TOPPAN 凸版印刷株式会社

当サイトは、コミュニケーションメディアのひとつである印刷表現の幅を広げ、クリエイティブに役立つ情報を発信するウェブサイトです。凸版印刷のグラフィック・アーツ・センター(GAC)が運営しています。

GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL FILE 3 裄V 和
画像
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FILE 2

FILE 3

SPEC

FIN.

FILE 3

線数の変化で「たゆたう像」をつくる

裄V:
前回は揺らぎの表現を実験していただきました。今度は空気中にたゆたっているようなイメージをどうやってつくるかをポイントにお願いします。遠くから見ればはっきり「花だ」とわかるのに、近づくと拡散して像を結んでくれない、そんなもどかしい感じを印刷で実現したいです。
PD:
線数でいろいろやってみましょうか。線が極端に粗くなればモザイクがかかった映像のようになって像は結ばなくなりますからね。そこに高細線や粗い線を組み合わせていっても面白い効果が得られると思いますよ。
裄V:
近づくほどに何が描かれているのかわからなくなってしまう、そういう感じがいいですね。だから線数はものすごく粗い方がいいかもしれません。
スタッフからのコメント

印刷機で実験する前に、まずはデジコンで網点の大きさを検証することにしました。網点は解像度から換算してそれぞれ相当する大きさを割り出した疑似網点です。1線の網点の大きさは、直径約2.5センチとなります。

スタッフからのコメント

1線相当
◇1線相当

2線相当
◇2線相当

6線相当
◇6線相当

15線相当
◇15線相当

裄V:
わっ!1線ってこんなに網点が大きいんですね。何が何だかわからないけど面白いです。2線になると、ぐんと小さくなるんですね。
PD:
2分の1ということは面積は4分の1になるわけですから、かなり小さくなりますね。
裄V:
今回、花の色が5種類あるんです。濃い色の花はかなり網点が大きくても像を結んでくれそうですが、白い花だとある程度細かくしないと厳しそうですね。色の淡いものは粗くしない方が、濁らずきれいなものができそうな気がします。逆に色の強いものは少し遊びの要素を入れてみたいです。
裄V 和
PD:
花ごとに網点の大きさや組み合わせを変えたらどうですか?トーンの変化と組み合わせると、いろいろ違った見え方をしてくると思いますよ。さらにインキ濃度を変えればまた違う表情も出てくるでしょうし。
裄V:
ぜひ見てみたいです! あともうひとつ、印刷した部分が想像以上に強調されてしまうように感じるんです。インキと用紙の質感が違うせいかもしれませんが…。
PD:
用紙が平滑なだけに、インキの光沢感がフィルムの光沢感に負けてしまって普段よりもマット感が強調されてしまうのでしょうね。いい方法がないか考えてみます。とにかく、実際にどうなるか、刷ってみましょうか。
裄V:
はい、お願いします!

印刷技術の織り重ねを検証

PD:
線数、トーン、インキ濃度を掛け合わせて原寸で刷りました。トーン(製版濃度)は、3回刷り重ねたときに120%になるように調整しています。さらにインキの不自然なマット感を消すために、裏面に刷って透明な用紙越しに印刷面を見るように刷り順を設計し直しました。
裄V:
すごい!面白いですね。特に白い花はとってもきれいでイメージ通りです。最終的には花の色が濃くなるに従って線数を落としていこうと思うのですが。
PD:
徐々に粗くなっていくようにするわけですね。なるほど。
裄V:
それとオペークホワイトは鑑賞者から見て手前に持ってきたいです。用紙の「アリンダ」とホワイト版を透かしてその向こう側に花を見るようにしたいんですけど。
PD:
では、オペークホワイトは1度刷りにしましょうか。でも、うっすらしすぎない?
裄V:
そのもどかしさが狙いなんです。ふわっとさせたいので。
PD:
わかりました。では色の濁りを取るために、粗線のスミ版は極力外してみましょう。白やピンクはもっときれいになると思いますよ。
裄V:
はい!お願いします。仕上がりが楽しみです。やっとゴールが見えてきたという感じがしてきました。

オペークホワイトなし
◇オペークホワイトなし

絵柄の下にオペークホワイト
◇絵柄の下にオペークホワイト

絵柄の上にオペークホワイト
◇絵柄の上にオペークホワイト

次回予告

とうとう5枚の設計が確定。これから完成に向けて一気に走ります。どんなポスターが出来上がるのか楽しみです!

プロフィール
裄V 和 YANAGISAWA KAZU

裄V 和
YANAGISAWA KAZU

アートディレクター

1980年埼玉県生まれ。武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業、同大学大学院造形研究科デザイン専攻修了。2008年凸版印刷株式会社入社。トッパンアイデアセンタークリエイティブ本部に在籍。入社以来、企業の販売促進に関わるカタログのクリエイティブディレクションを主体に、DM、情報誌、店舗ツールなどビジュアルコミュニケーション領域のディレクションを一貫して手がける。

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