2013/07/31

凸版印刷、電子レンジ調理時の安全性を高めた
冷凍・チルド食品向け蒸気抜きパッケージを開発
~微細な蒸気孔により、調理時の吹きこぼれや取り出し時のやけどを防止~

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、電子レンジ調理時の安全性を高めた冷凍・チルド食品向け蒸気抜きパッケージを開発しました。2013年8月上旬から販売を開始します。

 

 パッケージのまま電子レンジで調理する食品は、電子レンジで加熱すると袋内部の温度が高まり、パッケージ内部に蒸気が発生します。この蒸気の圧力による袋の破裂を防止するため、これらのパッケージには、蒸気を逃がす工夫が必要です。

 

 本製品は、レーザー加工でパッケージ内の蒸気を逃がすための微細な孔を空けることにより、パッケージのまま電子レンジでの調理を可能にしたパッケージです。凸版印刷が独自に開発したフィルム成形・加工技術により、調理時に微細な蒸気孔が成形される仕組みを実現しました。なお、レーザー加工を用いた冷凍・チルド食品向け蒸気抜きパッケージは、本製品が業界初となります。
 具体的には、積層されたフィルムのうち、基材となるフィルムにのみレーザーで孔を空けます。電子レンジ加熱時、食品に密着する内側のフィルム(以下 シーラント)が蒸気で伸張し、やがて裂けることにより、孔がパッケージの内外を貫通します。
 パッケージの内圧が高まりすぎることなく徐々に蒸気を逃がす形状を実現したことにより、加熱調理完了後に食品を取り出す際のやけどのリスクを低減します。また、蒸気孔が微細かつ蒸気孔の位置を自由に設定可能なため、スープスパゲティやリゾットなど、水分量の多い食品の液垂れ防止効果も期待できます。さらに、電子レンジ調理するまでシーラントで内容物の衛生性を保持し、異物混入を防止できます。 

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蒸気抜きパッケージを用いた商品のサンプル(左)、電子レンジ調理で発生した蒸気による内圧で蒸気孔が貫通する(右)

■ 開発の背景
 核家族・単身世帯の増加や高齢化、女性の就業率アップなど、生活者のくらしが変化している現在、冷凍食品の需要が急速に高まっており、その市場規模は2011年に約4,000億円と推計されています。
 凸版印刷では、以前より電子レンジ加熱時の内圧で蒸気口から蒸気を逃がす蒸気抜きパッケージを提供。冷凍食品やチルド食品などで数多く採用されています。しかし、それらの包装材料は蒸気が抜けやすいように孔を大きく設計しているため、レンジ調理時にパッケージの破袋を防止できる一方、加熱調理後に取り扱う際、蒸気によるやけどのリスク低減が課題になっていました。
 このたび、凸版印刷が独自に開発したフィルム成形・加工技術により、電子レンジ調理時に微細な蒸気孔が成形される仕組みを実現。電子レンジ調理後の取り扱いにおける安全性を高めるとともに、水分量の多い食品への展開も期待できます。さらに内容物の衛生性を保持し、異物混入を防止できるようになりました。

 


■ 本製品の特長
・蒸気によるやけどや内容物の液垂れを防止
シーラントには柔軟なポリエチレン(LLDPE)を使用。レーザー加工技術による微細な蒸気孔と組み合わせることにより、内圧が高まりすぎることなく徐々に蒸気を逃がします。このため、電子レンジ調理後に食品を取り出した際、蒸気によるやけどを防止できるだけでなく、水分の多い食品の吹きこぼれを防止できます。

・内容物の衛生性を保持し、異物混入を防止
基材フィルムに空ける孔が微細であり、かつ電子レンジで調理するまでシーラントには孔が貫通しないため、内容物の衛生性を保持し、異物混入を防止できます。

・充填ラインの変更が不要で導入がスムーズ
食品メーカーにて蒸気孔を成形する場合、充填ライン上に専用の設備導入が必要でしたが、本製品はレーザーで事前に蒸気孔を成形した状態でパッケージの納品が可能なため、新たな設備導入が不要です。

 


■ 今後の目標
 凸版印刷は本製品を冷凍食品業界やチルド食品業界などへ拡販し、2015年度に5億円の売上を目指します。

 

 

* 本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以上

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