TOPPAN 凸版印刷株式会社

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GRAPHIC TRIAL グラフィックトライアルトップクリエイターとともに印刷表現の可能性を探ります

GRAPHIC TRIAL 2.トライアル2-平林奈緒美
トライアル2
意図的にハプニングを起こす
「前回のトライアルのあと、よりカラフルなビジュアルで実験したくなったので、最終作品をイメージした原稿を用意しました。今度はインキはもちろんのこと、網点の大きさ(スクリーン線数)を変えることも試してみたいと思います」
原稿
テスト原稿は、さまざまな印刷物をコラージュしたビジュアルで構成されている。4色プロセスのM(マゼンタ)版だけ網点を大きくしたり、C(シアン)版をマゼンタのインキで刷ったり、版ズレを意図的に行ったり、既存のルールとらわれない自由さが面白い印刷表現へ発展することに期待する。
原稿(部分) 原稿(部分)
用紙/インキ
用紙はトライアル1で使用したマガジンテキスト。インキは通常のプロセスインキの他に、蛍光インキなどの特色を組み合わせて使用。
用紙
マガジンテキスト(きなり)/マガジンテキスト(桃)
インキ
プロセス4色/ 特色(PANTONE 806 C / 803 C / 396 C / 1915 C / 1585 C / 326 C / スーパーブラック)/ニス
製版/校正刷り
マゼンタ(M)版だけを粗い網点にしたいという平林氏の希望で、M版だけを20線程度の粗い網点になるよう調整した(1インチの幅のなかに並ぶ点の数をスクリーン線数と呼ぶ。通常の商業印刷物のスクリーン線数は175線)。また、インキを吸い込みやすい紙のため絵柄の下にニスを引いた。
版の構成/刷り順
a) ニス→K→M(C版)→C(M版)→Y→特スミ
b) ニス→K→C→M(20線相当)→Y→特スミ
c) ニス→K→C→M→Y(斜めに版をずらす)→特スミ
d) ニス→K→C→PANTONE 806 C(20線相当)→803 C→特スミ
e) ニス→PANTONE 396 C→1915 C→1585 C→326 C→特スミ
トライアルを終えて
a)ニス→K→M(C版)→C(M版)→Y→特スミ a)ニス→K→M(C版)→C(M版)→Y→特スミ
(部分拡大 / 用紙:マガジンテキスト きなり 以下同じ)

C版とM版のインキの入れ替え
b)ニス→K→C→M(20線)→Y→特スミ b)ニス→K→C→M(20線)→Y→特スミ

M版のみ20線相当の粗線
c)ニス→K→C→M(20線)→Y(斜めに版をずらす)→特スミ c)ニス→K→C→M(20線)→Y(斜めに版をずらす)→特スミ

M版のみ20線相当、Y版は意図的に版ズレを作成
d)ニス→K→C→PANTONE 806 C(20線)→803 C→特スミ d)ニス→K→C→PANTONE 806 C(20線)→803 C→特スミ

M版のみ20線相当、さらにM版とY版で蛍光色系の特色を使用
e)ニス→PANTONE 396 C→1915 C→1585 C→326 C→特スミ e)ニス→PANTONE 396 C→1915 C→1585 C→326 C→特スミ

4色プロセス製版した版を全て無作為に選んだ特色で印刷
平林氏のコメント
「いやあ、楽しいですね! 期待通り、色校を見るまでのワクワク、見てからビックリの気分を味わえました。1版だけスクリーン線数を粗くするのは初めてですけど、とても面白い効果が出ましたね。まあ、版ズレはある程度予想はできるものの、それでも実際に目にするのとは大違い。スーパーブラックで刷った別版の絵柄も、インキが黒々と出てくれて満足!」
CMYKというプロセスインキの設定を逸脱していろいろな特色インキで刷ると、仕上がりの色調は刷り上るまでわからない。ある程度は予測できるとはいえ、実際に刷り上ってみると、とても興味深い実験結果になった。最終的に5枚のポスターがどのような構成になるのかが、とても楽しみである。それにしても意図的に版ズレをつくりたいというオーダーには頭を悩ませた。
次に向けて
「マガジンテキストは大好きな紙だけれど、風合いがありすぎて作品自身の狙いが見えにくくなりますね。粗い線数での表現や特色の使い方など、作品の狙いをより効果的に見せたいと考えています」
プロフィール

平林奈緒美 Hirabayashi Naomi
平林奈緒美
Hirabayashi Naomi

アートディレクター/
グラフィックデザイナー
東京都生まれ。
武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業後、株式会社資生堂(宣伝制作部)入社。2002年より1年間ロンドンのデザインスタジオ「MadeThought」に出向。05年よりフリーランス。
主な仕事に「FSP」、HOUSE OF SHISEIDO、ettusais、journal standard luxeなどセレクトショップのビジュアルディレクション、宇多田ヒカル・森山直太朗のCDジャケットなど。
NY ADC金賞 / 銀賞、British D&AD銀賞、JAGDA新人賞、東京ADC賞、東京TDC銅賞など受賞多数。
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