2013/11/11

凸版印刷、高性能な銅タッチパネルモジュールの量産を開始
~ モバイル端末から電子黒板まで幅広いアプリケーションのタッチパネルへ展開可能 ~

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、スマートフォンなどで現在主流となっている静電容量型タッチパネル向けに、超微細な銅配線のパターンを形成したタッチパネルモジュールを開発、世界で初めて量産可能な生産体制を構築しました。
 パソコンやタブレット端末などの10インチから27インチクラスをターゲットに2013年11月中旬より提供を開始します。

 開発した銅タッチパネルモジュールは、国内の銅メッシュで最も細い3μm(マイクロメートル: 10のマイナス6乗メートル)の線幅で形成し、配線を黒化処理することで視認性が大幅に向上、フィルム基材のためガラス基板に比較して大幅な軽量化も可能となります。ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)や銀を主原料とする従来方式と比較して、感度を大きく向上させることができます。
07.画像1
左:タッチセンサー、右:タッチパネルモジュール

■背景
 タッチセンサーは、タッチパネルの中心的な部品として、さまざまな用途で今後も市場の拡大が予想されています。パソコンでの利用拡大や、デジタルサイネージや電子黒板など、中型から大型モニターへの採用も進みつつあります。
このような需要に対応するため、凸版印刷はエッチング手法で銅配線を形成した銅タッチセンサーを開発するとともに、世界で初めて3μmの銅タッチパネルモジュールの量産までを、一貫して対応する体制を構築しました。

 

■特長
・両面の一括形成により、軽量化とコスト削減が可能
 タッチセンサーは、従来、X極とY極を別々のフィルムに形成して貼り合せを行ない製造していましたが、今回、フィルムの表裏に一括して電極と引き出し配線を形成。材料費や工程費を削減するとともに、軽量化を実現しました。

 

・独自パターニング技術で、視認性が大幅に向上、美しい表示が可能
 タッチセンサー用フィルムと液晶パネルとの干渉によるモアレ現象を制御する独自のパターニング技術を開発。さらに3µmの配線線幅の電極を形成し、配線を黒化処理することで視認性を大幅に向上させました。液晶パネルとの位相差で発生する虹ムラを抑えることも可能です。

 

・タッチパネルの企画・設計から、モジュールの生産まで一貫した生産体制を構築
 凸版印刷は、子会社である株式会社オルタステクノロジーと共同で、タッチセンサーモジュールの企画・開発段階から電極フィルムの生産、パネルモジュールまで、一貫した生産体制を整えました。
静電容量型タッチパネルの性能向上には、電極の抵抗値(抵抗値が低いほど電気が流れやすい)と、寄生容量(画面に触れると発生する微弱な電流)の変化特性を合せ込み、最適化する設計ノウハウが重要です。凸版印刷は、パネルモジュールの企画・設計段階から内製化することで、センサーの特性を合せ込み、コントロールICや使用する材料などと最適化した高性能なタッチパネルモジュールを提供することを可能にしました。

 

■今後の目標
 凸版印刷では、この銅タッチパネルモジュール事業で2015年度に売上で200億円を目指します。現在凸版印刷ではお客さまのニーズに合せて銅タッチセンサーのほか、ガラスセンサー、ITOフィルムセンサーも各種ラインアップを充実させており、今後もより高性能・高品質なタッチセンサーとタッチパネルモジュールの開発を進めていきます。

 

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以上

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