TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 2.トライアル1-仲野昌晴
トライアル1
紙地を生かした質感表現
「紙地と印刷が出せる質感表現の幅を探ってみたいと思います。そこで、最初のトライアルでは植物の葉をモチーフに選んでみました。誰でもよく知っているありふれたものですが、それだけに見る人をごまかせない難しい素材だと思います。しかも美しく再現するのは意外と難しいんですね。初めてのトライアルですから、思い切ってハードルを高く設定しました」
原稿
画像データ。ツヤのある単体の葉(上)と、ツヤのない群生した葉(下)の2種類の再現を試みた。
用紙/インキ
紙地の色と印刷の掛け合わせで葉のイメージをよりよく表現できるものを考えた。
紙はあえて実物の色にこだわらずに「もっとも葉らしくなりそうなもの」を選択。
インキは、その紙色をベースに、オペークホワイト系で葉のライト部、特色緑でシャドウ部、そしてシャドウ部よりも濃い特色でシメるという設計で3種類を選択。特色緑に関しては、濃度とともに鮮やかさを出すために蛍光インキを混入した。また、葉が無い背景部分は、ライト部用インキと同じものをベタで刷り、紙地を隠蔽した。
※ライト部のインキは、オペークホワイトの他に、パールメジウムを混ぜたものや銀も試した。
用紙
ビオトープGA(フォレストグリーン)/ぐびき(新橋)/ニューウェブロンカラー(緑)/ファーストヴィンテージ(アップルグリーン)
インキ
背景&ライト版用:オペークホワイト/特色ホワイト(オペークホワイト50%+パールメジウム50%)/銀
シャドウ部・シメ版用:特色緑1/特色緑2
色玉
右からオペークホワイト、特色緑1、特色緑2。左2つは3度刷り用のオペークホワイト。
用紙:ニューウェブロンカラー(緑)
製版/校正刷り
線数は175線。背景は紙地を隠蔽するため、100%ベタのマスク版を作成。可能な限りの隠蔽を試みるため、背景の1度刷りと3度刷りをテストした。(3度刷りでは、1度刷りの版を1回刷った後に背景のみの版で2回刷り重ねた)シャドウ版はCMYK変換のシアン、マゼンタ版を元にして作成。シメ版は、原稿の最暗部をかなり硬めに製版したものを使用している。
背景&ライト版 背景版(3度刷り用) シャドウ版 シメ版
版の校正/刷り順
背景1度刷り: 背景&ライト版(オペークホワイト/特色ホワイト/銀の3種)→シャドウ版→シメ版
背景3度刷り: 背景&ライト版(オペークホワイト/特色ホワイト/銀の3種)→背景版→背景版→シャドウ版→シメ版
※3度刷りの背景&ライト版と背景版は同じインキを使用
刷り上がり
※背景&ライト部用インキ:オペークホワイト
※背景3度刷り
用紙:ニューウェブロンカラー(緑)    
【ディテール】※背景&ライト版のインキ違いで比較。
[オペークホワイトを使用] [銀を使用] [紙地]
用紙:ニューウェブロンカラー(緑)
用紙:ぐびき(新橋)
用紙:ファーストヴィンテージ(アップルグリーン)
トライアルを終えて
刷りを確認する仲野氏(左)と、PD田中氏(右)
仲野氏のコメント
「銀がこんなに強く出るとは思いませんでした。特に『ぐびき』は、こんなにインキがしっかり乗るとは驚きですね。モノクロの写真のように明暗の調子が出ています。微妙な紙の色調で、同じインキなのに色みや風合いがまったく違って見えるのもびっくりです。『ニューウェブロンカラー』のテクスチャーも捨てがたい。それにしても、シャドウ部用インキに蛍光インキを混ぜるというプリンティングディレクターの技には驚きです。僕だけだったらそんな発想はできないと思いました。やっぱり、印刷ってスゴイ! それが正直な感想です。
最終的にはモチーフの輪郭を取り払う予定ですが、そのときにも『植物の葉だ』と思えるような質感を得られるかちょっと心配でしたが、このトライアルで『質感だけで見せられる』という確信が得られました」
担当PDのコメント
「用紙ごとに製版設計を行い、インキを使い分ける手法も考えたが、方向性を模索する1回目のトライアルでもあったため、敢えて細かなさじ加減をせずに、ざっくりとやることにした。製版は同一、インキも紙色によって大きく2つに振り分けるにとどめてみたので、かえってそれぞれの表現の違いがはっきりと見えたように思う。また、最終形のポスターはB全サイズなので、もっと調子を繊細につくりこまなければ。特にライト部と最暗部の調子をもっと豊富に再現するなど、まだまだ工夫しなければならないことはたくさんありそうだ」
次に向けて
「次回は、ポスターになったときを想定して、葉を超拡大バージョンで再現してみたいと思います。輪郭を取り払ったかたちで考えてみるつもりです」
プロフィール

仲野昌晴 Nakano Masaharu
仲野昌晴
Nakano Masaharu

アートディレクター
1976年神奈川県生まれ。東京藝術大学美術学部工芸学科漆芸専攻卒業、東京藝術大学大学院美術学部修士課程修了。CM制作に携わった後、フリーランスを経て、2004年より凸版印刷株式会社勤務。トッパンアイデアセンタープロモーション本部所属。企業の商品キャンペーン企画を主体に、ポスター、パッケージ、販促物などビジュアル関連のクリエイティブディレクションを手がける。
  • グラフィックトライアル twitterはじめました

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