TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 3.トライアル2-高井薫
トライアル2
薄色のインキで印刷する
「薄い色が好きで、仕事でもよく使っています。でも淡い色はどうしても網点が小さくて深みが出ません。そこで今回はインキそのものを薄い色にしてみたらどうなるんでしょう? ということでやってみます。さらに原稿を3種類用意して、重ね刷りに挑戦してみました。薄い色での再現だから、重ねてもきっと下の絵も生きてくるはず。どこかに下の絵が重なって予測できない絵が見えてくる瞬間があるはず…というのが私の予想なのですが・・・」
原稿
原稿A(データ)
原稿B(データ)
原稿C(データ)
用紙/インキ
写真素材の表現が目標のトライアルということで、紙は質感と再現性のバランスを考えながら選択。インキは広演色インキ「Kaleido」をグロスニスで薄めたものを濃度違いで2種類使用。淡い色でも色感豊かな表現を期待し「Kaleido」を選択した。またグロス感でインキの厚みを感じられるよう、希釈剤にはグロスニスを採用。
※Kaleido・・・ 従来のプロセス4色印刷では再現しきれなかったRGB画像の広い色領域を、6色、7色印刷に近いレベルで再現可能とした4色プロセスインキ
用紙
ヴァンヌーボV(ホワイト)/特菱アート片面/ルーセンスS(ホワイト)
インキ
プロセス(ノーマル)4色/広演色インキ「Kaleido」4色(グロスニスで濃度約3%まで希釈)/広演色インキ「Kaleido」4色(グロスニスで濃度約6%まで希釈)
製版/校正刷り
A・B・C3種類の原稿はそれぞれ通常のように写真製版。ただし、極薄インキで色幅が狭いので、中間のボリュームを上げてしっかりとトーンがつくれるように調整している。インキはプロセス4色を、特製の広演色の薄色インキによるインキセットに置き換えて印刷した。さらにA・B・Cの原稿を重ね刷りして透過性やインキの厚みによる効果を実験した。
版の構成/刷り順
原稿A【K→C→M→Y】⇒原稿B【K→C→M→Y】⇒原稿C【K→C→M→Y】
この刷り順を基本形に、絵の組合わせや2度刷りなどバリエーション違いを印刷。
刷り上がり
今回のトライアルで使用したインキの掛け合わせチャート。
上から、プロセスインキ(ノーマル)、広演色インキ「Kaleido(濃度約6%)」、広演色インキ「Kaleido(濃度約3%)」の各チャート。
【原稿Aを用いたテスト】用紙:ヴァンヌーボV(ホワイト)
プロセス(ノーマル)部分 Kaleido(濃度約6%)部分 Kaleido(濃度約3%)部分
【原稿Bを用いたテスト】用紙:ヴァンヌーボV(ホワイト)
プロセス(ノーマル)部分 Kaleido(濃度約6%)部分 Kaleido(濃度約3%)部分
【原稿Cを用いたテスト】用紙:ヴァンヌーボV(ホワイト)
ノーマルプロセス4色部分 Kaleido(濃度約6%)部分 Kaleido(濃度約3%)部分
【原稿ABの重ね刷りテスト】用紙:ヴァンヌーボV(ホワイト)
Kaleido(濃度約6%)部分 Kaleido(濃度約3%)部分
Kaleido(濃度約6%)のディテール Kaleido(濃度約3%)のディテール
【原稿ABCの重ね刷りテスト】用紙:ヴァンヌーボV(ホワイト)
Kaleido(濃度約6%)部分 Kaleido(濃度約3%)部分
Kaleido(濃度約6%)のディテール Kaleido(濃度約3%)のディテール
トライアルを終えて
高井氏のコメント
「いいですね! すごく面白いものができました。こんなにインキを薄めているのに、ちゃんと絵が見えてくる。網点の小さい薄い印刷物と違って深みがありますね。水色やピンクのような色もきれいに出たのはやはり広演色インキのおかげなのかな。狙いどおり、重ねた絵のシャドウ部がツブツブな感じに濃くなっていくという表現ができた気がします。充分満足できる結果になりました。こうなると、どんどんイメージはふくらんできますね。希釈剤がパールメジウムならどうなるのかな、スミ版を銀や特色グレーにしたらどう見えるんだろう…などなど。とにかくこの“淡い色”での表現を中心に本番を考えたいと思います」
乾くまでは何を刷っているのかわからないくらい、かなり薄めたインキを使ってみた。希釈剤がニスなので、淡い色だがグロス感もしっかり保っている。もっと薄めれば、さらに彩度の高い表現も可能かもしれない。また、濃度は薄いが調子はフルトーンで入っているので、非常に繊細でデリケートな表現に仕上がった。ところで、これだけ重ね刷りしてもモアレが起きていない。網点が見えないほどインキが薄いので、モアレが回避できたのだが、これはなにかに応用できそうな発見だった。
次に向けて
「淡い色で重ねて面白くなるデザインを考えて、ポスターにしたいと思います。トライアル1の質感のテストも取り入れるところは取り入れながら、仕上げるつもりです」
プロフィール

高井薫 Takai Kaoru
高井薫
Takai Kaoru

アートディレクター
1967年東京都生まれ。
92年多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、サントリー宣伝部を経て、2002年よりサン・アド勤務。主な仕事に、サントリー、ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング、アナザーエディション、日本郵政グループなどの広告のアートディレクション、Village Beautyのパッケージデザイン、映画『Shall we dance?』、『Wool 100%』の宣伝制作、CLASSICS the Small Luxuryの商品デザインなど。ADC賞、朝日広告賞グランプリ、JAGDA新人賞など受賞。
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