TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL FILE 2 高橋正実
画像
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SPEC

FIN.

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色で光を織る

高橋:
光を織る方法ですが、まずひとつには布の織り方をベースにしてみたいと考えています。色を織るように印刷すれば、光を織ったような表現にならないかと思って。
PD:
織物は角度で見え方が変わったり、光の具合で違う色に見えたりと立体的な要素も関わってきますね。
高橋:
そう、それを印刷で表現できたら光を織ったように見えないでしょうか。
PD:
なるほど。糸の太さや色、質感を印刷の網点やインキ、版の構成、紙の質感などに置き換えてみるのも面白いかもしれませんね。素材をつくるというイメージですね。
高橋:
そうですね、これを素材に何かつくってみたいと思えるようなものができたらステキですね。「この生地でドレスをつくってみたいな」と思うように、「この印刷で作品をつくりたい」と思っていただけるようなポスターがいいですね。
PD:
蛍光系や淡い色など光を連想する色をベースに、用紙やパールインキなどを組み合わせながらやってみます。また、光学的なアプローチから光のかたちを探してみるつもりです。今は基本の考え方を探るという段階ですので、その手掛かりになるヒントを少しでも提示できればと考えています。
高橋:
嬉しいです!それにしても、ポスターをつくる前段階に印刷でその試作を見られるなんて、すごく贅沢ですよね。楽しみにしています。

刷り上がり

用紙:エアラス(スーパーホワイト)
PD:
布の織り方をベースに、上下関係が見えるようにしようと実験してみました。蛍光インキは若干不透明なので、その特性を織物の構造に活かせないかと思い、縦糸・横糸の上下関係を守りながら版をつくって重ねてみたものです。
PD:
考え方としては手応えがあったのですが、思ったより蛍光インキが透けてしまって、糸の重なりが思っていたほど表現しきれなかったのが悔やまれますが…。
こうしてみるとやはり蛍光イエローが最も発光感があるように思いますね。
高橋:
そうですね、黄色がいちばん光のイメージには近いように思います。あとはピンクとかオレンジのような淡い色が中心になっていくと良いかもしれないですね。
スタッフからのコメント

蛍光色は、スペクトルを跳ね返すことで独特の発色をつくります。そのため、彩度や明度、色層とはまた別種のエネルギー的要素と考えるべきものとされています。目が痛いように感じるのもその作用のひとつとのこと。

スタッフからのコメント
PD:
改良版をつくってみました。上下関係が強調されるように、半透明の紙の表裏に刷っています。
用紙:NTパイル(パールホワイト)
スタッフからのコメント

今回使用した用紙はNTパイル。私たちも裏刷りは初めてのチャレンジでしたが、ぐんと厚めのものを用いればかなり立体感が出せそうで、思った以上に効果的に使えそうです。

スタッフからのコメント
PD:
表で3版、裏で1版刷っています。織地を分解するように、黄色の縦糸・緑の横糸のそれぞれ糸の上にのる部分と下に来る部分で版を分け、一番下に来る緑だけ裏から刷りました。
高橋:
すごい!織れてきましたね!アクリルの板に色をつけたものを重ねると立体感が出るのと同じですね。でもまさか印刷を裏から刷るなんて考えてもみませんでした。この用紙もはじめてです。面白い発想ですね。
PD:
インキが透けすぎないように白を混ぜ、いちばん下の緑が強く出過ぎないようにメジウムで薄めています。
高橋:
表面だけで刷ったものよりずっと立体感がありますね。この織られている立体感をもっと押し出したいです。オフセットで立体的な印刷ができているというのを示せたらいいのですが。
PD:
紙を厚くしてみましょうか。刷り方やインキの濃度ももう一工夫して、単なるチェック模様にならないように頑張ってみます。
そして、もうひとつが光のかたちにフォーカスして刷ってみた実験になります。光も「発する」「織る」「交わる」などアプローチを変えれば表現の幅も広がるのではないかと思い、きれいそうなものを並べてみました。
用紙:サテン金藤
高橋:
わぁ!とても楽しいですね。
PD:
そう言っていただけると嬉しいです。インキは色の三原色であるCMYを蛍光インキに置き換えたものをベースに、輝く効果を狙ってパールメジウムで薄めたりしてみました。
高橋:
パールがかかるとひとつ膜がかかって、もう一層あるように見えますね。
PD:
構造的にはパールを重ねると金属片の粒子が積まれることになりますので、微妙に曇るのが難点ですが、反射感や粒子感が強まるという面白さはありますね。
高橋:
あらゆる色が重なって…まさに光の世界ですね。ありがとうございます、光と色の関係を見てわかるようなかたちで示していただき、とても参考になりました。
次回予告

次は、光のグラデーションをより突き詰めてみます!

プロフィール
高橋正実 TAKAHASHI MASAMI

高橋正実
TAKAHASHI MASAMI

クリエイティブディレクター
アートディレクター
デザイナー

1974年東京都墨田区生まれ。桑沢デザイン研究所研究科卒業。1997年MASAMI DESIGN設立。「デザインは社会の問題解決の一つでもある」という概念を持ち、その考えを社会へと広げる事で国内外が元気になる事を十代の頃より目指しスタートとした事から仕事は多岐にわたり、グラフィック、パッケージ、プロダクト、インテリア、建築空間、商品や企業のブランディングから国や地域、産業、企業等のグランドデザイン、素材・技術開発等幅広く手掛ける。また、コンセプトから具体的な物事までをトータルに関わることを得意とする。日本のものづくりを応援したブランド『MICACO』、著書に『工場へ行こう!!』がある。NYADC、D&AD、Red Dot Awardなど受賞多数。

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