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私たちの、ちょっと長めの哲学

 現在日本の企業は、社会や顧客、市場の激しい変化により、新しく多様な課題に取り組んでいます。

 この、いままで経験をしたことがない課題に取り組むにあたり重要なことは、商品やサービス単体で解決を探るのではなく、企業レベルでの総合的な施策を実施することにあります。このとき最も大切なことは、企業を構成する3つの価値、すなわち企業が本来持っている「企業価値」、顧客や市場サイドのメリット、信頼感、支持などの「顧客価値」、地域や社会、環境とのかかわりを表す「社会価値」が一体となるような企業行動をとることなのです。

 具体的には、顧客や市場に向かってはワントゥワン(One to One)に機軸をおいた「顧客満足の獲得」、社会に向かっては環境問題やコンプライアンスなど企業市民としての「社会的責任」、そしてそれらを実施したうえでの企業自身の価値の最大化「企業のブランドづくりとその向上」が求められています。それらの戦略が相まって新しい時代にふさわしい企業に成長していくのだと考えます。こうした企業活動は一方で「コミュニケーション活動」であると言いかえることができます。

 この「コミュニケーション活動」においては、さまざまなドキュメント・資料が生み出され、消費されます。それはまさに企業活動を行う上での企業の血液といってもよいでしょう。これらのドキュメント・資料類は、文書、写真、現物など多様な形態で、またデジタルやアナログなどの形で社内外のさまざまな部署で生産されます。しかしこれらの企業資料には、経営情報や業務指示など未来に向けての財産となりうるものがあるにもかかわらず、消費された後、放置され、破棄され、消失してしまっています。

 これらの企業史資料を、いかに品質のよいものを作成し、いかに効率よく流通させるかとともに、いかに所期の目的どおりの効果を発揮させ、体系的に保存し、いかに未来に役立てるかを戦略的に考え、実施できる企業こそナレッジカンパニー(知識経営企業)とよぶのにふさわしいといえます。
 それでは、なぜ企業史資料の体系的保存が必要なのでしょうか。企業や団体にとってのコーポレートアーカイブの意義・目的は、次の3つに要約できます。

 ひとつは組織文化、組織アイデンティティの継承です。組織を形作っているのも、動かしているのも人間です。しかし、組織は継続していても、そこで働く人材は入れかわります。その時、創業精神など組織のアイデンティティ・組織文化を共有し、的確に次の世代につたえていくのが、コーポレートアーカイブの大きな目的なのです。
 二つ目の意義・目的は、PR・イメージづくりそして社会的責任です。
自社の長期の企業史資料を公開することによって、社会や業界に感謝の気持ちをつたえ、自社に対する信頼と期待を深めることができます。さらに、「情報の公開」や「企業の社会的責任(CSR)」の観点からも、企業史資料の公開はますます重要になってきています。「企業の歴史は、文明史を構成する重要な一部分である」といいます。これは、企業史資料は企業や団体の私的な財産ではなく、公共財であるということです。
 三つ目の意義・目的は、企業史料・企業情報の経営への活用です。変化の時代に的確な経営方針を打ち出すためにも、自らのコアコンピタンスを明確にするためにも、そして何よりも企業の未来戦略のために歴史を共有するためにも、有形・無形の過去の経験を発展させ、体系化して保存・活用することが必要です。

 これがコーポレートアーカイブの基本的な考え方であり、今後の企業戦略の中で最も大事なものとなります。

 現在そしてまさにそのコーポレートアーカイブ戦略の象徴的な存在であり、核となるものが「年史・社史」です。
 なぜなら、これらのコーポレートアーカイブを総合的に、体系的に、戦略的にまとめていくのが年史・社史編纂のプロセスだからです。言いかえれば、年史・社史とは、結果としては一冊の書籍の形にまとめられますが、その編纂事業全体は、企業史資料の収集・保存・活用を中心とした、企業の経営戦略全体を効果的に立案・実施していくことにあるということができます。

 年史・社史とは、「一般企業や各種団体・学校法人などが、その歴史を刻んでいく中で、創・設立年から起算して、キリのよい大きな節目の年を迎えるにあたり、自己の歴史的な道程や史資料を、自己の責任で編集・刊行した刊行物」のことです。このように「自らの歴史を、自らの責任で」という部分が重要なところです。このようなポジショニングの年史・社史を中心にした企業史資料が経営戦略と結びついたとき、一冊の年史・社史が、一片の企業史資料が未来をひらく大きな力を持つのです。

 つまり年史・社史の編纂を核とした企業史資料の戦略的体系化、収集・保存・活用のスパイラルが効果的に回るとき、企業は大きな資産を手に入れることとなります。

 それは企業の未来といってもよいものです。


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