TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 2.トライアル1-植原亮輔
トライアル1
視覚効果の高いパターンと色を探す
「視覚効果のトリックの面白さと、質感の違いによって絵づくりができないかと考えて、銀とグレーでパターンをいろいろとつくってみました。銀は光の当たり方によって明度に幅がでると思うんです。グレーの明度は一定ですよね。銀とグレーはあるところで明度が一致するので、その瞬間にパターンが見えなくなるけれど、角度によっては異なって見える。それが面白い効果に繋がらないかな、と。もしかしたらサイズを変えてやってみても面白いかもしれないですね」
原稿
パターンデータ数種類
用紙/インキ
用紙は銀の光沢を生かすため、表面が平滑なものを中心に試した。また、植原氏のこだわりで厚さは薄いものを選択した。
【基本パターン】のインキは特色銀と特色グレーの2色。その組み合わせでどのような視覚的変化をもたらすかを実験した。
また、【組み合わせパターン】としてパターンの中に図形を配置し、図形の外側と内側でインキを入れ替えたり、内側のインキに変化をつけたりしたものも作成した。銀とグレーによる質感の見え方を色の組み合わせで追求するため、特色銀と特色グレーそれぞれのインキにプロセススミやメジウムを調合して数種類出校した。
用紙
コーモラントS/しらおい/特菱アート両面
インキ
特色銀(PANTONE877C)/特色グレー(PANTONE423C)
製版/校正刷り
全ての絵柄を抜き合わせで製版。【基本パターン】として4つのパターンをそれぞれ用紙違いで印刷したほか、【組み合わせパターン】としてパターンと図形を組み合わせたものも出校し、対比した際の効果も検証した。
版の構成/刷り順
基本パターン:特色グレー→特色銀
組み合わせパターン:特色グレー→特色銀→特色グレー+α→特色銀+α
刷り上がり
【基本パターン】
用紙:コーモラントS
これらの4パターンのほか、合計12パターンを出校した
 
ディテール
グレーと銀は明度が同一の部分が存在するが、銀は光の反射によって変化するため明度の幅が広い。そのために、見る角度や光源によって絵柄が変わって見える
【組み合わせパターン】
用紙:コーモラントS
2種のパターンの中に、それぞれ同じ図形を配置している
図形の外側と内側で銀とグレーを入れ替えたもの
図形内側の銀とグレーに、それぞれスミを混ぜたもの
図形内側の銀にパールメジウム、グレーにメジウムを混ぜたもの
図形外側のグレー部分をマットスミ+マットニスにおきかえたもの
図形外側のグレー部分をマットスミ+オペークホワイトにおきかえ、さらに図形内側の銀とグレーを入れ替えたもの
トライアルを終えて
植原氏のコメント
「今回のトライアルを応用すれば、たとえばどこかから見るとただの模様だけれど、銀が光った時には何か別の絵柄が見えてくるとか、そういうことも出来そうな気がします。それにしてもインキの微妙な違いで絵柄の消え具合がずいぶん変わるものなんですね。それから、パターンが大きいほうがはっきりと変化がわかりやすくていいかもしれない。
あと、1枚のポスターで引いて見たりすることで画像が浮かび上がってくるというのもいいけれど、スクリーントーンを貼るようにパターンの組み合わせだけで絵をつくっていって、質感の面白さを出すものもいいですね。パターンとインキの関係がちょっと面白くなってきたので、そのあたりを考えてみたい。すごく面白いことになりそうです」
見る角度や光源によって変わる効果を最も生かせるように、インキの調合を探して組み合わせてみたが、インキだけでなく紙によっても効果が変わることがわかった。ただし、インキを色々と調合して複雑に組み合わせても、それぞれが思ったような効果に繋がらないことが多かったのは少々意外な発見だった。
次に向けて
「絵柄が出たり消えたりすることだけを追求するなら銀とグレーですが、パターンの面白さを追求するなら別の色でもいいのかもしれない。今度はどんな絵柄にするか具体的に考えていきたいと思います」
プロフィール

植原亮輔 Uehara Ryosuke
植原亮輔
Uehara Ryosuke

アートディレクター
1972年北海道生まれ。ドラフト/D-BROS所属。フラワーベース「Hope forever blossoming」、架空のホテルから生まれるプロダクト「ホテルバタフライ」などの商品企画・デザインを手がける。主なグラフィックの仕事に、パナソニック電工バスプロジェクト「i-X」、THEATRE PRODUCTS、THEATRE MUSICA、ワコール「une nana cool」「LuncH」等。また、渡邊良重氏とともに、ショートフィルム「欲望の茶色い塊」(21_21 DESIGN SIGHT・チョコレート展/2007年)の制作や、個展「時間の標本」(AMPG/2008年)開催。JAGDA新人賞、東京ADC賞、NY ADC賞、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ銀賞など受賞。
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