TOPPAN 凸版印刷株式会社

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「JAGDA TOKYO 学生の日 2006」 (講評会〜閉会)

そしていよいよ、今回のメインプログラム『講評会』がスタートしました。 3時間にわたるロングランで、3グループにわかれてローテーションしながら希望の講師に マンツーマンで講評を受けるというシステムです。スタートの合図とともに、 学生たちはポートフォリオや作品を手に目指す講師のデスクに。 すぐさま、講師と学生の熱いやりとりが会場のあちこちで展開しはじめます。 学校でやった課題やワークショップなどで仕上げた作品をポートフォリオにまとめてくる人、 自分が独自な活動として仕上げた作品を持ってくる人など、持ち寄った作品は人それぞれ。 分厚いファイルで多くの作品を提示する人もいれば、目的にあわせて絞り込んでくる人、 パソコンを使いながらプレゼンテーションする人まで、見せ方もさまざまです。 学生の熱意に講師たちも思わず熱のこもった講評が繰り広げられました。

「コンセプトは羅針盤のようなもの。海に出たら羅針盤がなければ目的地に着かないのと同じように、デザインもコンセプトがないと表現がめちゃくちゃになる」「仲間内の楽しみでやるのならそれはそれでいい。けれど街に貼るということはパブリックコミュニケーションとして考えなければならないんだ。それはゆるぎないものでなければいけない。思いつきではダメ、どんなアイデアで、どういう形にして、どんな大きさでどこに貼るのか、徹底的にチェックしてつくらなければいけない。そこまで考えているかい?」時には厳しい言葉も飛び交います。講評を受ける側も必死なら、それを受け止める講師たちも真剣そのもの。いつの間にか椅子から立ち上がって学生に語りかける講師の姿も見受けられます。一方では、短い時間を目一杯活用して、現場のクリエイターならではの細かな指摘をする講師たちもいます。

「単体で使用するなら、和文書体の欧文より欧文書体の欧文を探してみたらどうか」「スペースを面という空間として捉えれば『間』のとり方が見えてくるはず」それぞれの視点から細かくアドバイスしていきます。また、講評のなかで多くの先生がプレゼンテーションに関する指摘をしていたのも目立ちました。「ポートフォリオは伝えるためのもの。何を伝えたいのか、どう展開していった結果なのか、わかるような見せ方を工夫することも大切」「どんな目的で制作したのか、ポスターなら貼られているシチュエーションを盛り込むなどのアプローチも考えてみるのも手」「伝える方法論を考えることもデザイナーには不可欠な部分」など、具体的な対策も含めての指導も多く見受けられました。「ネタは何でもいい。そのアイデアをどこまでデザインできるか、です」「アイデアをどう発展させていくか。先を考えると面白いものが生まれる」「ビジュアルの選択肢はたくさんある。それをどう定着させるかが勝負」印象的な言葉があちこちで飛び交う熱気にあふれた講評会となりました。

最後は小島良平氏の閉会の挨拶が閉幕を告げます。
「限られた時間でしたが、両方の意見がぶつかり合う有意義な時間だったと思います。講師たちもエネルギーをたくさんもらいました。学生たちもふだんは出会えない人々からの評価をもらえました。これから、新しいデザインを通じて世の中をもっと住みよくしていってください。今日はご苦労様でした。」

閉会後もアドバイスを受けたい学生の姿と、それに真摯に答える講師たちの声が会場にあふれていました。

【学生の感想】
「パッケージのメーカーで、開発から関わるような仕事をしたいと考えています。今日は具体的な指摘もしていただけて嬉しかったです。」(武蔵野美術大学3 年生)
「見せ方を身につけないといけないと痛感しました。情報を整理して言いたいことをちゃんと伝えるようにしたい。来年はぜひ、そういうプレゼンができるようになりたい。」(桑沢デザイン研究所1年生)
「今までいろいろなイベントに参加してきましたが、今日は最高でした。以前にお会いしたことを覚えていてくれた先生もいて感激でした。早く仕事をしたいです。」(拓殖大学3年生)
「待ち時間が長かったのが不満です。思ったより先生たちが甘口だったので戸惑いました。もっと辛口に、叱ってもらいたかったです。」(武蔵野美術大学3年生)

【講師の感想】
「秋田や静岡、新潟など地方からたくさん参加者がいたのがうれしかったですね。今日参加した人たちは大学で先生から聞く意見のほかに、ここでもうひとつ違う意見を聞くことができたと思います。」(秋山孝氏)
「皆さん、総じて上手でした。ただ教えている先生の影響が色濃く出ている人が多く見受けられたのが気になったかな。デザインの最大の問題はデザインが巧いかヘタかではなく人間力です。プレゼンテーション、コーディネーション、ディレクション、プロデュースなどの力も磨いてほしい。」(工藤強勝氏)
「質は良くなっているのですが、もっとエスキースをたくさんつくって抽出していかないと皆同じようなものしか生まれてこない。たとえば文字組みひとつにしても、コンピューターでポンと出てきたものでよいのかどうか。生のものに触れ、検証し、選ぶということを重ねていかなければ、自分も感動を得られないし、人に感動を与えることもできない。自分で工夫していくことが大事です。」(太田徹也氏) 「企業間競争にデザインは不可欠です。しかも日本のように多くの産業があり、それぞれに多くの企業が存在し、競い合うためにはデザインが必要だし、だからこそ日本にはこれほどバラエティに富んだデザイナーがいる。そんな日本にとって新しいクリエイションは常に必要だし、いつも新しいクリエイターが求められています。僕たちは常に自分と違う才能を待ち望んでいます。」(福田繁雄氏)

写真提供:社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)

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