TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 4.トライアル3-佐藤可士和
トライアル3
インキの“盛り”の指標をつくる
「印刷は1回でも、インキの量で色はずいぶん変わります。色校でもよく『インキ、盛り盛りに』『もうちょっと盛って』などと指示しますが、どのくらい盛るかは、実は印刷の技術者まかせでハッキリとした基準がありません。この、人まかせになる部分がどうも気になります。そこで、カスれないギリギリのものから、これ以上乗せられないという限界盛りまでをチャートにしました」
原稿
実験用のチャート(データ)
用紙/インキ
用紙は、刷り色がシアンのみ塗工紙や非塗工系など4種。他の刷り色はラフグロス系のみ。インキはプロセスシアンやPANTONE185C他、5色。
用紙
シアンの刷り:ダイヤプレミアグロスアート/ユーライト/OKアドニスラフW/雷鳥上質
その他の色の刷り:ヴァンヌーボV(スノーホワイト)
インキ
シアン(プロセス)/特色赤(PANTONE185C)/特色緑(PANTONE354C)/イエロー(プロセス)/マゼンタ(プロセス)
製版/校正刷り
線数は175線。インキの盛りを6段階(シアン以外は7段階)変えて印刷するため、版数も同様に6版(シアン以外は7版)必要。
版の構成/刷り順
シアン:6版(超薄盛り/薄盛り/標準/厚盛り/超厚盛り/限界厚盛り)
その他の色:7版(カスレ盛り/超薄盛り/薄盛り/標準/厚盛り/超厚盛り/ツブレ盛り)
刷り上がり
【全体】
シアンの刷り上がり(用紙:ユーライト)
【ディテール】
シアンの顕微鏡写真
左列:表面を100倍に拡大した顕微鏡写真。上より、超薄盛り、標準、限界厚盛り
右列:断面を30000倍(上・中)と10000倍(下)に拡大した顕微鏡写真。上より、超薄盛り、標準、限界厚盛り
【その他の色の刷り上がり】
上:左より、特色赤(PANTONE185C)、特色緑(PANTONE354C)の刷り上がり
下:左より、イエロー(プロセス)、マゼンタ(プロセス)の刷り上がり
トライアルを終えて
佐藤氏のコメント
「同じ色でもインキの盛りによって大きく明度が違うし、色が違えば効果も変わるんですね。緑や赤はハッキリ差が出たけれど、黄色は思ったより差が出ないし、ピンクは盛ってもあまりキレイじゃないというのも面白い。とはいえ、これをどう数値化するかが問題です。デザイナーが指定しやすくなることが目的なので、明快な数値がいいですね。ちなみに今回は用紙の断面を電子顕微鏡で撮影し、インキの膜圧を計測してもらっています」
担当PDのコメント
今回のトライアルでは1回で紙にのせられるインキの量の限界を探った。カスれないギリギリから、ツブれて輪郭が崩れるギリギリまでを最終的に7段階に分けて実験。数値化については膜厚や濃度などいくつかの切り口があるが、印刷現場で用いやすいように濃度を利用することにした。それぞれ標準盛りの濃度を“1”として濃度の変化の割合を数値化してみようと思う。
次に向けて
「次のテーマは“黒”です。普段何気なく使っている黒のインキも、実はメーカーによってさまざまな特徴があるはず。各インキメーカーの黒のインキを一堂に集めて見てみたいと思います」
プロフィール

佐藤可士和 Sato Kashiwa
佐藤可士和
Sato Kashiwa

アートディレクター/クリエイティブディレクター
1965年東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、株式会社博報堂を経て、2000年「サムライ」設立。強力なビジュアル開発力によるトータルなクリエイティブワークで高い評価を得ている。主な仕事にユニクロ、楽天グループ、国立新美術館、NTT docomo「N703iD」、スマップなど。毎日デザイン賞、東京ADCグランプリほか多数受賞。明治学院大学、多摩美術大学客員教授。著書に「佐藤可士和のクリエイティブシンキング」(日本経済新聞出版社)。http://kashiwasato.com/
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