TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 3.トライアル2-名久井直子
トライアル2
紙の版で印刷する
「紙の版で刷るというアイデアは、工場を見学していて浮かんだアイデアです。版と紙が並んだ上をローラーが行ったり来たりしながら刷る校正機は、仕組みがとてもアナログな感じがして楽しい気分になりました。そのとき閃いたんです。“版と紙の役割が曖昧になったらどうなるかな”と。型紙のように穴を開けた版を紙の上に重ねて刷るから、“オフセット・ステンシル”という感じでしょうか。普段の仕事では絶対できないけれど、一回やってみたかった実験です」
原稿
カッターで切り抜いて版を制作
用紙/インキ
厚みや平滑性の異なる紙を数種類選択。インキは現場で調合した特色。
用紙
ダイヤプレミアグロスアート/OKアドニスラフW/ユーライト
インキ
特色ピンク2種
製版/校正刷り
型紙は名久井氏が現場で制作した2種。インキを転写するためのベース版は通常の刷版(アルミ製のPS版)で、100%ベタ版、60%網版(175線)、60%網版(47線)の3種。刷られる紙の上に型紙を直接重ねて印刷機に通した。
原画を描き型紙を切る   刷版と用紙を用意する(左が刷版、右が用紙)   用紙の上に型紙を重ねる
型紙の上から刷る   型紙を外す   完成
版の構成/刷り順
薄ピンク(型紙(1)+刷版)→濃ピンク(型紙(2)+刷版)
使用した紙版
型紙(1)
型紙(2)
刷り上がり
A.薄ピンク(ベタ100%)+濃ピンク(ベタ100%)、ダイヤプレミアグロスアート
【ディテール】
B.薄ピンク(ベタ100%)+濃ピンク(ベタ100%)、OKアドニスラフW
【ディテール】
C.薄ピンク(網60%、175線)+濃ピンク(網60%、47線)、ダイヤプレミアグロスアート
【ディテール】
D.薄ピンク(網60%、175線)+濃ピンク(網60%、47線)、OKアドニスラフW
【ディテール】
トライアルを終えて
名久井氏のコメント
「すごく楽しかったです!とってもかわいい絵ができました。特にアドニスラフはエッジのマージナル部分のインクの溜まりや色ムラが面白い、ソフトタッチな感じが素敵です。網点のパーセントや線数の違いでまったく違う絵になるのも面白いですね。それにしても、型紙が思ったよりずっと長持ちしました。部分的にテープで修繕しながらの印刷でしたが、丈夫な型紙をつくればけっこういけそうな気がしてきました。これはぜひ、本番でも使っていきたいと思います!」
担当PDのコメント
型紙とはビックリしたが、予想以上に印刷での効果が出て、想像以上に発見のあるトライアルになった。色ムラは型紙の厚みによって印圧が弱まるため、エッジのインキ溜まりは密着度が低いことで発生する。これがどこか懐かしくて優しい表情をつくりだしている。型紙の用紙を工夫すればもっと耐久性のある版も可能だし、インキや線数などをしっかり設計すればかなり面白い作品ができるように思う。
次に向けて
「次は“なつかし印刷”に挑戦です。レトロな雰囲気の印刷物をつくるための、製版、線数、インキなどをいろいろ実験してみたいと思います」
プロフィール

名久井直子 Nakui Naoko
名久井直子
Nakui Naoko

ブックデザイナー
1976年岩手県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業後、広告代理店勤務を経て、2005年よりフリーランスとして活動。ブックデザインを中心に紙まわりの仕事を手がけるとともに、小説家の長嶋有、柴崎友香、福永信、美術家の法貴信也とブックスゴニングミを結成し同人誌を刊行している。主な仕事に、『真昼なのに昏い部屋』(江國香織)、『エルニーニョ』(中島京子)、『夢みごこち』(フジモトマサル)など。
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