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2012年06月07日

凸版印刷、京都大学と放射線を遮蔽するタングステン機能紙を開発
〜高充填したタングステンと紙の特長を融合、加工容易な鉛フリーの放射線遮蔽材料を実現〜

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、紙にタングステン(※1)を高密度で充填した、放射線を遮蔽する機能を持ったタングステン機能紙を開発、2012年6月中旬よりサンプル出荷を開始します。

 タングステンは、X線やγ線などの放射線を遮蔽する機能を持つことが一般的に知られていますが、本製品はタングステンを高密度に充填したことにより、タングステン自体の特長を維持したまま加工性の向上を実現しました。
 なお本製品は、放射線医学の第一人者である国立大学法人 京都大学(総長:松本紘、以下 京都大学)大学院医学研究科の平岡眞寛 教授、門前一 特定准教授の協力を得て、性能評価を実施しました。その結果、従来の鉛板と比較して、同等の放射線遮蔽効果を有することが確認されました。

 凸版印刷は今後、医療や被災地を中心とした建築物などさまざまな用途向けにサンプル出荷を行うほか、トッパングループが持つ建装材、産業資材関連技術とのシナジーによる新たな用途や使用方法などの検討を進めていきます。

■ 開発の背景
 現在、医療分野では放射線が広く活用されていますが、その放射線に対する遮蔽は、鉛板の使用が中心でした。鉛板は加工が困難なことや、その鉛廃棄物は環境への影響が懸念されることから、より環境にやさしい代替の製品が求められていました。

 一方、医療分野以外では、東日本大震災の復興作業で、現場の作業員が防塵服を着用していますが、現在の防塵服単体では、通常は放射線遮蔽機能がありません。そのため、作業時間が短く、作業効率が低下するという課題がありました。

■特長と用途
 本機能紙は、断裁や折りたたみ、フィルムをはじめ他材料への貼り合わせなど加工が容易という特長があります。また、鉛フリーであることから、屋内・屋外問わず、人が触れるような用途でも活用できます。これらの特長を活かして、以下のような応用が可能です。
医療分野
・放射線検査室および放射線治療室の壁、扉、カーテンなど
・放射線の遮蔽が困難な手術室、病室での簡易遮蔽材
・核医学検査室での汚染された床の遮蔽材、医薬品輸送箱などへの応用
被災地・復興作業
・放射線環境下での作業員保護や汚染された物質、廃棄物の簡易遮蔽
・被災地の体育館など、広域避難場所を新築する際の建装材
・既築建造物の壁や扉、天井への貼り合わせ

■ 主な仕様
・形状 : 幅:約500mm、厚さ:約0.3mm のロール形状
・遮蔽性能

 

■ 今後の目標
 凸版印刷は、医療業界や建築業界などに向けて本製品のサンプル出荷を行い、新たな用途や使用方法などの検討を進めていきます。また、京都大学との協力を継続し、さまざまなニーズにマッチした研究・開発を推し進めていきます。
 なお京都大学は、本件に関連した発表を、ICRS-12&RPSD-2012(第12回放射線遮蔽国際会議、会期:2012年9月2日~7日、会場:奈良市奈良新公会堂)にて行う予定です。


※1 タングステンは、金属のうちで最も融点が高い材料です。古くは電球のフィラメントとして利用されており、最近では放射線遮蔽用途をはじめ、真空蒸着用の加熱素材やドリルなど、幅広い用途で利用されている材料です。
※2 本機能紙の製造は、凸版印刷と多くの事業分野で協業している新巴川製紙株式会社の協力を受けて行います。


* 本プレスリリースに記載している会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以上

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