)と共同で、デジタルカメラで撮影した画像から全自動で三次元形状モデルを生成できる画像処理技術を開発しました。

 凸版印刷はこれまで、仏像や建築物など立体形状を持つ文化財を対象に、レーザーレンジスキャナやハンディタイプの3Dスキャナなど高価な専用機器を用いた三次元計測を実施し、データを記録。計測されたデータは、デジタルアーカイブや、バーチャルリアリティやCG技術を用いた映像としての可視化などで活用してきました。しかし、レーザーレンジスキャナを用いた三次元計測は、広い空間がないと測定できず、またハンディタイプの3Dスキャナを用いた三次元計測には、専用機器を扱うための特別な技術が必要であるといった課題がありました。

 今回開発した技術は、東北大学が開発した位相限定相関法(※1)をベースとして、凸版印刷と東北大学で共同開発した多視点ステレオ技術(※2)です。これらの技術を組み合わせたことにより、民生品のデジタルカメラで撮影した画像のみを用いて、対象物の立体的な形状モデルを高精度かつ自動的に生成できるようになりました。また、撮影した画像から色情報の取得も可能です。
※1 東北大学大学院情報科学研究科青木研究室で開発された画像の位相情報に基づく高精度な画像照合手法。位置合わせ精度とロバスト性に優れ、1画素以下の精度で対応点推定が可能。
※2 異なる視点から撮影された複数枚の画像を用いて物体の三次元形状モデルを生成する技術であり、従来の二枚の画像から形状モデル生成を実施するステレオ技術と比較して、高精度な形状モデル生成が可能。

 なお、凸版印刷は本技術の有効性を検証するため、独立行政法人国立文化財機構 東京文化財研究所(所在地:東京都台東区、所長:亀井伸雄)と共同で、2014年2月に、瑞巌寺(所在地:宮城県宮城郡)本堂内の欄間木彫を民生品デジタルカメラで撮影。その後、撮影画像を用いた形状モデルの生成ならびに精度の検証を実施しました。その結果、高価な専用機器を用いることなく、ハンディタイプの3Dスキャナと同程度の高い精度を実現しました。
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本技術を用いた瑞巌寺の欄間木彫の形状モデル生成結果:80枚の画像を利用(左:色情報無、右:色情報有)
© Toppan Printing Co., Ltd.
■ 開発の背景
 CGや計測技術の進歩により、文化財をデジタル化し活用するデジタルアーカイブが本格化しています。凸版印刷では、三次元形状計測技術や色彩計測技術を用い、文化財のもつ形や色の情報を正しくデジタルアーカイブ化することに取り組むとともに、そのデータを活用し、多くの人々に文化財の情報を効果的にわかりやすく伝える事業を行っています。
 従来、文化財などの表面形状をデジタル化する手段としては、レーザーレンジスキャナなどの専用装置が多く活用されています。しかし、計測精度が高い反面、装置が大型で重量があるため、狭い空間では安全な計測が困難であるといった課題がありました。
この課題を解決するため、凸版印刷は民生品のデジタルカメラで撮影した画像のみを用いて、対象物の立体的な形状モデルを全自動で生成できる技術を開発しました。


■ 本技術の詳細
 本技術は、異なる視点から撮影された複数枚の画像間で、対応する点を1画素以下の精度で推定することにより、高精度な三次元形状モデルの生成が可能です。この仕組みを実現するため、凸版印刷は東北大学と共同で、従来より多くの画像間で対応点を推定する技術や、計測する物体の形状にあわせて対応点を推定する技術などを開発。位相限定相関法をベースとした多視点ステレオ技術を構築しました。これにより、民生品のデジタルカメラで撮影した画像から、対象物の立体的な形状モデルを高精度かつ自動的に生成することが可能になりました。


■ 瑞巌寺本堂・欄間木彫の形状モデル生成について
・撮影時期: 2014年2月
・撮影場所: 瑞巌寺
・撮影対象: 上記内にある欄間木彫のうち、鳳凰木彫部分(寸法: 幅1400mm×高さ815mm×厚さ80mm)
・使用カメラ: 1200万画素、焦点距離75mm(35mm換算)
・撮影距離: 1.5m~2.0m
・画像枚数: 80枚
・撮影時間: 約30分
・総処理時間: 約6時間


■ 今後の展開
 凸版印刷は三次元形状モデルの生成ならびに精度検証結果について、2014年7月5日(土)・6日(日)に開催される「日本文化財科学会第31回大会(奈良大会)」(会場:奈良教育大学)で発表します。
 また凸版印刷は今後、文化財のデジタルアーカイブにおける三次元計測システムとして活用していきます。また、東北大学と共同で本技術のさらなる精度向上や形状モデル化可能な対象の拡大を図り、産業分野の計測システムとしても展開していく予定です。

* 本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以上

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