TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL FILE 3 中野豪雄
画像
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FILE 3

SPEC

FIN.

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黒はより深く、色はより鮮やかに。ディテールを詰める

中野:
このトライアルの目標の一つは、背景のグラデーションの折れ目をパキッと出すことです。時間軸が1枚ごとに伸びていると直感的にわからせるために必要なんです。
PD:
実は僕からも一つアイデアがあるんです。使用した銀以外の特色をベタで下地に敷いてみようかと考えているのですが。どうでしょうか?
中野:
ということはスミ版を含めて1200%ですか?確かにそれは面白いかも!!すごいなあ。まさにグラフィックトライアルならではですね。
PD:
そうすれば間違いなく厚みのある黒色にはなります。その場合、白く抜いていた目盛などがしっかり出せるか等、諸々問題はあるのですが。目盛は別版にしてもいいかもしれません。
中野:
確かに、座標用の版をつくるのはありかもしれませんね。
PD:
背景の黒に対して、グラデーション部分はパールメジウムや銀インキで表現できるか試してみましょうか。円に絡む文字の視認性も調整したいと思います。
中野:
そうそう、実は一つ相談が…。先日の実験結果を見て、微塗工紙にもチャレンジしてみたいと思っているんです。最初は円の発色とか重なりの処理とかクリアしなければ … と課題がたくさんあったので、そちらを優先させたいと思っていたんです。ところがそちらが想像以上にうまくクリアできたので、せっかく紙でやるのだから物質感も追求したいと思うようになって。
PD:
紙の風合いや質感を出したいと言うことですよね。
中野:
そうです。重ね刷りをしていくだけ物質感や存在感が増していくというのは印刷物の特性だと思うので、そういう追求もできたらと。
PD:
わかりました。紙によってだいぶ印象も変わると思いますし、挑戦してみましょう!

刷り上がり

中野:
3Dプリンターみたいな厚みですね!すごい!黒い背景には全色が重なっているというわけですね。
PD:
文字や線は銀を薄めて濃度を調整してみました。もっと濃くした方が良ければインキ濃度を上げます。ただし、これだけ版を重ねると見当を合わせるのも限界ですので、細かな文字はノセにした方がいいですね。
中野:
確かに。逆に、これだけ合わせてもらったことにビックリしているくらいです。
スタッフからのコメント

この段階では目盛やグラデーションは銀インキで重ねていましたが、後日、白インキやニスによるテストを実施しました。

スタッフからのコメント
銀のグラデーション
◇銀のグラデーション
白のグラデーション
◇白のグラデーション
中野:
ニスは全然見えなくなっちゃいましたね。白インキも意外と読みにくいなあ。でも、白インキの場合はどうして水色っぽく見えるんでしょう?
PD:
背景の最上部の版(白インキの直前に刷った色)がブルーですので、その影響を少なからず受けているのかもしれません。ニスのテストは、背景に11版重ねたことによるグロス感がすごすぎて効いてこないのだと思います。少なくとも、文字は光の加減で可読性が上がる銀インキの方が良さそうですね。
中野:
そうですね。グラデーションも文字も銀インキの方が効果的ですね。では、アルファベットの大きな文字とポイントになる日時だけをヌキにして、あとは全て銀インキでノセていきましょう。
PD:
そうすれば、場所を絞って見当の精度をあげられるので、もっとピタッと合わせることができると思います。
中野:
なるほど。ヌキ要素を絞れば、刷る際にコントロールしやすいわけですね。
PD:
なんといっても10版以上の抜き合わせですからね。これだけ刷り重ねれば用紙もわずかですが伸縮してしまいますので、相当腕のいい技術者でも合わせるのはかなり大変なんですよ。
中野:
ところで、色の部分にニスが載ると微妙に色の濃度が上がっているように見えますが…。
PD:
濡らしているのと同じことですから、確かに色は濃く見えますね。
中野:
なるほど。……いいことを思いつきました。色玉の微妙なコントラストをニスを使ってプラスしてみたいのですが、どうでしょう。
PD:
言わばニスの調子版ですね。
中野:
そうです。いやあ、どんどん面白くなってきました!
次回予告

版の設計もようやく決まり、いよいよ5枚を印刷します。細かな調整や実験が校了直前まで続く、スリリングな展開になってきました。仕上がりは乞うご期待!

プロフィール
中野豪雄 NAKANO TAKEO

中野豪雄
NAKANO TAKEO

グラフィックデザイナー

1977年東京都生まれ。武蔵野美術大学卒業。勝井デザイン事務所を経て、2005年中野デザイン事務所設立。情報の構造化と文脈の可視化を主題に、様々な領域でグラフィックデザインの可能性を探る。日本タイポグラフィ年鑑グランプリ、同ベストワーク、造本装幀コンクール経済産業大臣賞等受賞。世界ポスタートリエンナーレトヤマ、ラハティ国際ポスタービエンナーレ等入選。国際タイポグラフィ・ビエンナーレ「タイポジャンチ・ソウル2011」に招待作家として出展。書芸博物館(韓国)パーマネントコレクション。武蔵野美術大学、多摩美術大学講師。

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