TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 4.トライアル2.5-佐藤晃一
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トライアル2.5
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濁りのない画像をつくる

「色の濁りを取ります。ぼかし効果は色面が混ざりすぎないように、シャープ画像は絵柄が認識できる程度に強すぎず弱すぎず…。パステルのようにあいまいな感じを狙いたいですね。澄んだ美しい色面で、ふわりと少女が浮き上がってくるように、シャープ画像、ぼかし画像ともに細かく調整をかけながら、ディテールを詰めていきます。」
原稿
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「あやとり」©きいち/小学館(印刷物)
用紙/インキ

用紙はトライアル2で発色の良かったラフグロス紙1種を使用。
インキは、蛍光インキをベースに適宜オペ―クホワイトで希釈した。

用紙

ヴァンヌーボVG(スノーホワイト)

インキ

特色シアン※1/蛍光マゼンタ/蛍光イエロー/特色スミ/マットスミ※2
希釈剤:オペ―クホワイト

※1 特色シアン:蛍光マゼンタ、蛍光イエローとのバランスを見て調色した彩度の高いシアン。
蛍光マゼンタと明度をそろえている。
※2 マットスミ:マットスミにマットニスを混ぜた。

製版/校正刷り

ぼかし画像とシャープ画像をデータ上で合版し、CMYの3版とスミ2版で印刷。
スクリーンはAMスクリーン175線から、細やかな色を拾うフェアドット製版に変更した。
また、濁りの原因となりそうなY版の影響を押さえ、透明度の高い特色シアンが最後になるよう刷り順を変更している。

【ぼかし画像】 トライアル2と同様、アウトラインや髪など黒の要素を外し、ガウスは前回の120%から50%に弱めた。
【シャープ画像】 ぼかし画像と同様にアウトラインや髪など黒の要素を外した画像を使用。アウトラインがなくなると画像がわかり難くなるので濃度を前回の7%から15%に上げた。
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版の構成

蛍光マゼンタ(オペークホワイト混入)→蛍光イエロー(オペークホワイト混入)→特色シアン(オペークホワイト混入) →特色スミ→マットニス

刷り上がり
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希釈しない蛍光インキで印刷

濁りがなくなり、エアブラシで描いたようなイメージになった。ぼかし効果を弱めた分、絵柄が浮き上がって見えるようになった。色が鮮やかなだけにボリューム感のある表現になった。
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25%希釈した蛍光インキで印刷

刷り順による濁りが解消し、色バランスが改善された。淡い色調だが、意外なほど絵柄はふわりと浮き出て見える。細かな柄は認識しにくいが、はっきりとした大きな柄はよくわかる。

50%希釈した蛍光インキで印刷

インキが淡ければ淡いほど、濁りがなくなった効果がはっきりとわかる。希釈の度合いが変わっても絵柄はほぼ同じように認識できる。シャープ画像がシメ版的効果を発揮しているようだ。

●前回との比較

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ぼかし度:ガウス120%
インキ:希釈していない
ぼかし度:ガウス50%
インキ:希釈していない
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トライアルを終えて
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佐藤氏のコメント
「イメージ通りのきれいな色になってきました。これはうまくいきそうな予感がします。アウトラインを外した部分の処理など、細かなところや切り抜きの細かな調子などは調整しなければなりませんが、だんだんとゴールに近づいてきた気がします。あとは絵柄が変わった時にどうなるかですね。」

担当PDのコメント
今回は色の濁りを抑えるために刷り順を変更、Y版がいちばん下になるように設計してみた。オペ―クホワイトで希釈するとインキは不透明になるため、どうしても上のインキが強く出てしまうので、濁りと感じやすい黄色を押さえることが目的だった。これはかなりうまくいったと思う。フェアドット製版に変えたのも効果があったようだ。

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次に向けて
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「次回は、ポスターに使う5点の全部の絵柄でテストをしたいと思います。一番“薄い”印刷にする予定の“およめさん”から一番濃い印刷にする予定の“あやとり”まで、均等に濃度が変化していくように、インキの濃度やぼかし具合、シャープ版の濃度を決めていければと思います。」

プロフィール
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佐藤晃一 SATO KOICHI
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佐藤晃一
SATO KOICHI

グラフィックデザイナー
1944年群馬県高崎市生まれ。東京芸術大学美術学部工芸科ビジュアルデザイン専攻卒業。資生堂宣伝部を経て、1971年に独立。’85年東京ADC最高賞、’90年毎日デザイン賞、’97年芸術選奨文部大臣新人賞受賞。ニューヨーク近代美術館(MoMA)ポスターコンペ一席をはじめ多数の国際ポスターコンペで受賞。作品は国内外の多数の美術館に所蔵されている。現在、JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)、AGI(国際グラフィック連盟)、日本デザインコミッティー、東京ADC(アートディレクターズクラブ)、東京TDC(タイプディレクターズクラブ)各会員。多摩美術大学教授。「超東洋的」と評される独自な表現で知られるが、近年はそれにとらわれない自由な表現を展開している。
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