TOPPAN 凸版印刷株式会社

当サイトは、コミュニケーションメディアのひとつである印刷表現の幅を広げ、クリエイティブに役立つ情報を発信するウェブサイトです。凸版印刷のグラフィック・アーツ・センター(GAC)が運営しています。

GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 3.トライアル2-勝井三雄とAR三兄弟
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トライアル2
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「色彩のグラデーション」をつくる

「私が理想とするグラデーションは、朝焼けや夕焼けの空です。空が見せるグラデーションとは、太陽光や大気の層、空気中の塵など、さまざまな要素がランダムに関わり合っています。トライアル2では、そんななめらかで美しいグラデーションを求めて、様々な手法でグラデーションの実験をしてみました。また、私はグラデーションを使った作品をつくるときはいつも、データでつくったものだけで構成するのでなく空を撮影したフィルムの一部分を取り込んでいるので、今回も飛行機の窓から撮影した空を素材にしました」
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色調の分岐位置を確かめる
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原稿
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チャート用のデータ
用紙/インキ

用紙は再現性の高いものを、インキにはあたたかみのある特色3色を採用した。

用紙

ヴァンヌーボV(ホワイト)

インキ

特色ブルー/特色ピンク/特色オレンジ

製版/校正刷り

線数は175線。
3色をそれぞれ1度刷り、2度刷りで試した。

刷り上がり
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左3列は1度刷り、右3列は2度刷り。2度刷りしたものは多少トーンジャンプが抑えられたが、何より色相の差によって色がなじみにくいことが分かった。
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自然界のテクスチャーを取り入れる
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原稿
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勝井氏が撮影した写真
用紙/インキ

用紙は再現性の高いものを、インキにはプロセス4色のほかに、グラデーションをなめらかにする特色を2色採用した。

用紙

ヴァンヌーボV(ホワイト)

インキ

【A】プロセス4色/特色グリーン/特色ベージュ
【B】プロセス4色/特色オレンジ/特色ピンク

製版/校正刷り

線数は175線。

刷り上がり

【A】

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規則的な網点では再現しきれない、グラデーションの「量感」を再現した。

【B】

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こちらは【A】をネガ反転させたものから作成した。
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グラデーションにおけるスクリーンの検証
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原稿

パプリカと同様、卵を割ったものを撮影した。

用紙/インキ

用紙は再現性の高いものを、インキにはグラデーションを補色する特色2色のほか、卵の卵黄を表す特色蛍光オレンジも使用した。

用紙

ヴァンヌーボV(ホワイト)

インキ

プロセス4色/特色パープル/特色ピンク/特色蛍光オレンジ

製版/校正刷り

線数は175線とフェアドットを比較した。

刷り上がり
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【ディテール】

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上が175線、下がフェアドット。175線で刷ったグラデーション部分は階調が豊かに再現された。フェアドットのものは微細な色ムラが生じたものの、卵部分については中間色の再現性が高かった

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トライアルを終えて
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勝井氏のコメント
「今まで数多くのグラデーションを使った作品をつくってきましたが、改めてグラデーションのおもしろさに触れた気がします。空の写真を取り入れたのは正解でしたね。やはりデータだけでつくり出されたグラデーションは、機械的な印象があります。しかし、光がつくるグラデーションには、数値だけで生み出せない色相や明度の移り変わりがあるのです。私が空を撮影したフィルムをグラデーションの素材にすることには、自然界のテクスチャーを加えることのほかに、規則的なデータのリズムを崩すという目的もあります。あえて崩すことで、人々の目になじむ、あたたかみのあるものになるのだと思います」

担当PDのコメント
色調の分岐位置の検証では、ボケ足の長さを変えることでいかにグラデーションが変化するかを見た。使用するインキの色は同じであっても、ボケ足の長さを変えるだけでグラデーションのさまざまな表情が引き出せる。また、線数については、このトライアルの結果から、最終作品ではグラデーション部分は175線、卵部分はフェアドットとした。

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次に向けて
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「AR三兄弟と共同して、五感で感じられる作品をつくります。AR三兄弟からどんなアイデアが出るのか、そしてポスターがいかに『拡張』されるのか、今から楽しみですね」

プロフィール
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勝井三雄 KATSUI MITSUO
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勝井三雄
KATSUI MITSUO

グラフィックデザイナー
1931年生まれ。味の素株式会社を経て1961年勝井デザイン事務所設立。ビジュアルデザイン、主にデジタル情報をグラフィックデザインに成立させる領域に関わる。大阪万博以来沖縄海洋博、つくば科学万博等、数々の万博ADを手掛ける。毎日デザイン賞、講談社出版文化賞、芸術選奨文部大臣賞、NY ADCグランプリなど多数受賞。JAGDA会長、東京ADC会員、AGI会員、NY ADC会員、武蔵野美術大学名誉教授。

AR三兄弟 AR3Bros.
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AR三兄弟
AR3Bros.

未来開発ユニット
プログラム・玩具・物語・テレビ・映画・ラジオ・音楽・雑誌・自然現象など、ユニークな題材を昭和テイストでマッシュアップすることで、メディアの可能性を拡張し続けている未来開発ユニット。活動は多方面で反響を呼び、やまだかつてないクリエイター像をうっかり築いている。その概念や活動の一端をまとめた書籍「AR三兄弟の企画書」が、日経BPより絶賛発売中である。
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