TOPPAN 凸版印刷株式会社

当サイトは、コミュニケーションメディアのひとつである印刷表現の幅を広げ、クリエイティブに役立つ情報を発信するウェブサイトです。凸版印刷のグラフィック・アーツ・センター(GAC)が運営しています。

GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 3.トライアル2-山本剛久
トライアル2
色の掛け合わせを検証する
「木版画も色を刷り重ねてつくるもの、オフセット印刷も色を重ねるという意味では木版画と同じです。インキの濃度と掛け合わせを試して、モチーフごとにインキの濃度と使用色を決めていこうと思います。印刷の五大要素(原稿、版、印圧、インキ、紙)を動物に置き換えたモチーフを、それぞれの動物の質感を連動させた色で表現します。『起源』となる原稿はシーラカンス、版は堅いプレートからカメ、印圧はぐるぐる回る輪転機を連想させる丸いクラゲ、インキはカラフルなクジャク、紙はヤギです。これらのモチーフに合わせたインキと用紙を用いてチャートをつくります」
原稿
木版で摺った原稿をベースに制作した、インキの掛け合わせと濃度のオリジナルチャート。縦軸と横軸は異なる画像部分を使用
用紙/インキ
それぞれのイメージや質感に合いそうな候補を個々に選択したほか、比較検証用に和紙のようなテイストのある白い用紙も用意した。インキはクジャク以外は個別に特色2色を指定。クジャクのみ発色の良さを重視して広演色インキ「kaleido」のプロセス3色(スミを除く)を使用。それぞれ濃度100%と10%(メジウムにより希釈)に調合。
※kaleido・・・従来のプロセス4色印刷では再現しきれなかったRGB画像の広い色領域を、6色、7色印刷に近いレベルで再現可能とした4色プロセスインキ
用紙
シーラカンス:新鳥の子(白)
カメ:きらびき(白S-100)/新鳥の子(白)
クラゲ:トーメイ新局紙(白)/新鳥の子(白)
クジャク:シャインフェイス(シルバー)/新鳥の子(白)
ヤギ:テーラー(白)/新鳥の子(白)
インキ
シーラカンス:スミ/銀
カメ:銀/特色緑
クラゲ:オペークホワイト/特色青
クジャク:金/レギュラースミ/プロセス3色(kaleido)
ヤギ:オペークホワイト/特色茶
※インキはそれぞれメジウムで濃度10%に希釈したものも使用(オペークホワイトのみ希釈率50%)
製版/校正刷り
 
製版はノーマルと、2階調(中間の階調をなくした0%と100%のみ)の2種を製版して一つの版に合成。線数はともにフェアドット。原稿の拡大率は200%。
※フェアドット・・・FMスクリーンとAMスクリーンの長所を生かしたハイブリッドスクリーンで、画像の濃度によってドットを使い分け、絵柄のあらゆる部分で最適な表現が可能。
版の校正/刷り順※カッコ内は濃度
シーラカンス:銀(100%)→銀(10%)→スミ(100%)→スミ(10%)
カメ:銀(100%)→銀(10%)→特色緑(100%)→特色緑(10%)※銀の後刷りも試した
クラゲ:特色青(100%)→特色青(10%)→オペークホワイト(100%、2度刷り)→オペークホワイト(50%)
クジャク: C(100%)→C(10%)→M(100%)→M(10%)
C(100%)→C(10%)→Y(100%)→Y(10%)
M(100%)→M(10%)→Y(100%)→Y(10%)
金(100%)→金(10%)→K(100%)→K(10%)
ヤギ:特色茶(100%)→特色茶(10%)→オペークホワイト(100%、2度刷り)→オペークホワイト(50%)
刷り上がり
クジャク:シアンとイエローの掛け合わせチャート
【モチーフごとのチャートとその部分】
カメ:銀と特色緑の掛け合わせチャート(銀先刷り)と右下部分の拡大
カメ:特色緑と銀の掛け合わせチャート(銀後刷り)と右下部分の拡大
クジャク:シアンとマゼンタの掛け合わせチャートと右下部分の拡大
クジャク:マゼンタとイエローの掛け合わせチャートと右下部分の拡大
クラゲ:特色青とオペークホワイトの掛け合わせチャート(オペークホワイト後刷り)と右下部分の拡大
トライアルを終えて
山本氏のコメント
「目指した発色は100%と100%の掛け合わせでしたが、こうしてチャートにしてみると100%10%の掛け合わせに良い雰囲気が出ているものも多いように思います。通常、オフセット印刷では網点の密度で薄い色をつくりますが、こうしてインキそのものの濃度を薄めるとボリューム感は100%と同じ。ボリュームがあって、且つ柔らかな表現ができるんですね。刷り順も大きく影響するので、しっかり設計を考える必要があると痛感しました。とにかく、まずは頑張って木版画を制作します!」
担当PDのコメント
このトライアルは目指すものが明確なので、目標に向かってどんな方法があるかを考え、実験して取捨選択していくというやり方をしている。2回のトライアルを通して結果がひとつひとつ着実に積み重ねられているという実感がある。ここからいよいよ具体的なポスター制作。これまでの結果をどう組み合わせながら完成形に近付けていくか、山本氏のイメージを印刷に定着させるためにしっかり詰めていきたい。
次に向けて
「次は実際にポスター用の原稿を使って印刷します。まずはテスト用にB3サイズでのチャレンジ。実際の絵柄を刷ったときの見え方を検証して、細部を詰めながら本番へと近づきたいと思います」
プロフィール

山本剛久 Yamamoto Takehisa
山本剛久
Yamamoto Takehisa

アートディレクター
1980年広島県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業後、2004年凸版印刷株式会社入社。トッパンアイデアセンタークリエイティブ本部に在籍。コーポレートコミュニケーション領域で、入社以来、企業が発行するカレンダーのアートディレクションを中心に手がけ、現在はカタログ、ウェブなどのディレクションに携わる。ドイツ国際カレンダー展銅賞、全国カレンダー展経済産業大臣賞、キッズデザイン賞コミュニケーションデザイン部門など受賞。
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