2012/06/06
世界初、電子ペーパーサイネージのマルチカラー版を開発
〜凸版印刷、超低消費電力の「まちコミ」サイネージソリューションを強化〜
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)とシチズン時計株式会社(本社:東京都西東京市、代表取締役社長:青柳良太)の連結子会社であるシチズンTIC株式会社(本社:東京都小金井市、代表取締役社長:髙橋敏雄、以下 シチズンTIC)は、従来の白黒に加えて赤色とシアン(青緑色)の2色を表示可能としたマルチカラー版の大型電子ペーパーサイネージを開発しました。タイル化した電子ペーパーディスプレイを組み合わせて大型化を実現した電子ペーパーサイネージのマルチカラー化は世界初となります。
なおマルチカラー版大型電子ペーパーサイネージの試作品と、対角72インチで13ワットと超低消費電力の大型電子ペーパーサイネージ「まちコミ」を、6月5日から7日までボストンで開催される、世界有数のディスプレイ関連学会および展示会であるSID(Society for Information Display)のE Ink Holdings社ブース(#317)において展示します。
凸版印刷では、電子書籍端末などに用いられるE Ink方式の電子ペーパーを、タイル化して組み合わせることで大型化した電子ペーパーサイネージを開発、2007年より仙台市地下鉄に実験設置するとともに2008年から広告・情報配信を行う「まちコミ」サービスとして商用化しています。
これまで7.4インチ以下の小型電子ペーパーでは、2色表示の試作品がありましたが、技術的な課題から大型化が困難となっていました。今回、タイル化により大型化可能な狭い縁(狭額縁)での高精細電子ペーパーサイネージにカラーフィルタを適用する開発に成功、シチズンTICと共同で試作品を作成しました。
マルチカラー版では従来の白黒表示に加え、赤色とシアン(青緑色)の2色を、カラーフィルタを用いて表示することにより、より効果的な静止画表示が可能となります。
また、対角72インチ表示で13ワット、と制御部の改良により一層の超低消費電力化を進めた電子ペーパーサイネージは、防災用途にも適しています。具体的には株式会社毎日放送のホワイトスペース特区実験に協力し、阪急茶屋町ビルディング(住所:大阪市北区茶屋町19-19)の屋外に面したショーウィンドウ内で、放送波によるデータ通信によって情報を更新するサイネージとして提供しています。放送波連携用の受信機との合計消費電力は40ワット以下と少ないため、一般的なデータ通信が途絶した停電時においても、蓄電池で72時間以上、放送波を介して最新情報を受信して表示できます。
今後、凸版印刷は、超低消費電力特性を活かせる防災用途の大型電子ペーパーサイネージを、自治体や商業施設向けに提案していきます。
(左)マルチカラー版大型電子ペーパーサイネージ、(右)仙台市地下鉄の「まちコミ」 |
■マルチカラー版電子ペーパーサイネージの概略仕様
・表示部サイズ: 横 359.85mm × 縦 239.85mm
・画素数: 横120 × 縦80画素
・表示色:カラーフィルタによる白、黒、赤、シアン(青緑色)のマルチカラー表示
※青と黄色のマルチカラー表示も原理確認済
・白の反射率:30%、黒の反射率:3%、コントラスト比:10:1
片側0.5mmの狭い縁(狭額縁)仕様のため、タイルのように縦横自由に
組み合わせることで、より大型のサイネージを実現することが可能です。
※本試作品は、シチズンTIC株式会社と共同で開発したものです。
■電子ペーパーサイネージ「まちコミ」の概略仕様
・表示部サイズ: 横1539.4mm×縦964.25mm (対角約72インチ)
・画素数: 横384×縦240 (1画素は約4mm×4mm、横4×縦5タイル)
・表示原理: マイクロカプセル型電気泳動方式 (E Ink電子ペーパー、反射型白黒二値表示)
・消費電力: 表示部最大2W、制御部4W、通信機器7W (合計最大13W、従来21W)
・通信方式: PHSによるIP通信
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