TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 4.トライアル2-成田久
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トライアル2
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5種類の紙で同じ色を表現する

「5枚のポスターにたくさんパンチの効いた色があったら、きっとすごくオシャレですよね!インキの色だと思ったら紙色だったり、紙色だと思ったらインキだったり…一瞬『あれ?』って迷っちゃうような、とにかくハデな紙色とハデなインキを生かしたポスターにしたい。どれが本物かわからないところまで背景をつくりこんでみます!」
事前テスト

蛍光色の紙にカラフルな背景と顔が並ぶという基本イメージが決定。ここまで鮮やかな紙での表現は初めてのため、まずは仮に緑の紙で試すことになった。白い紙に印刷する時と同様の設計では紙色に影響されて全体的に緑になってしまうため、紙の緑を形成するシアンとイエローを減らした設計で表現してみた。逆に、肌色の再現にこだわらず、個性的な紙色を前面に押し出したものや、オペークホワイトで紙色を隠蔽した上の肌色の再現にも挑戦した。

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用紙:イルミIJ(グリーン)
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想像以上に全体が緑っぽくなってしまった。どの色も緑に負けてしまい、特に補色である赤系は濁った色にしかならない。オペ―クホワイトの2回刷りでも隠蔽するのは難しい。
原稿
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背景用のチャート
用紙/インキ

用紙は色の基準となる白と、彩度の高い蛍光色の紙を選択。
インキは通常のプロセス4色のほか、蛍光インキ各色と特色各色、下地用のオペ―クホワイト。

用紙

オーロラコート/イルミカラー(桃)/イルミIJ(イエロー/オレンジ/グリーン)

インキ

プロセス4色/蛍光各色/特色各色/オペークホワイト

製版/校正刷り

白い紙での発色を基準に、それぞれの紙色を含む11色の背景色をイメージし、どの紙でも同じ色を発色できるように用紙ごとに色の掛け合わせを設計してチャート化した。紙色とかけ離れた色の場合はオペ―クホワイトを下引きしているが、紙色を利用できる場合は極力生かして設計している。また、プロセスインキを蛍光インキに置き換えたものも作成した。線数は175線。

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版の構成

オペークホワイト(2回刷り)→オペークホワイト(2回刷り)→オペークホワイト(2回刷り)→スミ→シアン→シアン→シアン→マゼンタ→イエロー→特色赤→特色ピンク→特色オレンジ→特色イエロー→特色黄緑

刷り上がり

●白

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用紙:ヴァンヌーボスムース-FS

●イエロー

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用紙:イルミIJ(イエロー)
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マゼンタとイエローの掛け合わせよりもマゼンタと特色ピンクの掛け合わせの方が鮮やかな赤になった。
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緑は鮮やかに表現できたが、補色である紫は、オペークホワイトの下地なしではどうしても表現できなかった。

●ピンク

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用紙:イルミカラー(桃)
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イエローの紙同様、ピンク同士の掛け合わせが、鮮やかで濃度のある赤になった。
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黒はオぺークホワイトで紙色を隠蔽すると、逆にインキをはじいてムラが出てしまった。

●オレンジ

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用紙:イルミIJ(オレンジ)
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特色ピンクを刷り重ねることにより、鮮やかな赤が表現できた。
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緑、シアン、紫、イエローなど赤系の色以外は、紙色が強烈過ぎて表現が難しい。

●グリーン

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用紙:イルミIJ(グリーン)
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紙色との相乗効果で、非常に発色のいい緑になった。画像はプロセスインキ。蛍光インキでの掛けあわせでは逆に鮮やかさが出ず浅い印象になった。
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補色関係にある赤・ピンク・オレンジ系は紙色の影響から逃れられず、オペ―クホワイトで完全に隠蔽しない限り表現することはできなかった。
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トライアルを終えて
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成田氏のコメント
「色紙に刷った白が真っ白にはならないことだけが残念ですが、予想以上に色が出た色もたくさんあるので、それをうまく組み合わせればうまくいくかもしれません。最終的にはポスター5枚すべて色の違う紙を使っているのに、全部同じ紙に刷っているみたいにつながって見えて、でもそれぞれの紙のハデな色もそのままいかしたりして、見た人がどんな紙、どんなインキを使っているのかわからないくらいにしたいですね♥ それにしても、このチャート、刷ってみるとすごくかわいいものになりましたね! きれいな色もたくさんあるし、このままカレンダーやCDジャケットにしてもいいくらい!」

担当PDのコメント
オレンジの紙にピンクのインキで刷ると思いがけない鮮やかな赤が出たり、オレンジの発色では黄色の紙にピンクのインキが効果的だとわかったりと収穫もたくさんあった。ただ、緑の紙に赤を表現するなど、補色関係にある紙での色表現はやはり難しい。その場合は白を下引きするしかなさそうだ。最終ポスターではこのチャートを元に、レギュラーインキと蛍光インキの特性や用紙の色を活用しながら背景を組み立てていきたいと思う。

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入稿に向けて
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「ポスターになったらどうなるのか…僕もちょっとドキドキしてきました。色の細かい設計はPDの尾河さんに委ねて、とにかく刷り上がりが楽しみです!」

プロフィール
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成田久 NARITA HISASHI
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成田久
NARITA HISASHI

アーティスト★アートディレクター
1970年生まれ。資生堂宣伝制作部に所属。資生堂の様々なブランドのアートディレクションを経て、現在はunoSHISEIDO THE GINZAを担当中。フリーペーパー「ギンザドキドキ」の編集長やNHK大河ドラマ「八重の桜」のポスタービジュアル、「ただいま、東北♥」キャンペーン企画も。雑誌「装苑」にて「舞台PLAY」を連載中。展覧会も多数開催。2013年6月9日。御徒町に僕の作品が見られる!着られる!買える!そして、仕事のオーダーもできる!販売所★兼★仕事場「キュキュキュカンパニー」を開店しました。
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