TOPPAN 凸版印刷株式会社

当サイトは、コミュニケーションメディアのひとつである印刷表現の幅を広げ、クリエイティブに役立つ情報を発信するウェブサイトです。凸版印刷のグラフィック・アーツ・センター(GAC)が運営しています。

GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 2.トライアル1-山本剛久
トライアル1
木版画表現の基本を決める
「木版画のテイストをオフセット印刷に置き換えるために、まずは製版から印刷までの基本を見極めたいと思います。印刷仕様の基準を固めるのが目的です。まずは原稿となるシンプルなベタと模様の木版を制作、摺り方を変えたものも用意しました。水性木版画の柔らかで繊細な色調を再現するにあたり、これを使って製版の方式、基本的なインキの濃度などを検証していきます。同時に、B1サイズのポスターになったときを想定して原稿の拡大率を検討し、原版となる木版の大きさも見極めます。まさにベースづくりのトライアルです」
原稿
テスト用木版画4種。ベタ3種(薄摺り、中摺り、濃摺り)と模様
用紙/インキ
木版画に使われる和紙の風合いをもった用紙と、再現性の基準になる安定した用紙の2種を選択。インキは3色をそれぞれメジウムで希釈し、3種類の濃度を用意した。
用紙
新鳥の子(白)/ヴァンヌーボV(スノーホワイト)
インキ
スミ/シアン/銀
濃度は各100%、50%、10%(50%、10%はメジウムで希釈)
製版/校正刷り
製版はノーマルと、2階調(中間の階調をなくした0%と100%のみ)の2種をモノクロ製版。線数はともにフェアドット。原稿の拡大率は100%、200%、400%の3種。
※フェアドット・・・FMスクリーンとAMスクリーンの長所を生かしたハイブリッドスクリーンで、画像の濃度によってドットを使い分け、絵柄のあらゆる部分で最適な表現が可能。
版の校正/刷り順
スミまたはシアン、銀の単色刷り
(濃度は各100%、50%、10%) ※50%、10%はメジウムで希釈
版の仕組み。
この版でインキ3色、インキ濃度3種類をそれぞれ印刷
刷り上がり
【全体】
原稿:木版画4種
製版:ノーマル
インキ:スミ
インキ濃度:100%
用紙:新鳥の子
【ディテール】
全体画像の左下の部分を製版、インキ濃度の違いで比較したもの

※原稿:濃摺り、インキ:スミ、用紙:新鳥の子は共通
左:製版:ノーマル、インキ濃度:10%/右:製版:2階調、インキ濃度:10%
左:製版:ノーマル、インキ濃度:50%/右:製版:2階調、インキ濃度:50%
左:製版:ノーマル、インキ濃度:100%/右:製版:2階調、インキ濃度:100%
トライアルを終えて
山本氏のコメント
「製版は、階調があるほうが表情は豊かになりますが、2階調の力強さも面白いので、組み合わせて使えればと思います。インキは水性木版画の薄墨の雰囲気をメジウムを使ってつくりだす可能性は見出せた気がします。希釈の割合設定がかなり難しそうですね。原稿の拡大率は200%で考えたいと思います。ところで、用紙はインキのグロス感が出てしまうヴァンヌーボよりも和紙のようにインキが滲む新鳥の子がやはり木版画らしい風合いになりますね。今回は製版やインキや印刷でどれだけ変化が起こせるかが良くわかるトライアルになりました。これをベースに次に進みたいと思います」
担当PDのコメント
木目の風合いを生かすには繊細な階調を拾えるノーマルなものがいいが、柄の輪郭などでは2階調が有効な気もする。薄いインキで木目を表現しながら濃いインキで絵柄をつくるというようにインキの濃度差をうまく利用すれば深みも出そうだ。収穫だったのは200%程度の拡大なら十分に木目の風合いを保持できるとわかったこと。B1の半分のサイズでも原画制作はかなり大変だが、山本氏が版を制作している間に色みや用紙のテストを進めていきたい。
次に向けて
「次は具体的なモチーフごとに色の掛け合わせを考えていきたいと思います。色味だけでなく、インキ濃度や製版、版木の木目の表現などが版を掛け合わせたときにどう影響するかをチャートを作成して検証します」
プロフィール

山本剛久 Yamamoto Takehisa
山本剛久
Yamamoto Takehisa

アートディレクター
1980年広島県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業後、2004年凸版印刷株式会社入社。トッパンアイデアセンタークリエイティブ本部に在籍。コーポレートコミュニケーション領域で、入社以来、企業が発行するカレンダーのアートディレクションを中心に手がけ、現在はカタログ、ウェブなどのディレクションに携わる。ドイツ国際カレンダー展銅賞、全国カレンダー展経済産業大臣賞、キッズデザイン賞コミュニケーションデザイン部門など受賞。
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