TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 3.トライアル2-新村則人
トライアル2
ウロコの質感にグラデーションで迫る
「前回はパールの重ね刷りでウロコに挑戦しました。その結果、パールを何層も重ねると独特の不透明感が出ることがわかりました。そこで今回はグラデーションでいろいろと刷り重ねて実験します。ひとつは金と銀の効果。グロスニス、マットニス、パールメジウムとともにグラデーションで掛け合わせることで複雑な輝きを表現できたらいいなと思っています。もうひとつは偏光パール。インキの見本帳では面白い発色をしていたのでぜひ試してみたいと思います」
金・銀・パール・ニスのグラデーション
原稿
赤のウロコのパターン1種(画像データ)。
用紙/インキ
前回、もっとも効果が出たラフグロス系の紙と、紙自体にウロコのようなキラキラした風合いのあるもの3種を選択。
インキは、前回同様、ベースの色を再現するプロセス4色をベースに、パールメジウムを使用。今回はこれに金、銀を加えるとともに、ツヤ感と輝きに変化をつけるためのグロスニスとマットニスを使用した。金は「金らしい色」として中金を採用、銀は色の沈まないドイツ製のものを採用した。
用紙
ヴァンヌーボV(ホワイト)/きらびき(白)/シェルルック(ツインスノー)/ミランダ(スノーホワイト)
インキ
プロセス4色/マットニス/パールメジウム/特色銀(TOPSTAR 06 2007)/特色金(中金)/グロスニス
製版/校正刷り
線数は175線。まずは通常のプロセス4色でデータを出校。そこに重ねるグラデーションのパターンは製版で設計。変化がなだらかなもの・急激なもの、中心から外郭に向けて濃くなるもの・薄くなるものなど5種類を作成。このパターンをインキと組み合わせて出校した。
【グラデーションパターン】
A B C
D E
版の構成/刷り順
K→C→M→Y→マットニス→パールメジウム→パールメジウム→銀→金→グロスニス
刷り上がり
用紙:ヴァンヌーボV(ホワイト)
【ディテール】
パールメジウム(A)、パールメジウム(B)、銀(C)を刷り重ねたパターン。

※()内はグラデーションパターン参照
パールメジウム(A)、パールメジウム(B)、銀(C)、グロスニス(E)を刷り重ねたパターン。
ウロコの外郭部分に、グロスニスによるぬめっとした輝きが現れた。

※()内はグラデーションパターン参照
偏光パール
原稿
4種の色違いのパターン(画像データ)。
用紙/インキ
用紙はラフグロス系の紙のみ選択。
インキは色違いの偏光パール5色を採用した。
用紙
ヴァンヌーボV(ホワイト))
インキ
プロセス4色/偏光パール(金)/偏光パール(赤)/偏光パール(青)/偏光パール(ライラック)/偏光パール(緑)
製版/校正刷り
線数は175線。プロセス4色でウロコの原稿を印刷した上に、各偏光パールをベタで印刷。それぞれ1度刷り、2度刷りを試した。
版の構成
1度刷り:K→C→M→Y→偏光パール
2度刷り:K→C→M→Y→偏光パール→偏光パール
刷り上がり  ※ここでは2度刷りのものを掲載
偏光パール(金)を使用したもの
用紙:ヴァンヌーボV(ホワイト)
【ディテール】
偏光パール(金)を使用したもの
偏光パール(青)を使用したもの
トライアルを終えて
グラデーションの分版(ここではベースのCMYK抜きの刷り)に見入る新村氏(左)とPD尾河氏(右)
新村氏のコメント
「最初はベタの重ね刷り、今回はグラデーションと、どんどん表現が微妙になってきました。そこがまたいいですね。詰めていくにしたがって、もっともっと細かくなっていくのかな。用紙に関しては、やっぱりニスやパールの効果が高いのはヴァンヌーボでしょうか。紙地自体がキラキラしているものは、逆にインキで隠蔽されてキラキラ感が失われてしまうことがわかりました。なんといっても意外だったのはグラデーションの分版の美しさ。下に色がなにもないものが、一番効果が出ましたね。……ということは、ウロコのベースは、もっと色の薄いパターンで試してみるといいかもしれません。金と銀に関してはベースとなる色との兼ね合いが大きいですね。なんか、毎回新しい発見があって面白いですね。
また、偏光パールは見本帳ではかなり色みが出ていて面白かったのに、期待していたほどの効果はありませんでした。ちょっと残念ですが、偏光パールはあきらめます……」
「今回はグラデーションに集中してみた。予想外に良かったものもあれば、思ったより効果がないものまでさまざまだった。この2回でずいぶん方向性が絞り込まれてきたように思う。パールの重ね刷りとグラデーションをうまく掛け合わせれば、新村さんの目指すウロコに辿りつけると思う。少しずつ先が見えてきた」
次に向けて
「次回は、薄い色のウロコも試しながら、これまでの結果を組み合わせてみます。集合体のウロコにとりかかる前に、まずはウロコ1枚を仕上げたいと思います」
プロフィール

新村則人 Shinmura Norito
新村則人
Shinmura Norito

アートディレクター
1960年山口県生まれ。大阪デザイナー学院卒業。松永真デザイン事務所、I&S/BBDOを経て、95年新村デザイン事務所設立。主な仕事に、資生堂の化粧品「ZEN」「エリクシール」「ディシラ」や良品計画「無印良品キャンプ場」、日本マクドナルド、エスエス製薬、角川書店など。毎日広告デザイン賞最高賞、環境広告賞大賞、JAGDA新人賞、NY ADC銀賞、ブルノグラフィックデザイン国際ビエンナーレ金賞、世界ポスタートリエンナーレトヤマ銅賞、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ銀賞、ラハティポスタービエンナーレ特別賞、東京ADC賞など受賞。
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