TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL FILE 2 永井一正
画像
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SPEC

FIN.

FILE 2

輝きを帯びたグラデーションをつくる

永井:
ご覧のとおり、この作品はとてもシンプルなものです。すべてに共通しているのは、外側に向かって少しずつ光を帯びながら色が消えていくところでしょうか。動物はみな円形に沿っていますが、円が実際に見えるわけではありません。でも眺めていると地球のような丸いかたちが浮き上がってくるようになったらと思います。
PD:
色が紙地へ消えていくようなグラデーションですね。
永井:
そのとき、光に包まれているように見えるとさらにいいですね。生命が徐々にかたちを成しながら生まれていくというイメージは、どこか輝きに満ちているものですから。境目がわからないように自然に紙色の白になじんでいくのは相当難しいと思いますが、よろしくお願いします。
PD:
そうですね。光と色のグラデーションをどうやってつくるかが最大のポイントになりますね。色面のシンプルな構成になるだけに、なめらかさを出すことはとても難しそうです。ボケ足の長さや濃度、版の掛け合わせ方などいろいろな方法を試して、一番いいところを見つけていきたいと思います。
スタッフからのコメント

本テスト前に、グラデーションのつくり方を検証するチャートを作成。ボケ足の長さが異なる2版を基本に、様々なグラデーションの掛け合わせを検証しました。シンプルにデータでグラデーションをつくると、ボケ足の中で一部インキが溜まったように見えてしまう「トーンジャンプ」が発生することが多いため、どうやったらなめらかなグラデーションになるのか、IllustratorとPhotoshopの機能を駆使して実験。その結果を踏まえて、まずは「いぬ」の作品を仕上げていきました。

スタッフからのコメント

●グラデーションのチャート

グラデーションのチャート
① Illustratorでつくった1〜100%のグラデーションの同版2回刷り
② ①の内1版のボケ足を長くしたもの
③ ①のトーンジャンプでインキ溜まりのように見える部分を調整したもの
④ Photoshopでつくったグラデーション2版にぼかしとノイズをそれぞれ加えたもの
⑤ ④のぼかし版と、それを80%に減調製版したものの2版構成
⑥ ぼかしとノイズを加えた版と、それを80%に減調製版したものの2版構成
ディテール(一部)
Illustratorで1〜100%の直線状に設計した版の重ね刷り。インキ溜まりのようなトーンジャンプが発生。
上図のトーンジャンプした部分をデータ上で調整。物理的に補正するのはなかなか難しい。
Photoshopで緩やかなカーブ状の階調のダブルトーンを設計。まだ若干のインキ溜り状の段差がある。
Photoshopのダブルトーンのデータにノイズをかけた。なめらかさに砂目の表情が加わり、これに決定。

刷り上がり

PD:
まずは作品の一枚で、グラデーション表現を探ることにしました。外に向かって消えていく色に対して、外から内に向けてパールメジウムのグラデーションを重ね合わせ、「光りながら現れてくるかたち」の表現を試みたものです。さらに、蛍光インキをプラスして「輝き」感を強調したものも刷ってみました。
永井:
ふわりと変化していくきれいなグラデーションができましたね。こうして比べてみると、パールだけのほうが素直でいいようにも思いますが、蛍光を入れるというのも面白いアイデアですね。
PD:
5枚それぞれ色調も動物も違いますから、蛍光インキなどを上手に使ってオレンジならオレンジ系、ブルーならブルー系で光り方を変えていけば、それぞれの個性を引きたてることもできると思います。
永井:
なるほど、それはいいかもしれません。今回はPDの尾河さんと共作するという意識で取り組んでいますから、印刷面でいろいろトライしていただけるのはとても嬉しいです。実は今日、刷り上がりを見るまでは期待半分、心配半分でいましたが、イメージ通りのものが出てきてすっかり安心しました。これなら順調に進みそうですね。
PD:
ありがとうございます。では、グラデーションはこれを基本にパールの光沢感などをさらに強調できるよう工夫していきます。次回は全作品を出校して、並べてご覧いただけるようにと考えています。
永井:
それは嬉しいですね。楽しみにしています。
スタッフからのコメント

今回出校した「いぬ」のボディはグレーのため、光沢表現では蛍光インキを使用せずにパールメジウムだけで仕上げることに。他の4匹の動物では、ボディの色に合わせた蛍光インキなどを加えてみることになりました。用紙はグラデーションが映えるようにと、白系で落ち着いた質感があるヴァンヌーボスムースに決まりました。

スタッフからのコメント
次回予告

原寸で5点すべてを出校していきます!

プロフィール
画像:永井一正

永井一正
NAGAI KAZUMASA

グラフィックデザイナー

1929年大阪生まれ。1951年東京藝術大学彫刻科中退。1960年日本デザインセンター創立とともに参加。代表取締役社長を経て現在最高顧問。札幌冬期オリンピック、沖縄海洋博、茨城県、新潟県、アサヒビール、スルガ銀行、JA(農協)、つくばエクスプレス、三菱UFJフィナンシャル・グループ等、多くのCIやマークを手掛ける。日宣美会員賞、亀倉雄策賞、勝見勝賞、毎日デザイン賞、東京ADC会員最高賞、芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞、東京ADCグランプリ等受賞。ワルシャワ、ブルノ、モスクワ、ザグレブ、ウクライナ、ホンコンの各国際ポスター展でグランプリ受賞。紫綬褒章、勲四等旭日小綬章受章。JAGDA特別顧問。東京ADC会員。AGI会員。

FILE 1

FILE 2

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