TOPPAN 凸版印刷株式会社

当サイトは、コミュニケーションメディアのひとつである印刷表現の幅を広げ、クリエイティブに役立つ情報を発信するウェブサイトです。凸版印刷のグラフィック・アーツ・センター(GAC)が運営しています。

GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 2.トライアル1-祖父江慎
トライアル1
食材で印刷する

「印刷物はごくごく身近にあるけれど、印刷自体はあまり馴染みがないですよね。インキも機械も謎だらけ!なので、今回はどこの家庭にもある身近な食材をインキ替わりに印刷し、どのくらいインキの機能を果たすか実験します。もちろん、機械を壊してしまうとまずいので、そのあたりは相談しながら材料選びをします。ポスターといえばグラフィックを楽しむものですが、今回はにおいや湿度など日々の暮らしの中にある“気分”を印刷で出せたらと考えました」
原稿

サンプル版

用紙/インキ
どの程度定着するかの検証なので、用紙は非塗工紙からコート系までごくごく一般的なものを選択。インキはメジウムに粉状、液状の食材を混ぜて濃度を調整したもの。
用紙
ダイヤプレミアグロスアート/ユーライト/ヴァンヌーボV(ホワイト)/ぐびき(新橋)  など
インキ
次の食材をメジウムに混入
カレー粉/ココア/インスタントコーヒー/マヨネーズ/赤味噌/はちみつ/小麦粉/塩  など
製版/校正刷り
線数は175線。単色刷り(重ね刷りあり)
刷り上がり
 
カレー粉(10回刷り)
さまざまな色の粒子はスパイス。意外にいろいろな色が見えている。
ココア(10回刷り)
数回重ね刷りするとココアらしい色になった。
インスタントコーヒー(10回刷り)
10回程度の重ね刷りでうっすらコーヒー色が見えてきた。
マヨネーズ(1回刷り)
油分が紙に沁み込んで“透かしインキ”のような効果が出た。
赤味噌(2回刷り)
重ね刷りしても色はかなり薄い。
はちみつ(1回刷り)
色はほとんど見えない。
トライアルを終えて
祖父江氏のコメント
「食材がどのくらいインキの機能を果たすのか実験してみました。結果は、“う〜ん、なかなか思うようにいかないなあ”という感じです。メジウムで希釈するので、どうしても色が薄くなってしまいます。でも面白いものをいくつか発見できました。カレーはスパイスの粒々がノイズっぽくて良いし、マヨネーズは透かしインキみたいで、コーヒーは重ねるとうっすらコーヒー色になりました。ただ、小麦粉や塩は全然インキにならなかったし、赤味噌は思ったより色が出ませんでした。ところで印刷中は部屋が美味しい匂いでいっぱいになったのが楽しかったです。刷り上がり直後は印刷物もしっかり匂っていましたが、カレーですら2〜3日で香りはすっかり飛んでしまいました。それがちょっとザンネンです」
担当PDのコメント
食材を使うとは、もちろんこれまで誰もやったことがない実験。機械が壊れないように酸性の強いもの、粒子が粗いものは排除するなど、職人と相談しながら素材を選び、メジウムで調整した。インキ用の素材探しに途中でスーパーの食品売り場に買い出しに行ったのももちろん初めて。何が出てくるかわからないのは流石に祖父江氏という感じだが、これがどう最終作品に生かされていくのだろうか。まだまだ謎だらけのトライアルになりそうだ。
次に向けて
「次回は、いよいよトラブルに挑戦! どんな技でトラブルを引き起こすか、ただ今PDさんと相談中です。いろいろな方法を使ってみたいと思っているので、楽しみにしていてくださいね」
プロフィール

祖父江慎 Sobue Shin
祖父江慎
Sobue Shin

アートディレクター/ブックデザイナー
1959年愛知県生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科入学。工作舎を経て、90年コズフィッシュ設立。人文書、小説、漫画など、幅広くブックデザインを手がけ、意図的な乱丁や斜めの裁断など、装幀の常識を覆すデザインでも注目を集める。主な仕事に『伝染るんです。』(吉田戦車)、『ユージニア』(恩田陸)、『言いまつがい』(ほぼ日刊イトイ新聞)など。96年日本書籍出版協会造本装幀コンクール受賞。97年講談社文化賞ブックデザイン部門受賞。2004年造本装幀コンクール文部科学大臣賞受賞。
  • グラフィックトライアル twitterはじめました

PDFファイルをご覧になるには、下のボタンから最新のプラグインをダウンロードし、インストールしてご覧ください。

Get Adobe Reader

  • ご意見・ご感想・お問い合わせ 
  • 著作権について 
  • 個人情報保護方針
© 2002 TOPPAN PRINTING CO., LTD.